表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/54

30.立てこもり事件

 あとは、ロジャーの今後を考えることと、怪物の問題だ。


「ロジャーを街から出したいけど、そもそも街の出入りが無理なんだよね」


 養父からの解放を目指すロジャーと、絶対に手放さないだろう養父。解決には、この街から逃げるしかない。けど探されている状況だし、ゴブリンがいるしで現状は無理。

 もうひとつの課題は。


「怪物をなんとかすることだけど」

「それはいいんじゃない? いない所を通って、フィアナちゃんたち戻ってくるんだから」

「でも放置は出来ないだろ」

「そうだよ。今後も、何かの拍子に世界を移動する人間が出てくるかもしれない。偶然にも、間の空間を通る方法を見つける人間が出てきてしまうかも」


 世界間の移動が当たり前になる事態を、コータは望まない。ラフィオも同じらしい。だからこの方法は公表されないだろう。

 でも、方法があるなら見つける者もいるだろう。偶然なり研究の結果なりで試した結果で怪物を解き放ち、本人ばかりでなく周囲に被害が出るのは避けたい。


 事態を知っている者として、始末はつける。それがラフィオの方針だ。


『それなら。対処はこっちで探るわ。ちょうど今、五条院の居場所が判明した』


 さっき、好き勝手に喋るコータたちの会話を止めた、向こうにいる最年長者の声がした。樋口一葉という冗談みたいな偽名を持つ、公安の人間らしい。

 魔法少女の周りにはいろんな人材がいるんだな。


『ちょっと面倒なことになっているから、みんな手伝ってちょうだい』


 向こうの魔法少女たちに語りかける樋口。面倒なことってなんだ?


『市内の居酒屋で立てこもる事件を起こしてるの』


 それは面倒だな。



――――



 樋口が連絡を受けて、魔法少女たちに要請した。今から動くことに不満の声も上がったけど、事件解決のためだから仕方がない。

 全員で行く必要もないが、ユーリとフィアナの人手は必要らしかった。それに悠馬と、魔法少女に変身したライナーで現場に向かう。アユムはお留守番だ。


「なんでだよー。オレも行きてえ」

「香花のこと、誰かが見てないといけないから」

「オレ以外の誰でもいいだろ?」

「香花は東京出身だ」

「おっ。なあ。東京ってどんな所なんだ? ここより都会なんだろ? やっぱりビルがめちゃくちゃ建ってて、空が見えないくらいなのか?」


 わかりやすく食いついた。


「そういう所もあるけど、全部が都会でもないよ。下町って感じの所もある。でも、やっぱりビルは多いよね。ビルとビルとが地下で繋がってたり。駅の構造も複雑だし。迷っちゃうことあるなー」

「おおっ! やっぱり都会ってそうなんだな!」


 楽しそうなアユムに留守番と香花の見張りを任せて、悠馬たちは出る。ユーリは狼化してフィアナと樋口を乗せて、屋根から屋根を飛び移って移動する。

 やってることはラフィオと同じだ。


「おおおっ! ユーリくんこんなことも出来るんですね! なんか、いいですね!」


 乗ってるフィアナは楽しそう。異世界ってここよりも建物は密集してなさそうだし、屋根の上を走るのも経験は無かったのかも。

 悠馬もまた、ライナーに背負われて現場に向かう。


 模布市最大の繁華街、布栄。多くの人が行き交う街は、夜になれば飲み屋街としての顔を見せる。そんな街のビルの屋上に、ライナーは着地。


「来たわねー。おおー。ユーリくんもいるのか。つむぎちゃんたちは無事なの? そっちの情報追えてなくて心配なのよ」


 セイバーが待っていた。仕事終わりに樋口から要請を受けて、ここまで来たらしい。


「無事だよ、姉ちゃん。今向こうで、ラフィオが戻るための準備をしてる」

「じゃあ大丈夫そうね。オールラウンドゲームクリエイターさんは、今からどうすればいいの?」

「とっ捕まえて、怪物について事情を聞くわ。今、あそこにいる」


 道路を挟んで向かいのビルを指差す樋口。


 三階建てのビルの二階は、居酒屋になっていた。窓は全てブラインドが降ろされていて中の様子は見えない。

 道路は警察が封鎖していて、一般人はビルに入ることが出来ない。機動隊が突入を準備していて、物々しい雰囲気だ。


「五条院の足取りを掴んだの。市内に彼が持っている物件に移動して、そこに潜伏していた。で、食事がしたくなったのね。居酒屋に行って、酒を飲んでたそうよ。かなりの飲酒量だったそう」

「いいわねー。不安を酒で薄める人生最高じゃない」

「別に不安を紛らわせるために飲んでたとは限らないけど」

「そうでしょ。世間から姿を消して隠れてる状態で飲酒なんて、そうとしか考えられない」

「まあ、それもそうね」

「でも潜伏ってなんのため?」

「さあ。所有物件っていうのは、ここの近くの空きビルなの。そこに、大量の武器が用意してあった」

「おおう。物々しい」

「武器ってどんなものだ?」

「ナイフや刀剣の類。ハンマー。電動ドリルに、エンジンで動くチェーンソー。それから、手製の銃に大砲」


 途中まではギリギリ、なんとか工具を集めてるだけと言い訳も出来ただろうけど、銃と大砲は良くないな。


「それから、魔法について研究してた形跡もあったわ。本当に意味がある物かは知らない。自分の作り上げたモンスターに関する資料もあった」

「それは、仕事の関係資料じゃないの?」

「かもしれないわね。でも、怪物にどの程度の攻撃をすれば倒せるとか、弱点はどことか、そんな情報ばかりをまとめていたのよ」


 それと武器か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ