表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/5

1 人類選別

「やれ」

 その一言で攻撃が開始された。



 地球の衛星軌道からの攻撃。

 そこに浮く巨大な人型兵器。

 いわゆるロボットから、数多くの光が放たれる。

 光線────ビームやレーザーといったものだ。

 それらが地上を目指していった。



 光線は途中で幾重にも分かれる。

 二つに分かれて更に二つに分かれて、その先だ更に……と。

 末端においては無数とも言えるほどに拡散していく。

 更にそれらは、進む方向を自ら変更していく。

 光にあるまじき事に、曲がっていくのだ。



 そうして進んだ先にいるのは人間。

 その場にいた地球人だ。

 それを光線が包んでいく。

 人の体全体を覆う程の太さを持つ光線は、人間を瞬間的に蒸発させていった。



 それがあちこちで起こる。

 枝分かれした光線の数は多い。

 無数と言って良いほどである。

 しかも、これが毎秒毎秒発射される。

 その都度発射された光線は、別の目標へと向かっていく。



 光線の束は広い範囲を覆っていく。

 一瞬にして数千の命が蒸発する。

 それが毎秒続くのだ。

 数分もすれば中規模の国を覆いつくす。

 国土面積が広い国でも、全土を覆われるまで三十分もかからない。

 その間に多くの人類が地球上から消滅した。



 地下などにいてもこれは同じだ。

 どういう原理なのか、光線は地面すら貫通する。

 地下鉄などにいた者達も、これらにとらえられて死んでいく。



 核爆発などに備えた防空壕・避難壕・シェルターの中でもだ。

 これらの持つ分厚い防護壁も、光線はやすやすと貫通する。

 中にいた者達は例外なく消滅していった。



 空の上を進む巨大な人型兵器は、高速で飛びながら破壊をふりまいていく。

 備えられた探知機は地面すら貫通していく。

 どこに誰がいるのかなどすぐに分かる。

 更に、その人間がどういう性質なのかも瞬時に見極めていく。



 脳を含めた人体の構造をレントゲンのように透視して解析し。

 更に脳細胞などに刻まれた記憶なども読み取っていく。

 脳の構造などから普段の思考パターンなどまで。

 遺伝子すらも調査していく。

 それらを複合的に見て選別していく。

 攻撃対象にするかどうかを。



 そうして選別して、攻撃対象を選んでいく。

 条件に合った者は光線で消滅させられていく。

 そうでない者は見逃され、難を逃れる。



 この日、この時、一人一人の人類は情け容赦の無い選別を受けていった。

 どこにも逃げられない状況で、誰もが等しく合否を決定されていった。



 それは最初の光線が発せられてから19時間で終了した。

 人類はその数を5パーセントまで減らした。

 生き残りはおよそ2億数千万人。

 これだけが人類の生き残りとなった。

 難を逃れた者達は、空を見上げて呟く。

「恐怖の大王……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


投げ銭・支援はファンティアで随時受付中↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ