表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
射手と獣~「無能魔女」「姉魔法少女」クロスオーバー編~  作者: そら・そらら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/54

19.蜘蛛退治

 バーサーカーに巻きついた蜘蛛の糸を切り裂く。二本の足で地面に立てたバーサーカーは、腕を回して自由を謳歌していた。


「敵はさっきのだけ?」

「バーサーカーを縛った蜘蛛はまだ生きてるはずだ。他の怪物もいるかも」

「なるほど。さっさと片付けるわよ。外回りの約束が入ってるんだから」

「社会人も大変だな! よっしゃ! さっきの仕返しは絶対してやるからな!」

「あ、蜘蛛」

「うわあっ!?」


 大げさに驚いたバーサーカーが跳び退いたおかげで、再度放たれた糸は当たらなかった。


 蜘蛛は一軒家の屋根の上にいて、こちらに目を向けていた。蜘蛛って目が大量にあるんだな。知識として知ってはいるけど、巨大化したのを見るとグロいな。あと、あいつ口から糸を吐いてた気がする。悠馬の知ってる蜘蛛は尻から糸を出してたけれど、こいつは違うらしい。


「なんなんだよ!? なんでオレばっかり狙うんだ!?」

「バーサーカーが一番エロい格好してるからじゃない?」

「なんだよその理由は!? たしかにセイバーよりは胸あるけど!」

「ぐはっ!?」

「なんで自分が振った話題でダメージ受けてるんだ。ふたりとも、ふざけてる場合じゃない。バーサーカー、屋根に登ってあいつを殴れ。屋根から落とせば俺たちが加勢する。それまでは、姉ちゃんと俺で下の敵を倒す」

「おう! 任せろ!」

「縛られても、また助けてあげるから」

「縛られないけどな!」


 敵の姿をよく見て、再度放たれた攻撃を一旦避けてから跳躍。真正面から戦えば負けることはないか。


 悠馬も地上の敵を探した。蜘蛛のいる一軒家の敷地から、ニワトリが数体出て来た。


 この家で暴れていたのか? 斬り込んでいくセイバーに続いて、敷地内に入った。


 怪物を相手に素手で戦うのも気が引けるから、物干し竿なんかがないかと探したが、見当たらない。それどころか、庭には何もなかった。

 どうも家自体が空っぽらしい。窓にはカーテンが無く、その中から見える中にも何もなかった。


 正確には、ニワトリがそこから出てきていた。今も、割れた窓の破片を踏みしめながら数体が出てきたところ。


「ねえ悠馬! なんとなく思ったんだけど!」

「たぶん俺も同じ予想だ!」

「この家の中から怪物が出てるのよね!?」

「たぶそう! 踏み込もう!」

「ええ! ガラス気をつけて!」


 一足先に踏み込んだセイバー。悠馬も土足で侵入させてもらう。


 ここはリビングか。雄叫びを上げて飛び込んでくるニワトリの一撃を回避して、首を掴んでガラスまみれの床に叩きつける。その衝撃と、さらに体重をかけて奴の首を折った。

 二体目が突っ込んできて、悠馬は咄嗟に跳び退いた。勢い余って庭に飛び出したニワトリの頭上に蜘蛛が落ちてきた。ニワトリよりもよほど重いそれによって、哀れにも潰されてしまう。


 蜘蛛の方はダメージは大してないらしく、すぐに立ち上がった。けれどそこにバーサーカーが飛び降りる。


「おらっ! 死ね! さっきのお返しだ!」


 その蜘蛛の上に乗って何度も背中をぶん殴り、硬い表皮を掴んでバリバリと剥がしていくバーサーカー。


 フィアイーターと違って、奴は生物だ。傷を負えば血が出る。バーサーカーも当然汚れるけど、怒り心頭で気にしていない。


 蜘蛛の方もやられっぱなしではなく、背中のバーサーカーを排除すべく手足を伸ばそうとした。どれが手なのかは知らないけど、阻止するべく悠馬は駆け寄った。体を支えている足に体当たりをすれば、蜘蛛はバランスを崩した。横転はせず、すべての足が開いて胴体が地面にドシンと落ちる。

 乗っていたバーサーカーの体も大きく揺れた。


「うおっ! びっくりするだろうが!」

「ごめんって。でもバーサーカーが危なかったから」

「それは嬉しいけど! おらっ!」


 蜘蛛が体勢を立て直す前に、バーサーカーは蜘蛛の足の一本を掴むと、思いっきり捻り上げた。細長い足がポキンと折れる。それで蜘蛛が立つまでの時間が稼げた。

 さらに。


「おらぁ! 死ね! おらっ! 死にやがれ!」


 テンションが上がると共に語彙が失われていくバーサーカーが、ちぎった足で別の足をボコボコと殴る。断面から飛び散る体液と、折れていく足。

 蜘蛛が完全に立てなくなれば、バーサーカーはその頭部を掴んで思いっきり引っ張った。足と同じく、捻ればゴキリと音がして折れ、動かなくなった。


「っしゃおらぁ!」


 力強い声を上げるバーサーカー。でも戦いは終わらない。


「ねえ! こっち来てくれるかしら!? 魔法陣があった!」

「魔法陣!?」

「ちょっと見てくれるかしら!」


 セイバーの声が聞こえる。


 見ても、魔法陣だなあとしか感想は浮かばないだろう。ラフィオなら中身を分析できるだろうけど、こちらは素人だ。それでも一応見ておきたい。写真に撮れば後でラフィオに見せられるだろうし。

 再び家の中に踏み込む。ニワトリの死体がたくさん転がっていた。


 セイバーは和室にいた。光り輝く和室だった。光の正体はもちろん魔法陣で、白い輝きを強く放っていた。


「ここからニワトリが出てきてるの! 今は落ち着いてるけど」

「魔法陣だなあ」

「そうだな」


 感想を代わりに言ってくれたバーサーカーに頷きながら、悠馬はスマホを出す。カメラを起動するけど、光が強すぎて魔法陣の詳細を写真に収められない。


「!?」


 不意に視線を感じた。セイバーもバーサーカーもこちらを見ていないのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ