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射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


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44.臨海公園

「み、見間違えただけだよ! どっちも白いモフモフだから! 慌てて乗って、触った瞬間にユーリだって気づいたよ! モフモフの感じが違うから!」

「……」

「ねえ、これって浮気とかにならないかな!? ならないよね! 間違えただけだもん! 他のモフモフをモフモフするなんて普通だし! というかラフィオ行かないでー!」

「……」


 ユーリの背中の上でハンターが慌てて、よくわからないことを言っている。


 間違いなんて気にしないし、浮気だとも思わない。ハンターのラフィオへの想いは伝わるけど、今はそれどころじゃない。


「ガウ」

「えっ。なに?」


 フィアナなら、狼状態でもなんとなくのやりとりは出来るのに。やっぱり絆の差かな。


 とにかくユーリは、いまだに街のなかに大勢いるニワトリに突っ込んでいく。


「そ、そうだよね! 今は戦わないと! モフモフじゃない鳥さん覚悟ー!」


 それは仮称ニワトリとプテラノドン、どちらを指しているんだろう。どっちでも良いし、実際ハンターは両方を狙って次々に射殺していた。

 腕は本物だなあ。ユーリもまた、近くにいる敵に噛み付き、蹴飛ばし、踏みつけて殺していく。


 空を見れば巨大な火球が何度も上がって、プテラノドンを黒焦げにしていた。コータも少しは落ち着きを取り戻したか。

 魔法陣からの怪物出現は止まっている。今いる敵で全部。


 このまま事態が収束すればいいんだけど。


 こういうのって、不測の事態は起こるものなんだよな。



――――



 魔法陣の中に入っていったラフィオたちは、向こうの世界に向かったらしい。裂け目を閉じる作業自体は無事に終わった。香花の手にある魔法の石で開き続けている穴から、その様子は見えた。

 問題はここからだ。怪物たちがどんどん臨海公園へと出てきている。悠馬や魔法少女たちはこれを倒さなければいけない。


 二本の足で地面を蹴って突っ込んでくるニワトリの嘴を、悠馬は巧みに避けつつ肉薄。細い首を掴んで力を込めながら地面に叩きつける。

 それだけでは死なないから、足で踏んで体重をかけて完全に首を折る。


 周りでも魔法少女たちが戦っていた。セイバーはニワトリどもを一撃で斬り捨てていたし、ライナーは公園の敷地外に出ようとする敵を追いかけて蹴り殺している。


 ファイターもトンファーを持って応戦していた。悠馬と同じく人の身ではありつつも、自分と同じくらいの大きさのニワトリを相手に一体ずつ確実に殺している。今も、トンファーに力を込めてニワトリの首を折っていた。

 自分も棒をどこかで調達しておけばよかったと、悠馬は今更ながら後悔する。


 そしてバーサーカーは。


「おいおいなんでまた! お前が出てくるんだよ! 今度は負けないからな! 糸は吐くなよ! うわっ!? 吐くなって言っただろうが!」


 蜘蛛の怪物が出てきて、対峙していた。吐き出された糸を危うく回避してバーサーカーの抗議だけど、当然聞き入れられることはない。

 というかバーサーカーにとっては因縁の相手でも、蜘蛛にとっては初対面だ。前にバーサーカーを縛りつけた蜘蛛はもう死んでるから。


 謎の威嚇行動を取るバーサーカーに、蜘蛛は戸惑っている。けれどお互いに一歩も引かず、相手をよく見ていて、牽制し合っている。

 蜘蛛が糸を吐けばバーサーカーはそれを避けて、反撃すべく接近を試みる。しかし蜘蛛も八本の足で下って距離を取り続けた。


 蜘蛛の方が飛び道具を持っているだけ有利で、バーサーカーは明らかに焦れている。


 とはいえ、外から介入があれば均衡はあっさり崩れるだろう。


 今まさに、長い蛇が音もなくバーサーカーに接近しているところだ。悠馬の腕よりも太く、体長も二メートル超えの蛇は、これはこれで以前バーサーカーに巻きついて縛り上げた天敵だ。


 ニョロニョロ近づくそれにバーサーカーは気づいていない。接近を許したら、足に絡まれて動きを封じられるかな。気づいた時には、下から見上げる蛇に驚きスカートを押さえて、その隙に蜘蛛の糸に捕らえられる未来が目に浮かぶようだ。

 だから悠馬は、襲いかかってくるニワトリをさっさと蹴飛ばして、蛇へと駆けた。そいつの尻尾を掴んで頭を手繰り寄せる。大蛇だから力が強く苦労したが、なんとか頭を掴んで首を破壊する。


 蛇の、どこが首でどこからが体で尻尾がどこかなんて、よくわからない。でも頭のつけ根が首で間違いないだろう。雑巾絞りみたいに全力で捻れば動かなくなった。


「バーサーカーこれ!」

「お? おぉっ!? なんだこれ?」

「武器にしろ!」

「わかった! でも、もっとマシなのが欲しいんだけど!?」

「これしかなかった」

「だとしてもだろ!? なんだよ蛇って! 後であの蜘蛛の足を千切って、棒術で使わせてやるからな!」

「ライナーの援護に行ってくる。彼女が心配だから」

「おいこら待て!」


 蛇を投げて渡されたバーサーカーは戸惑っているけど、しっかり受け取ったし、蜘蛛が吐く糸もしっかり避けていた。


 そして蛇の死体を武器にすることも、無意味ではないと理解しているようだ。蜘蛛に向かって突っ込んでいくバーサーカー。敵が吐いた糸は、振り回した蛇に絡め取られる。


 わたあめみたいだなと、悠馬は呑気なことを考えていた。もちろん、近くのニワトリを倒しながらバーサーカーたちとは距離を取っている。蜘蛛の足なんか渡されてたまるか。

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