魔法の授業〜魔力感知編2〜
久々の更新ですみません。
「私が魔力感知を習得したのは8歳の頃です。普通の子供は8歳から10歳の間に魔力感知を習います」
「そうなんですか?」
「はい。殿下は魔法への意欲が大変強くあらせられる様でしたので、ユーリエル殿下の成長スピードなら問題ないかと思い、本来ならもっと成長してからのはずだった魔力感知をお教えしました。一般的には、8歳までは魔法は簡単な座学しか習わないのです」
算術の空いた授業時間に魔法を強く推しておいて良かったあぁぁぁ!
自分で使ってみてこその魔法というものだろう!他人が使ってるのを見るだけで何が楽しいというんだ。いやまあ見るのも楽しいんだが。
座学だけでやきもきする日々を、また送る羽目になるところだった。
あの時の私、グッジョブ!!
……あれ?
私、今日初めて魔法というものを知ったような?
「あの、私はその簡単な座学すら習っていない気がするのですが……?」
「ユーリエル殿下は星眼持ちでいらっしゃいますから。高い魔法使いの素質を持っていることが予想されましたので、実践から入った方がよろしいかと」
何その超脳筋的思考!?
途中全部すっ飛ばして、いきなり鬼難易度のやつからやらせたってこと?
お前鬼かよ!!
「私がもしできなくて心が折れていたらどうするつもりだったの!?」
「おや、敬語が外れましたね。殿下は少々固すぎるので、距離が縮まるのは良いことです。少しは私にも親しみを持っていただけたのでしょうか?」
「いやそこじゃない!あと特に親しみは持っていない!」
「そうですか、残念です……。私はこんなにも殿下と親しくなりたいと思っているというのに……!」
「だからそこじゃないってば!」
「殿下の魔法への熱は少しできない程度で冷める様なものとは思えませんでしたので。そもそも、今こうして魔法を教えているのも、殿下が6歳におなりになって自由に王宮の図書館に行けるようになった今、独学で魔法の勉強を始めてしまうのを危惧してのことですし」
ぎくっ。
確かに魔法を使わせてもらえなかったら、自分で勉強し始めていたかもしれない。
「8歳の私が2日かけて習得したものを、殿下は6歳で、しかもたったの15分でおできになってしまった。それだけで殿下の魔法使いとしての素質の高さが伺えるでしょう。しかし、魔法使いとしての素質が高いということは、それだけ魔力暴走を起こす可能性が高いということ。星眼を持つ殿下が魔力暴走を起こせば、周囲の被害は尋常ではありません。魔法を使う時は慎重に。大きな魔法を使うときは必ず、私か、私に代わる高位の魔法使いをそばに置いてください。殿下の力は大切な人を守ることのできる大きな力ですが、使い方を誤れば、大切な人を傷つける危険な力でもあることを、ゆめゆめ、お忘れなき様」
そうだった。魔法は魅力的で便利な力だが、他者を傷つけることのできる力だ。
そういう点では、前世の銃や兵器を持っているようなものだ。
「肝に命じます」
転生する時、女神が言っていた。私は人外の存在になるだろうと。
この身に宿っているであろう強大な力の使い方を、間違えてはいけない。
私自身が強大な力に呑まれないように、強くならなければ。
小説のストックが切れたので、更新頻度が下がると思います。申し訳ありません。