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偽聖女大作戦

「着いたぞ。ラウルベルだ」


「ふぇ~。ここは随分発展してるようじゃのぅ」

流通の要だけあって大きな町じゃった。

「ここは交易の拠点だからな。大抵のものはここで揃う」

「旨いものもあるのかのぅ、もう硬いパンと干し肉はいやじゃ」

「あるぞ。後で食いに行こう」

わしらは宿屋でチェックインを済ませた後町をブラつくことにした。





「あれは何じゃ?」

「あれはプカレだな」

薄い生地に肉と野菜が挟んであるクレープのようなものじゃった。

「食うか?」

「食う!」

「一つ胴貨4デシルだよ」

「親父3つくれ」

「あいよ。12デシルだ」


1デシルは銅貨1枚のことじゃ。銅貨10枚で小銀貨1枚、小銀貨10枚で大銀貨1枚、大銀貨10枚で金貨1枚ということじゃった。


「はいよ、お嬢ちゃん落とすなよ」

「うむ」

わしはプカレを口いっぱいに頬張る

ジューシーな肉の味とシャキシャキとした野菜かけてあるピりっとしたソースがそれらを引き立てる。

「美味美味、む、あれは?」


目の前を鎧を着た一団が通り過ぎる。30人ほどの一団じゃった。

「南の森に魔物退治にいった兵士たちだ…」

「あんなボロボロでちゃんと退治できたのかね」

ふむ。ちょうどいい。偽聖女大作戦開始と行こうかの。

「おぬしら待つのじゃ」

「なんだお嬢ちゃん。通行の邪魔だ」

「わしがおぬし等の傷を癒してやろう」

「聖女様ごっこか?悪いがおじさん達は気が立ってるんだ。他所でやってくれ」

兵士はいらだった様子で告げた。

「ごっこではない。わしは聖女じゃ」

「おいおい勘弁してくれよ…」

「嘘じゃない。そいつは治癒魔法が使えるんだ」

見かねたアルクが口を出す。

「あんたが保護者か。聖女の名を騙るのは重罪だぞ?わかってるんだろうな?」

なに?重罪じゃと?ま、まぁばれはしまい。ばれたところでわしは神じゃ、むしろその方が都合がいいまである。

「あぁ」

「おいそこのお前ちょっとこい……じゃあ、まずこいつの傷を治してもらおうか」

「隊長!こんな年端もいかない少女にそれはあんまりです!お嬢ちゃんも今のうちに謝るんだ!」

呼ばれたのは右腕に傷をおった若い兵士じゃった。

慌ててるのぅ。それほど聖女は特別な存在なのじゃな。

「まぁ、見ておれ」

わしは傷に手をかざし神力をそそいだ。すると光が輝き傷を癒した。

「い、痛くない?」

若い兵士は腕にまかれた布をとり傷を確認する。

「傷がない…ほ、本物!?」

「何!?まさか本当に聖女様だというのか!」

隊長と呼ばれた男が驚く。

あたりにどよめきが広がる。聖女。聖女様。奇跡だ……などと口にしている。

「聖女様。失礼しました!どうか疑ったことをお許しください!」

隊長がひざまずく。

「よいのじゃ。許そう」

こ、これはいい気分じゃ。

わしは次々に兵士たちの傷を癒していった。


聖女が現れたという噂は瞬く間に町中に広まった。

そしてわしらは歓待を受けることになった。

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