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射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


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41.変身

 再会を心待ちにしていた者は他にもいて。


「お兄ちゃん……」


 セーラー服姿の少女が一方踏み出した。

 彼女の記憶の中にいるコータはどこにもいない。けどリゼの頭の上のぬいぐるみを見て、一目で理解した。


「香花か……」

「お兄ちゃん!」

「うわー!? わたし! わたしのことも見て!」


 香花がリゼの頭からコータをぶんどって抱きしめた。その際リゼが押されて尻もちをついたことを、香花は気にもとめなかった。あとコータも。


「大丈夫ですか、リゼさん」

「うん。わかる。わかるよ。きょうだいの感動の再会だもんね。でもね……」


 ロジャーに手を差し伸べられてリゼは立ち上がった。


 彼女自身も、コータと香花には温かな目を向けていて。


「本当にぬいぐるみになったんだ」

「ああ。この通りだ。ごめんな、急にいなくなって」

「本当だよ。心配したんだから。……でも、楽しいの?」

「すごく楽しい」

「そっか。あのね。ラフィオのことは見たでしょう? この世界は、こういうのを受け入れられるんだよ。魔法少女の妖精がいるなら、魔女の使い魔だっているって、みんな思ってくれるよ」

「だろうな。でも、俺はリゼと一緒に、この世界で生きると決めたんだ」

「……こっちに戻りたいって思わない?」

「ちょっとだけ思う。元々旅をしてたのも、元の世界に戻る方法を探すためだ。今になって、ようやく見つかったけどな。しかも簡単だ。……でも今は、向こうの方が楽しいって思えてきた。大変なことばっかりだけど、居場所がある。やることも」

「……わかった。寂しいけど、お兄ちゃんの決断なら受け入れる」

「ありがとう。……香花、立派になったな」

「まだまだ。全然だよ」


 そして香花は、最後にぎゅっと抱きしめてから、コータをリゼに渡した。


「あなたがリゼさんですね。兄のこと、よろしくお願いします」

「は、はい! 任せてください! コータのことはしっかり守ります!」

「どっちかと言えば、俺が守る方だけどな」

「コータ!?」

「ふふっ。楽しそうだね」


 リゼとのやりとりを見て、香花は笑みを見せた。

 次に彼女はロジャーに目を向ける。


「あなたがロジャー?」

「そ、そうだ。君が、コノカかい?」

「そうです。はじめまして……でいいのかな? 声は何度も聞いてるのに、実際に異世界の男の子に会うなんて。変な気分」

「僕もだよ。……その。ごめん。僕の計画に乗ったから、コノカは変なことに巻き込まれた」

「ううん。変だとは思ってない。それに謝るのはわたしの方だよ。わたしがモンスターのこと考えたから、こうなったみたいだし。ごめんなさい。でも、それも偶然が重なっただけって、みんな言ってる。だから誰も悪くないの。強いて言うなら、怪物たちが悪い」

「うん。そうだね。……君は強い子だ」

「ふふっ。ありがとう。ロジャー。改めて、わたしと友達になってくれる?」

「もちろんだ。コノカの願いは叶ってしまったけど」

「うん。目的が無くなった。だからお互いに利用し合うとかじゃない、打算のない友達になれるの」

「いい考え方だね」


 ロジャーと香花は手を取り合って、会えたことを喜んでいる。


「香花との距離が近い。あんまり仲良くするのは……ううん。香花に寄り添い続けたあいつが良い奴なのはわかってるが……」


 コータがリゼの頭の上でブツブツと言っている。


 さて。再会を喜び合うのも良いけど。


「みんな。本来の目的を忘れてないわよね? バギャウヴァを始めとした怪物どもが二度とこの世界に来れないようにするのよ?」


 樋口がパンパンと手を叩きながら言う。

 ああ。わかっているとも。


「魔法陣を描くぞ。手伝える者は手伝ってくれ」


 ラフィオも自分の住処であるテラン世界に移動する。

 臨海公園の広場に大きな魔法陣を描いていく。紋様や術式については覚えた。


「ここに丸を書いて、こういう文章を書くんです」


 つむぎにも魔法陣の知識は教えた。だから一緒に描いている。他の魔法少女たちが興味深そうに見ているのを受けて説明をしていた。

 向こうの世界では屋根の上に、ロジャーとリゼで描いているはずだ。香花も魔法陣が描けるわけで、手伝っているのだろうな。


 作業自体はそんなに時間はかからない。開けっぱなしの穴の向こうでも、状況は同じらしい。


「じゃあ、作動させるぞ。準備はいいね?」


 みんな緊張した面持ちで頷いた。一番緊張してそうなのは、やっぱり五条院だな。


 魔法陣の最後の一筆を書き込めば、途端に作動を始めたそれが光を放った。向こうも同じらしい。

 すぐに、大量のニワトリが飛び出してきた。クモみたいな奴もいるし、プテラノドンが数体出てくる。


「みんな変身してくれ! 行くぞ!」


 悠馬が覆面を被りながら言えば、みんな頷き宝石に触れる。


「ライトアップ! シャイニーセイバー!」

「ダッシュ! シャイニーライナー!」

「デストロイ! シャイニーハンター!」

「ビート! シャイニーバーサーカー!」


 みんなの体が光に包まれた。少女たちが魔法少女に相応恣意格好へと変わっていく。


「闇を切り裂く鋭き刃! 魔法少女シャイニーセイバー!」

「闇を蹴散らす疾き弾丸! 魔法少女シャイニーライナー!」

「闇を射抜く精緻なる狩人! 魔法少女シャイニーハンター!」

「闇を砕く鋼の意志! 魔法少女シャイニーバーサーカー!」


 ああ。魔法少女は美しいな。僕が作ったんだよ。

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