呼び出し(2回目)
「はぁ。どうすればいいのじゃ……」
わしは部屋で独り言ちる。
「いっそのこと結婚してしまえばどうですか?」
わしの声に答える者が一人。メイドのシモーヌじゃ。
「馬鹿言うでない。誰があんな阿保王子と好き好んで結婚するのじゃ。それにれっきとした婚約者がおるではないか。それにわしは男と結婚する趣味はない」
「え……それって……?」
「のぅ。シモーヌ。いっそわしと二人で逃げてしまわぬか?」
「アルナ様……お戯れはおやめ下さい……」
シモーヌは言った。何故か頬が赤いがどうしたのかのぅ?
「クー?」
「のぅ。クーよわしはどうしたらいいんじゃ……」
翌日わしはまたもや呼び出しを受けた。今度はジョゼフィーヌの取り巻きの3人娘からだ。
「聖女様。殿下に付きまとわれるのはやめて下さらない?」
付きまとわれているのはわしの方じゃとは言わなかった。面倒になそうじゃ。
「殿下にはジョゼフィーヌ様という婚約者がいらっしゃるのです」
「知っておるよ」
「まぁ。知ってて殿下に近づいているのですか?」
しまった。うっかり正直に答えてしまった。
「それは……そうじゃのぅ……あれじゃ」
「あれとは何ですか?」
そこに当の馬鹿王子が通りかかった。まったくタイミングが良いんだか悪いんだか分からぬ奴じゃ。
「そこで何をしている?」
「わ、私達はただお話をしていただけですわ」
「そ、そうですわ」
「ええ。その通りですわ」
「そうか、なら話はもう終わったのではないか?早々に去るといい」
「そ、そうですわね」
「いつまでも聖女様を拘束するわけにもいかないですわね」
「アルナ様。それではごきげんよう……」
そう言って三人娘は去っていった。
「アルナ大丈夫だったか?何か言われたのだろう?」
大体お前のせいだと思ったがぐっと堪える。
「何も?大した話はしておらぬよ」
「……そうか。何かあったら私に言うのだぞ」
こうして馬鹿王子のせいで話はどんどん拗れていくのじゃった。




