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コスプレ女と鼻の下を伸ばす男子
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「また、彼・・・・・・?」
「そうよ・・・・・・」
机に突っ伏してムスッとした声で返すと、友人は机に座りながら、牧場で絞った牛乳と摘みたてイチゴで作ったイチゴ俺様、という商品名のイチゴが擬人化したおっさんと金髪で髪をカールした乳牛が、乳を笑顔で絞っているパッケージのイチゴオレを飲んでいた。
友人の名前は赤海千夏。金髪の髪を細カチューシャでオールバックにしてピアスをしている。
「なんで・・・・・・彼なの?」
「彼も彼女も気に食わないから・・・・・・」
「気に食わないから彼を奪おうと?」
ロングの髪を纏めて縦に挿したコームを、外して髪の毛を荒く振って伸ばすミサは喚く。
「あのクソ男は、なんであんなコスプレ女にいぃぃぃ!?」
廊下で仲良く話すメイド服を着た女子生徒と、鼻の下を伸ばした男子を睨み付ける。