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悪魔

ラウルベルは荒れ果てていた。

家屋は壊され、町はけが人や死体であふれていた。

「酷いものじゃの」

「とりあえず話を聞いてみよう」

近くにいた町人の話では襲ってきた魔物はざっと5百以上にも上るという。

統率された魔物とデーモンの魔法の前には1000いた兵や冒険者たちもまたそのほとんどが倒されたらしい。

「そんなにいたのに森に兵を送った時には気づかなかったのかの?」

「普通魔物っていうのはここまで群れることはない。討伐対象だった魔物はデーモン以外の上位個体だったんだろう」

とアルクが言った。

「それでその魔物の群れというのはどこにいるのじゃ?」

「それがデーモンがすべて帰らせたようです」

「どういうことじゃ?」

「奴は降伏して自分に従うように要求してきました。我々はそれを飲むしかなかったのです。奴は今領主様の館にいます。聖女様どうかどうかこの町をお救いください!」


領主の館は町の北部にあるらしかった

「では、参るとするかの」


「ここかの?」

わしはばーんと扉を開け放った。

「む、なんだ貴様らは?」

そこにはデーモンらしき魔物と領主らしき男がいた。

「わしは聖女アルナじゃ」

「聖女だと?聖女ごときが何の用だ。まさかこの私を倒しに来たというわけではないだろうな?」

「もちろん。その通りじゃ」

「はははは!笑わせてくれる。お前らの浄化魔法など私には聞かぬというのが分からぬのか」

「それはどうかの」

「ならば試してみるがいい」

「ではお言葉に甘えるとするかの……浄化の光!」

神々しい光がデーモンを襲う。

「ぐ。ぐおおおぉぉおおお!!」

直撃を受けたデーモンは体から煙をだしていた。

「な、なんだ、この力は……!お、お前は人間ではないな……」

勘のいい悪魔じゃな。

「そうじゃわしは神じゃ」

「神だと?神がなぜ現世にいる?天界は人間界には直接手は出せないはずだ……」

こいつ詳しいのぅ。ひょっとして元天使か?

「おぬしには関係ないことじゃ。もう滅せよ。浄化の光!」

デーモンは慌てて飛びのきざまに魔法を放つがもう遅い。

「馬鹿野郎!」

「あっぶねーのじゃ!」

わしは間に入ったアルクによって助けられた。

じゃがデーモンは直撃だったようじゃ。

「く……まさかお前のような幼女が神だとはな……」

そう言い残してデーモンは消えていった。


領主はわしが聖女だと信じていなかったらしい。

じゃが今のわしとデーモンとのやり取りを見ていてわしが神だと察したらしかった。

じゃがこやつがそれを周りに話したところで誰も信じまい。

わしは聖女。もうそういうことになっておる。


デーモンを倒したわしらは報告の為ふたたび王都へ向かうことにした。

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