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射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


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50.いつものスタイル

 彼が相手していた怪物たちは、オーガに恐れをなして逃げてしまったらしい。

 ユーリはフィアナを背中に乗せたまま飛び出した。建物の瓦礫が降り注ぐ中、これを避けながらリゼたちの方へ向かう。


 間に合わないか? でも大丈夫。


「ファイヤーボール!」


 空中でコータが火球を放つ。追撃をかけようとするオーガへの牽制と同時に、攻撃の反動でこちらにリゼたちが近づく結果になる。


「リゼさん!」

「フィアナちゃん!」


 フィアナが伸ばした手をリゼが掴む。同時にユーリは加速。オーガから離れる。オーガはこっちをひたすら追いかけてきた。

 ああ。走りくい。なぜなら。


「なんでまた! わたし普通に乗れてないんでしょうかー!?」


 リゼはユーリの背中にまたがってはいない。フィアナに手を繋がれたまま、ユーリに引きずられてる状態だ。


「なにやってるんですかリゼさん! 早く登ってきて!」

「やってる! やってるから! 急かさないで!」

「ユーリくんが走りにくいんです早くしてください!」

「わかってるもん!! うみゃー! 疲れたー!」


 なんとかよじ登ったリゼ。何もしてないのに疲れるな。


 ユーリはといえば、方向転換してカイを拾う。彼はユーリが接近すると同時に体を掴んで綺麗に飛び乗った。


「ほら見てください! カイさんはこんな風にやれますよ! リゼさんなんで出来ないんですか!?」

「うわーん! フィアナちゃんが意地悪言うー! わたしそんな子に育てた覚えはないのにー!」

「育てられてません抱きつかないで! 弓が構えられません!」


 とにかくこれで、ユーリの背中に三人と使い魔一匹。いつものスタイルが完成した。


「それで。ここからどうするんだい?」


 ハンターを乗せたラフィオが並走して話しかける。


「あのオーガをなんとかしよう。ゴブリンを追い立てていた怪物で間違いないんだよな?」

「そうだよ。状況的に見ても間違いない。壊れた柵から侵入したんだ。あのビーム、光の線が壊したんだよ」

「……あれは何だったんだ?」

「わからない。たぶん向こうの世界でなにかあったんだろう。魔法少女の技じゃないなら、可能性は限られる」

「バギャウヴァか……」

「ま、向こうでなんとかするのを祈ろう。それよりも、オーガさえ倒せば、こっちにいる敵は雑魚ばかりだ。兵士たちに任せるのは数が多くて荷が重いかもしれないけど」

「それでも、まだなんとかなるか」


 奴を倒すのが最優先。


「コータいけるか?」

「あたりまえだ。あいつドラゴンより弱いから。それに翼もない。接近してでかい魔法を当てれば楽勝だ」

「じゃあ、僕が援護するよ。そうしたら、向こう側に行ってバギャウヴァを倒すのを手伝ってくれ」

「わかった」

「……そういえば、香花とロジャーは?」

「向こうの世界に移動したよー。バギャウヴァの対処をするコノカちゃんと、ロジャーもそっちに行こうとしてた」

「そうか。じゃあ、思う存分動こうか。僕とハンターでオーガを惹きつけるから、ユーリたちで背後に接近してくれ」

「了解。ユーリ頼む」

「ガウ」

「うー。あんな大きいのに近づくの、嫌なんだけどなー」

「じゃあ、リゼさんだけ降りますか? コータさんは連れて行くので、ある程度は追いかけてもらわないと困りますけど」

「いいえ一緒にいさせてもらいます!」



――――



「ど、どうしよう! わたしもしかして、とんでもないことしちゃった!?」


 バギャウヴァのビームを異世界に逃した香花だけど、向こうで被害が出たらしい。その様子を香花はよく見れていないようで、ただただ混乱していた。


 悠馬にも向こうの状況は見えない。知りたいけど、今はニワトリの足を掴んでバギャウヴァの体から引きずり下ろすのを優先しないと。ニワトリが、甲羅の上のセイバーを突こうとしているから。

 そしてバギャウヴァは、香花がビームを邪魔したと把握しているらしい。彼女に怒りの形相を向けた。ビームは防がれるし、放ったばかりで連射はできない。


 だから突進をかけた。


「香花ちゃん! 逃げろ!」


 剛の声。彼もまた、トンファーでニワトリを地面に組み伏せていて動けない。


「え。あ」


 香花は、自分に向かってくるバギャウヴァに気づいた。けれど体がすくんで動けないらしい。ただただ、迫る死を見つめていて。


「コノカ!」


 開いたままの穴からロジャーが飛び出して、香花を押し倒した。バギャウヴァの側面に倒れたふたりは、とりあえず無事。しかし怪物はすぐに追撃に走って。


「ファイヤーボール!」


 ロジャーの手から放たれた、拳くらいのサイズの火球がバギャウヴァの顔を打った。


「バギァァ……」

「コノカ立って! 逃げるよ!」

「う、うん!」

「危ない伏せて!」


 ライナーの声。再び地面に倒れ込むふたりの頭上を、尻尾のコブが通り抜けた。今度はそれが振り上げられてロジャーたちの方へ落ちていく。しかしライナーが蹴飛ばして、コブは地面を砕いただけ。


「ふたりとも離れて! ううん違う、逃げちゃ駄目! またビーム撃ってきたら香花ちゃんがなんとかして! ロジャーは香花ちゃんを守ること! あとお姉さんとバーサーカーは早くしてください!」

「無茶言わないで! こっちも頑張ってるんだから!」

「こいつ動き回って、攻撃どころじゃねえんだよ!」


 魔法少女たちは大変そうだ。

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