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そしてドラルへ

その1月後。

わしは城に呼び出された。


「アルナよ、今回呼び出したのは他でもない。帝国に動きがあったのだ」

「帝国に動きじゃと?何があったのじゃ」

「うむ、どうにも奴らは邪神の復活の儀式を行いこれを成功させたようなのだ」

「邪神じゃと?」


聞けば邪神は元々闇の女神だったという話じゃ。闇の女神は闇と死と再生を司る。

その結果徐々に信仰が歪んでいき邪神になったという話じゃ。

そもそも光の女神も闇の女神も実在しない人が信仰のみで生み出した神じゃ。

実在しないものを召喚したとなればそれは別の何かかあるいは新たに神を誕生させたことになる。



「それで帝国は今どうしておるのじゃ?」

「また再びドラルを攻めようとしているという話だ。アルナにはこれを食い止めてもらいたい」

「わかったのじゃ、また祝福を与えて退けて見せよう」

「伝承によれば邪神は協力な力を持つとされる。気を付けるのだ」

「……それでなぜお主はずっとラノベを読んでおるのじゃ」

わしはいい加減気になっていたことを突っ込んだ。

「今いいところなのだ」

王が読んでいたのは「どうして僕が王様に!?~異世界でウハウハハーレム生活~」というタイトルのラノベじゃ。

「いいところなのか」

「いいところなのだ」

「そうか」

「うむ」





「クーよわしはまた戦争に行かねばらぬ。しばしの別れじゃ」

わしはクーに話かける。この1年数か月の間にクーはワイバーン程の大きさに成長していた。

「クー?」

これだけ大きいと連れていくのも一苦労じゃ。




次の日の朝、わしが目覚めるとベッドに見知らぬ裸の女がいた。

「だ、だれじゃ?」

「んー?お母さん、おはよー」

目を覚ました女はきれいな白髪に透き通るような青い瞳をしていた。

「わしはこんな大きな子を持った覚えはない!」

「えー!そんなぁ、ひどいよお母さん!」

いやいやをする17歳くらいの裸の女。ん、待てよ?

「……この気配。お主クーか?」

「そうだよー、私クーだよ」


わしはとりあえずシモーヌを呼んで着替えを用意してもらった。

「んー?胸がきついー」

すぐに用意できる着替えはマリアンヌのものしかなくそれを着せたのだが……

「ふふふ……そうですか、きついですか……」

マリアンヌは静かに怒っていた。

「クーよあまりそういうことは言うでない」

わしは小声で言った。

「ん。わかった」

クーは素直に返答した。

「それでこれがあの聖龍クーですか。完全に人間の女性ですね」

「そうだよー。おいて行かれるのが嫌だったから頑張ったんだー」

「おぉ、そうかそうか可愛い奴じゃなお主は」

言ってクーの頭を撫でる。

「うふふ、くすぐったいよぉ」

「高位のドラゴンともなれば人化の術を使えるという話は聞いたことがありますが……」


「そうだよー。クーは高貴なドラゴンだからねー」

「これならば問題なくどこにでも連れていけるの」



そしてわしらはドワーフの国ドラルに行くことになった。

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