親
「聖女アルナよ。よくぞマリアンヌを連れ戻してくれた」
「うむ。もっと褒めるのじゃ」
「マリアンヌ。其方がいなくなってワシはもう心配で心配で……」
「ご迷惑おかけしました」
「迷惑などと……ワシはただお前が無事でいてくれれば其れで良いのだ……」
王がマリアンヌに笑いかける。親の顔だった。
「お父様。またしばらく会えなくなりますけどお元気でいてくださいね」
「おぉ。もうそんな季節か……」
しばらく会えなくなる?
「マリアンヌは何処か行くのかの?」
「学院ですわ。夏季休暇が終わって魔法学院に戻りますの」
魔法学院じゃと?
「ずるいのじゃ!わしは毎日毎日教会でお祈りと寄付金集めそしてゴルクの日々なのに、マリアンヌは同じ聖女なのに学校に通っててずるいのじゃ!」
「まぁ」
マリアンヌは一瞬思案すると
「でしたらアルナ様も学院に通われますか?……お父様、アルナ様も一緒に学校に行けるように手配していただけますか?」
「うむ、そうじゃな。アルナもまた魔法学院で見分を広めよ」
まじ?言ってみるもんじゃの。
「やったーなのじゃ!」
これでもうユウクアウラヌスへのお祈りをしなくて済むのじゃ!
「というわけでわしは学院に行くことになったのじゃ」
「クー?」
「お主とはまたしばらく会えなくなるのぅ……学院に連れて行くわけにもいかんしのぅ」
「クー……」
「わしだって寂しいんじゃ。わかってくれ……お主の世話はまた神官達に頼んである」
「クー……」
「そんな目をするでない。連れては行けないんじゃ……」
そんなやり取りをするわしらをアルクとセレナの二人が覗いていた。
「涙なしでは見られない光景だわ……」
「そうか?」
そうしてわしが学院に通う日がやってきた。




