第六話〜村の言い伝え〜
待ちに待った休日。
僕はジャスパーを誘って今は、シマツナソ村に来ている。
一緒に伝説が本当なのかを確かめよう、と言って誘った。
「ここがシマツナソ村か〜。」
シマツナソ村は今では廃村となっている。
シマツナソ村の人たちはある日突然姿を消してしまった。
なぜいきなり姿を消してしまったのか、それを突き止めることでなにか情報を得られるかもしれない。
「幽霊が出てきそう。」
ジャスパーは村の雰囲気を見て言った。
ここは近年肝試しの場所として人気であり、今年も大勢の人が肝試しにやってくるだろう。
ネットで調べると一番上に出てくるのは、肝試しについてである。
「探索してみようぜ。」
ジャスパーはどんどん先へ進む。
僕はジャスパーについていった。
一番手前にあった家へと二人は足を踏み入れた。
ところどころにクモの巣があり、いろいろなところにほこりがかぶっている。
家の中には机とベッドがあった。
ベッドは布団が少し膨らんでおり、掛け布団の下に何かあるように見える。
布団をめくると、そこには一冊の本があった。
僕は本を手に取る。
そこには村の言い伝えについて書かれていた。
この村にはお宝が眠るとされているようだ。
村の村長は代々、お宝を見つけるための手がかりを受け継いできたらしい。
しかしその手がかりを使い、お宝を発見したものはいないそうだ。
そのお宝を使うと、どこかにある遺跡の入口を開けることができるのだとか。
「遺跡ってもしかして。」
僕はこの本の言う『遺跡』は、異世界に行くことのできるゲートがある遺跡のことだと考えた。
もしそうなら、図書館で読んだ本に書かれていたことは本当なのかもしれない。
僕は本の内容をジャスパーに伝えた。
「お宝か。ダイヤモンドかな?」
ジャスパーは言った。
「いや、エメラルドかもしれない。」
僕たちはお宝が何かを予想し合いながらこの家を後にした。