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実践訓練

「こちらは特別編入生の聖女アルナ様だ。皆失礼のないように」

「聖女アルナ。あれが…」

「ドラゴンを退治したという…」

「聖剣を作ったという噂の…」

「あんな小さな子が……」

ざわついとるのぅ。ここは一つ気前よく挨拶しておくか。

「聖女アルナじゃ。皆よろしくの」

当たりが静まり返る。

な、なんじゃ滑ったかの?

「本学期最初の授業は実践訓練となる。皆二人一組となって戦ってもらう」

舞台には特殊な結界が張られていて受けたダメージを人形が肩代わりする仕掛けになっているらしい。

次々とペアが出来ていく。

「ええと。わしの相手は…」

残っていたのは今朝金髪縦ロールに絡まれていた女生徒だった。

「お主、わしとペアを組んでくれ」

わしがそういうと教師が慌てて言った。

「聖女様貴女は戦わなくても良いのですよ。見ていて下さればそれで……」

「しかしのぅ。それでは数が会わないではないか」

「しかし……」

「それに同じ聖女であるマリアンヌも参加するというのに、わしだけ参加しないというわけにもいかんじゃろ?」

「わかりました。万一でも危険と判断した場合は止めさせてもらいます」

「大げさじゃのぅ。まぁまかせたのじゃ」


試合が次々と進んでいく。皆初級魔法で戦っておるようじゃった。

マリアンヌの番になった。マリアンヌは相手の魔法をかいくぐり。光魔法を放った。威力としては中級魔法程度のものじゃろう。

それで終わりじゃ。

この世界には火水地風の4台属性の他に光と闇の属性がある。また治癒魔法や浄化魔法は特殊で神聖魔法と呼ばれておるそうだ。

マリアンヌは神聖魔法の他に光魔法も使うことができるというわけじゃのぅ。

マリアンヌの試合が終わり、とうとうわしらの番になった。


「アンナと言ったかの?よろしくなのじゃ」

「……聖女様にお相手していただけるなんて恐縮です」



「試合開始!」



「炎の精霊よ。つぶてとなりて敵を撃て。ファイアボール!」

アンナが呪文を詠唱した。初級魔法のファイアボールじゃ。じゃが数が多い!

わしは空中に神力で水の玉を作り出すとそれらにぶつけた。じゃがさばききれん!

「……っちぃ!」

迫りくる火球を前にわしは神力で光の壁を作り出した。

「聖なる結界じゃ」

なおも迫りくる火球を光の壁を維持して防ぐ。

「やりますね……ではこれはどうですか?」

アンナが再び詠唱する。

「大地の精霊よ。柱となり敵を貫け!ロックウェイブ!」

「うわわ……」

「地面から岩の柱が次々と飛び出しわしに向かってきた。

わしはあわてて下に向かって結界を張る。

すると石の柱にに結界ごと突き上げられる結果となった。

「これでも駄目ですか……」

わしは柱から飛び降りる。そこにさらに結界を張って足場にして地面に着地した。

「お主の魔法は効かぬよ」


「そうですか。ではこれではどうですか?」

アンナはまた呪文を唱えだした

「炎を司る精霊の母たる女神メルマイアよ。天上の業火をもってその御力を示したもう。我らの前に立ちふさがりし罪人を消滅させし力を与えたもう——」

「超級魔法だと!?」

「先生危険です!」

「試合中止だ!詠唱をやめろ!!」

なにかやべーのが来るのじゃ!

「——すべての悪は御名の元に灰に帰る——インフェルノ」

天上の業火と言いつつ地獄の業火(インフェルノ)とはこれいかに?などというしょうもない疑問が浮かぶ。

その瞬間すべてを灰にする地獄の炎がわしに降り注いだ。

——まずい。これでは結界がもたん!

「神力全開放じゃ」

わしは持てる力を全て結界に注ぎ込んだ。

徐々に炎の勢いが小さくなる。

な……なんとか耐えきったのじゃ。


「炎の精霊よ。つぶてとなりて——」

まずい。この状態ではあの連打は耐えきれん——

「裁きの雷!」

わしがはなった雷がアンナを直撃する!

「ぐぅっ」

そして怯んだアンナの詠唱が途切れた。今じゃ——

「浄化の光!」

神々しい光がアンナを包み込む。次の瞬間にはアンナは地面に膝をついていた。

「……私。もう戦えません。こんな争い無意味です……」

「審判」

「ア、アンナ繊維喪失により聖女アルナの勝ちとする!」


おぉ~~~~!!と周囲に歓声が広がる。

「あの超級魔法を耐えきった!アルナ様の力は本物だ!」

「それにあの雷のような魔法は一体なんだ?あんな魔法聞いたことがない」

「そして素晴らしきはあの浄化魔法!相手の戦意を喪失させるとは!」



そしてそれを見ていた影が4つ。

「……あれは凄まじいな。興味がわいたよ」

「おもしれ―奴が来たな!」

「あのアンナの超級魔法を防ぎきるとは……」

「凄い凄い!お友達になりたーい!」



こうしてわしの初めての授業は幕を閉じた。

しかし、この時のわしはまだまた面倒なことになるとは思いもしていなかったのじゃ。

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