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射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


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46.戦い方

 頭からぶつかったのに、硬い鱗に覆われているために無事。ダメージは全くない様子。


「おおー。強そうだね。これは悠馬たち、下がってた方がいいかな?」

「ライナーなら勝てるのか?」

「とりあえず蹴ってみます!」


 五条院を下ろし、クラウチングのポーズを取ってから駆け出すライナー。バギャウヴァもその姿を認識して、体を少し回して頭部を遠ざけつつ尻尾を振った。長いそれは自由に動き、しなりながら硬そうなコブをライナーに当てにくる。途中で跳躍したライナーの下をコブが通過。そのまま弾丸のごときスピードでバギャウヴァの甲羅に突っ込んで。


「うみゃー!?」


 変な悲鳴と共に甲羅の上を跳ねたライナーが反対側に落下する。


「なにこれ! 硬い! 傷ひとつつかない!?」


 起き上がってそんな事を言うあたり、元気だし怪我もしてなさそうだけど。


 悠馬もバギャウヴァの体を回り込んでライナーの近くに行こうとする。バギャウヴァは五条院ではなくライナーを倒すべき敵と認識したらしくて、彼女の方を見て口を開けた。

 咆哮で威嚇でもするのかと思えば、違うらしい。口内が光っている。


 まさか。


「ライナー逃げろ!」

「わかってる!」


 バギャウヴァの口を睨むライナー。次の瞬間、鱗だらけの口からビームが発射された。微かに赤い光の線がライナーに伸びたが、彼女はさすがの俊足でこれを避ける。しかしバギャウヴァも口を動かしてライナーを追いかける。


「おらっ! 喰らえっ!」


 そこに横からバーサーカーが来た。さっき倒した蜘蛛の死体を持ち上げながら。頭部に蜘蛛を思いっきり振り下ろされれば、さすがにバギャウヴァも下を向かざるをえない。


 ビームが地面にめり込んで、止まる。


「なんなんだよこいつ!? 火を吹くとかそんなんじゃないぞ! ビームってなんだよ! 怪獣じゃねえか!」


 本当にな。


 さすがに連発はできないのか、顔を上げたバギャウヴァはライナーを睨むだけ。けど、時間が経てば次を撃ってくるだろう。


 ビームが放たれた方向を見る。幸いにして海に向かって撃たれたから、街に被害はなさそうだ。ビームがどこまで届いているかわからないし、見えないほど遠くで船がやられてる可能性もあるけど。

 とにかく、今の攻撃を見て、対処法はわかった。


「悠馬、大丈夫? あいつに勝てる?」


 周りのニワトリたち雑魚を掃討したセイバーが、悠馬に駆け寄った。彼女もバギャウヴァの姿に驚いているらしい。


「勝てる。あいつの首は、そんなに大きくは動かない。自分の背中を見ることもできない。そこを守るための鱗と甲羅だ」

「つまり?」

「あいつの背中や側面に張り付いて、鱗と甲羅を剥がせば傷を与えられる。その剣と、バーサーカーの怪力があればなんとかなるだろ。もちろん、他の怪物たちが姉ちゃんたちを排除しようと襲いかかるだろうけど、それは俺が守る。ライナーは、ビームが市街地に向かないようにバギャウヴァの前に立って惹きつける役」

「おおー。なんか大変そうねー」

「レールガンさえあれば、奴の体を貫いて大怪我させられるとは思うけど」

「当てる角度が悪かったら、鱗の表面で滑って跳弾が怖いわね。まあでも、相手は生き物。フィアイーターと違って回復とかしないから、楽ね。じゃあ行ってくるわ」

「うん。危ない戦いになるけど、気をつけてくれ」

「お互いにね」


 セイバーは、バギャウヴァと睨み合ってるライナーの方に向かっていく。バーサーカーは悠馬が何か言う前に本能で戦い方を悟ったのか、巨大な甲羅をなんとか破壊できないかと引っ張ったり押したり、隙間を掴んで広げようとしていた。


 実際、背中にいるバーサーカーをバギャウヴァはかなりウザいと思っているらしい。あまり動かない首で振り返ろうとしたり、周囲の怪物に指示を出して落とそうとしている。

 今も果敢に飛び込んできたニワトリを、バーサーカーは逆に首を掴んで、バギャウヴァの頭に投げつけた。


「おらぁ! デカブツさっさと死にやがれ!」


 乱暴な言葉遣いが止まらないバーサーカーの近くにセイバーが到着して、作戦を伝える。もちろん悠馬も近づいている。自分の方針が間違ってなかったことを知ったバーサーカーはテンションが上がってたけど。


「ねえ悠馬!? なんでわたしだけ! いつもこんな役なんでしょうか!? わたしも派手に蹴ったり殴ったりして敵を倒したいです!」


 ライナーの抗議の声。気持ちはわかるけど。


「頼む! こういう役目はライナーにしか頼れないんだ!」

「頼りにしてくれるのは嬉しいけど!」

「今度デート行こう!」

「やります!」

「ちょろい女ねー」

「彼女だからデート行くなんて普通なのになー」


 やる気を出したライナーに冷めた目を向けるセイバーとバーサーカー。単純さに呆れながら、少しの羨ましさもあるのだろうな。

 当のライナーには聞こえていないらしく、やる気に満ちた表情でバギャウヴァと対峙していて。


「へいへーい! 亀さん! いや亀なのか? よくわかんないけど、来るなら来なさい! あんたの攻撃全部回避してやるから!」

「バギァァァァァァァァ!」

「来た来た! 華麗に回避!」


 咆哮と共にビームが放たれて、ライナーはそれを走って避けた。バギャウヴァの首の動きよりもライナーの足の方が速い。しかも周囲の建物の場所も把握していて、そこに被害が出ないよう立ち回っている。

 建物に当たりそうになれば、ライナーは軽くしゃがんでビームをやり過ごし、もと来たルートを走り直して被害を抑えていた。地面が軽く焼けるくらいは大目に見てほしい。

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