旦那ちゃんと嫁ちゃんの屋根より高いアレ
言ってみてぇ~。
久しぶりに原点回帰でもないか。
「もうGWだね~」
旦那ちゃんは溜息混じりに言う。
「そだね~」
嫁ちゃんはミニメガドライブの「コラムス」(※パズルゲーム)をしながら言った。
「俺、7勤だよ・・・ふう」
「へへん、私はお休みいっぱい。旦那ちゃんは稼ぎ時だからね。でも、安全対策気をつけてよ」
「へい」
旦那ちゃんは嫁ちゃんと世の中にいろいろ思ところがあったが、文にすると面倒くさいので(くそ面白くないので)割愛する。
「この状況下の中、観光と流暢に言っていられるのだろうか、いまやコロナ感染まったなしである。この地方の状況は決して良くない。にもかかわらず、観光・・・そう、お客様に来ていただけて嬉しいけど、なんだ、このジレンマは、仕事が出来ることで給料はいただけているのに・・・でも一方で助長していることにはならないだろうか・・・屋根のない舟・・・安全対策も留意している・・・ああ、観光に携わる人間はこんなこと言っちゃいけないだろうけど。仕事が出来る感謝、感謝なのだ。でも、でもだ。もしも・・・もしかして・・・♪もしかして、もしかして~♪・・・♪もしかしてだけど~もしかしてだけど~♪」
「旦那ちゃん心の声、洩れてるよ」
「あーゴールデン休み、羨ましいっ!」
「あ、本音、言った」
「ところで」
「五月といえば子どもの日」
「そだね~」
「ホラ歌があるっしょ、屋根より高いアレって」
「・・・アレって何よ」
「アレって、アレだよ」
「わからんちん」
「そびえ立つアレ」
「見たことも聞いたこともない」
「なんと」
「ホラ、身近なアレ」
「・・・・・・なんだろ」
「これさっ!」
裸族の旦那ちゃんがアレを指さす。
「ふーん屋根より高いねえ・・・どの口が言うの」
「えへへ」
「ふーん」
まじまじと見る嫁ちゃん。
「あはは」
旦那ちゃんは笑う。
「しょんぼり君」
「うわーん」
「あほか・・・ね」
「ん?」
「風邪ひくよ」
「はい」
「体調管理、維持、基礎体力を落とさないは大事よね」
「はい」
「だったら・・・」
「うん」
旦那ちゃんはいそいそとおパンツをはく。
そして、溜息ついでに、
「大きなイチモツくださいっ」
叫んでみた。
空にたなびく近所の鯉のぼりに、
「大きなイチモツくださいっ!」
叫んでみた。
だけど、旦那ちゃんは、そんな度胸はないので、心の中で叫んだつもりで叫んでみた。
大空を自由に泳ぐ鯉のぼりたちが笑ってら。
ちゃん、ちゃん。
言えないよ~。