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射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


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47.ビームを空へ

 渾身の技を二回も回避され、大した被害を出せなかったバギャウヴァは悔しそうに叫び、そして六本の足で地団駄を踏んだ。


「きゃー!?」

「おわー!?」


 体が大きく揺れて、セイバーたちが叫んでる。鱗の隙間に剣を差し込んでこじ開けて剥がそうとしてたらしいけど、中断して体にしがみつく。


「ねえライナー! 怒らせちゃ駄目でしょ!」

「そうだそうだ! もっと上手くやれ!」

「無茶言わないで! こっちも頑張ってるんだから! うわ来た!?」

「ぎゃー!?」


 ライナーを直接攻撃すべく、バギャウヴァは突進をかけてきた。六本足で動く体はそれなりに素早いが、それでもライナーほどではない。回避は簡単だ。尻尾のハンマーも簡単に避ける。

 けど、バギャウヴァの向いている方向が変ったのも事実。


「あ。まずい」


 またビームを撃とうとした。


 バギャウヴァの口は、水族館とその近くにある商業施設に向いていた。中に人がいるだろう。その後ろにも街が広がっている。


「バーサーカー! そいつの頭動かして海の方に向かせて!」

「無茶を言うなー!」


 今度はバーサーカーが文句言う番だった。


 バギャウヴァの足のつけ根にしがみついて、落とされないよう必死になっているバーサーカーに、そんなことする余裕はない。ライナーが接近しようとするけど、正面からビームを受ける危険を察知して足を止めてしまった。

 悠馬も剛も樋口も、周りにいるニワトリたちの対処で動けない。


 まずい。


「任せてください! わたしが!」


 空間に空いた穴から声が聞こえた。香花だ。


 向こうの世界で戦況を見守っていた彼女は穴を通ってこちらへと移動し、魔法の石を操作した。


 一旦閉じられた穴がバギャウヴァの目の前で開く。穴を通って異世界の空にビームが放たれた。

 飛行機も報道ヘリも飛んでいない、安全な空。目に入る飛ぶものといえば、向こうで暴れているプテラノドンくらいか。それをいくつも焼き鳥にしながら、バギャウヴァは目の前の光景に混乱していた。


 しかし、敵にビームを当てる必要があるのは奴もわかっているらしい。なんとか穴から顔を逸らすべく、首も体も動かし続ける。


「わっ! ちょっ! 待って! このっ!」


 香花も負けじと穴を動かしている。これ、動かせられるんだ。なんとかビームが途切れるまで、穴で追いかけることは成功したけれど、向こう側だって街中で建物が多くあって。

 そこに当てないよう努力しなきゃいけないのだけど。


 穴の向こう側で悲鳴が聞こえた。



――――



 フィアナです! 空を飛ぶプテラノドンという怪物たちをやっつけながら、街の端の方へ向かってます。

 ラフィオさんの上に乗って揺られながらです。歩幅とかの違いで、ユーリくんとは揺れが違います。普段ユーリくんに合わせて矢を放っているので、今日はなんだか狙いがつけにくいです。


 それでも、なんとか調整しますよ。


 街の大通りをラフィオさんが駆け抜けます。屋内に避難している住民たちが驚いた顔を見せてます。危ないですから奥に引っ込んでいてください。


 通りを歩いているニワトリはラフィオさんが容赦なくぶつかって轢き倒します。馬車の事故よりも強烈な一撃でニワトリがふっ飛ばされていきます。ラフィオさん、脚力がすごいので衝撃があります。重さはユーリくんの方が上ですけどね。こっちは速度がありますよ。


 だから柵には早く着きました。さほど大きな街ではありませんし。ラフィオさんは模布市でも、街中を駆け抜けてたそうです。


 門の周りには兵士が集まって緊張が高まっています。ゴブリンが一斉に動き出したそうです。

 ゴブリンは門を突破しようとするだけではなく、柵をよじ登ろうとしているらしいです。


 見張り台から矢を放つ兵士はいますが、それだけでは進攻は止まりません。門を開けて打って出るわけにもいかず、いつ街の中に入ってくるかわからないゴブリンに緊張しながら備えるしかありません。しかも、背後ではニワトリが暴れて、市民を襲っている最中なので、そっちに人手と意識を取られるのも不利な要素です。


 そんな中で、ラフィオさんの姿は目立ちます。まさか怪物かと兵士たちが騒然としました。


「落ち着いてください! わたしたちは冒険者です! 大変なことになっていると聞いて協力しに来ました!」


 正確には、ラフィオさんは違いますけどね。


 その時です。兵のひとりが柵のてっぺんを指差しました。ゴブリンの姿があります。ここまで登ってきたのでしょう。

 わたしはすかさず弓を構えて矢を放ちました。喉を貫かれたゴブリンが死んで、向こう側に落ちます。兵士たちが歓声をあげますが、すぐに静まりました。


 柵の、他の上の部分にもゴブリンの姿が見えたのです。しかもいくつも。


 兵士たちはすかさず弓を構えて斉射します。この状況でもさすがの統率です。


「ラフィオさん。近くの屋根に登ってください」

「わかった。この場から離れて、怪物退治に戻るわけにはいかないか」

「はい」

「僕も同意見だよ」


 外のゴブリンの数が多いらしく、このままでは街への侵入を許してしまいます。わたしたちで食い止めないと。

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