第十話〜からくり〜
そう言うとアンデットは、村での出来事を話し始めた。
「この村の村長はとても優しい人だった。
でも、その村長は病気でこの世を去ってしまった。
だから新しく村長を決めたんだ。
新しい村長は前の村長と違って、村で悪事を働いた。
村長になるまではそんなことなかったのに。新しい村長はどんどん悪事を働いた。
そのことは一部の人しか知らなかったけど、誰かがその事実を村中にひろめた。
そのことを知った村長は、村を一から作りなおしてまた信頼を得て、そこから悪事を行おうと考えたみたいなんだ。
そのために村の人達を全員ゾンビ化させようとしたみたい。
僕は自我をもったゾンビになったから日の光の当たらない場所に避難することができたけど、村の人達はみんな燃えてしまった。
僕はここでずっと一人で生きてきたよ。
人間に戻れないか考えてみたけど、僕は何もすることができなかった。」
アンデットは悲しそうな表情をうかべた。
僕は話を聞いて、アンデットのことを人間に戻してあげたいと思った。
ジャスパーも同じことを思っていたみたいだった。
ジャスパーは僕の方をじっと見た。
アンデットを人間に戻してあげようぜ、そう僕に語りかけているようだった。
僕は頷くと、アンデットにこういった。
「僕達が君を人間に戻してみせる。」
アンデットは驚いていたが、どこか嬉しそうだった。
先程まで暗かったアンデットの瞳は、希望の光で満ちているようだった。
井戸以外の場所は探索済みだったので、僕たちは井戸の中を探索することにした。
しかし、道はこの狭い空間に繋がっていただけで、ほかには特に何もなかった。
そのときだ、僕は足をすべらして転んでしまった。
「うわっ。」
転んだ拍子に、僕は地面に手をついた。
カコッ。
「えっ?」
僕が手をついた場所が四角くへこみ、どこからか音が聞こえ始めた。
なにかのからくりが作動したような音だった。
「なになに?どういうこと?」
「えっ、えっ?」
ジャスパーもアンデットも、状況が理解できていないようだった。
少しすると壁が動いて、その先に部屋が現れた。
部屋には腐っているが食べ物や書物、ベッドなど生活できそうな空間が広がっていた。




