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射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


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49.元の組み合わせ

「ねえ! ねえってばコータ! なんかすごいのが来るんだけど! あれ何!? ねえなんなの!?」

「知るか俺にもわからない!」

「あれ敵なの!? 戦わなきゃいけないの!? やだ絶対にやだ! 味方だって言ってよー!」

「わからないものには何も言えないけど、たぶん味方じゃないだろうな! ゴブリンを追い立てていた、森の怪物があれだ!」

「森の怪物なら森にいてよ! なんで街の中にいるの!? ずるいんだけど!」

「俺に聞くな! とにかく倒さないと!」


 リゼは今も騒がしい。コータとカイが戦いながら相手しているのは立派だ。特にカイは、屋上にいるリゼに地面から声をかけているんだから。

 ユーリは狼化してたら喋れないし、元から無口なのを受け入れられてるから、相手をしなくていい。密かに優越感を覚えていることでもある。


 けど今日はちょっと違って。


「でね! ラフィオって自分のモフモフにはあんまり興味なくてね! お風呂入っても乾かすのはそんなに頑張らないんだよ。男の子の格好でタオルで拭くくらいなの! 勿体ないよね! 濡れたモフモフを丁寧にドライヤーで乾かしてブラッシングしたら、すごくモフモフフワフワになるんだよ! ねえ、ユーリはどう? この世界ってドライヤーはないよね? お風呂はあるの? 向こうでお風呂入ったユーリはやっぱりモフモフなのかなでもラフィオが一番なんだけどね!」


 乗ってるハンターがずっと喋っている。しかも、こっちに話しかけている。ユーリはもちろん返事ができないのだけど、構わず話すのはなぜだろう。


 いや。ハンターもちゃんと戦っている。ニワトリ相手に格闘戦を挑むユーリの上で、揺れなどお構いなしに空飛ぶプテラノドンを次々に射抜いている。魔法少女の力はすごいな。フィアナは魔法無しでやってのけるけどね。


 フィアナだって、戦闘中に喋ることはある。でも必要な会話だし、ちゃんと会話になっている。彼女はユーリの吠える声の意味を理解している。

 だから話しやすい。ハンターや、上で騒いでいるリゼとの会話とはわけが違う。


 ああ。フィアナに戻ってきてほしい。戦いながら、ずっと考えていた。


 それより、近づいてくる怪物だ。あれはオーガ。本で見たことがある。

 奴は手に木の幹を持って、投げつけた。よく見ればラフィオとフィアナに向けてだ。

 ふたりがこっちに来ている!


「うわー!?」


 突然駆け出したユーリに揺られたハンターが驚きの声を上げたけど、構うものか。フィアナの方に接近。オーガが今度は、小さめの建物を持ち上げようとしている。

 さすがに、自分と同じくらいの大きさの煉瓦造りの建造物を全部持ち上げることは出来なかったけれど、壊れた建物の瓦礫を掴んで放り投げるくらいはやってきた。


 バラバラと煉瓦が降り注ぐ。


「うひゃー!」

「ラフィオー! こっち!」

「ハンター!」

「やっぱりラフィオの方がいい!」


 お互い全力で走っているから、ユーリとラフィオの距離は急速に縮まっていく。高速ですれ違う瞬間に、ハンターはラフィオの背中に飛び乗った。一瞬の隙を見逃さず、少しでもタイミングがずれれば落ちてしまうのに、躊躇いはなかった。


「えへへー! ラフィオモフモフー! ユーリも良かったけど、このモフモフが一番落ち着くよね!」

「そうか。今はそんな話してる場合じゃないと思うけどな!」


 ラフィオは呆れた声。その通りで、上からまた煉瓦が降ってきた。

 ユーリはそれを避けながらなんとか方向転換。ラフィオを追いかけて並ぶ。


「ユーリくん! えっと」


 さっきハンターがやったような飛び移りは、フィアナには難しそうだった。たとえユーリとラフィオが並走していても。

 立ち止まればオーガに追いつかれる。どうしたものかと思った瞬間、オーガに巨大な火球が直撃して、奴の動きが止まった。


 リゼたちからまだ距離があったからか、致命傷にはなってない。けれど無視できないダメージではあったらしい。オーガの目がリゼの方に向かう。

 その隙に、ユーリたちは減速。フィアナが背中に乗った。


「そ、そうですね! わたしもユーリくんのモフモフが一番だと思います! ラフィオさんも良かったですけど!」


 君までモフリストになったのかい?


「それより、街が大変なことになってるよ。ほら、そこにゴブリンが」

「ほんとだ。えいっ」


 ラフィオが、路地の隙間に逃げこもうとしたゴブリンを見つけて、ハンターが素早く射抜く。奴らもオーガから逃げていたのだろう。同情できなくもないけど、街の中に奴らの居場所はない。怪物どもと一緒に倒されてしまえ。


 そしてオーガはといえば、コータを排除すべき敵とみなしたらしい。その建物へと駆けていった。コータが再び放った火球を、オーガはなんとしゃがんで回避した。その上で、彼らがいる建物に突っ込んでいく。

 建物がきしみ、崩れ始めていく。あれ自体は市民の集会所で、今は無人らしい。でも屋上にいたコータとリゼは無事では済まない。


「にぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!? コータ!? なんとかして! 空とか飛んで! みゃー!」

「無茶を言うなー!」

「ユーリ受け止めてやれ!」


 下で様子を見ていたカイがこっちに向かいながら指示を出す。

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