What is "Dammaku Gokko"
家を建てた数十分ほど後、僕は魔理沙さんの家の前にいた。
「さて、今からあんたに教えるのは"弾幕ごっこ"と呼ばれる、いわば決闘の方法だ。」
「決闘ですか。」
「ああ。だがそう心配しなくても良いぜ。別に死ぬことはないからな。"弾幕ごっこ"はスポーツみたいなもんだ。争いごとの決着をつけるときに行われることもあるし、ただ単に娯楽として行われることもあるんだぜ。」
「成る程。」
弾幕と聞いて先ず僕はブ○イト艦長のことを思い浮かべた。しかし、もし魔理沙さんの言う"弾幕ごっこ"がそう言ったものを指しているとしたら、かなり暴力的なものになってしまう。敵の弾幕に当たれば場合によっては死に至る可能性があるからだ。魔理沙さんは死ぬことはないと言っていたので、また別のものなのだろう。
「"弾幕ごっこ"は文字通り弾幕を使って勝負をするものだ。弾幕には二種類あって、うち一つがこれだ。」
そう言いながら、魔理沙さんは右手を前に真っ直ぐ伸ばし、手のひらを向こう側にある木に向けると、そこから何やら白く光る玉を数発放った。玉はそのまま真っ直ぐ飛び、木にぶつかると破裂音と爆発音との間の音を出して弾けた。当たったところからは微かに白煙が上がっていたが、その木に目立った損傷は無かった。
「これが"通常弾"だ。直線的に飛んでいくのが普通だ。威力も弱いから当たっても少し痛いと思うくらいだ。最低限これが使えるようになれば妖怪から身を守ることができるぜ。」
そして今から見せるのが二つ目、"スペルカード"と呼ばれるものだぜ。」
魔理沙さんはスカートのポケットから一枚のカードを取り出し、それを高く掲げた。
ベーターカプセルを掲げてるみたいだとか、あれがスペルカードなのか、とか思いながら見ていると、
「黒魔「イベントホライズン」!」
と叫び、途端に持っていたカードが光りだした。
その正体は無数の弾幕だった。
しかし、弾幕と言ってもさっきのようなただ光っている白い玉ではなく、色とりどりに光る星形の弾幕だった。
それら一つ一つが緩やかな曲線を描くように放たれ、やがて一つの生き物になった。
イルミネーションのようでもあった。
それがあまりにも美しすぎたので、僕はつい見とれてしまった。
世の中にはまだこんなにも美しいものが残っていたのか。
先ず、衝撃。
それから、感動。
その芸術的な弾幕に、僕はとことん引き込まれてしまった。
気が付けば辺りは大量の"星"で満たされ、華々しく踊っていた。
やがてスペルカードの効果が切れ、辺りは落ち着きを取り戻した。
「多分気付いたと思うが」
魔理沙さんが口を開く。
「この"スペルカード"は威力だけじゃなく、美しさも競うんだ。そもそも、"弾幕ごっこ"は美しさが要のバトルだから、むしろそっちが重要だな。」
僕はこの遊びを考えた人に賞賛の拍手を、それも盛大に送りたくなった。
弾幕という戦闘行為をスポーツに昇華させてしまうその発想に、ひどく感心したのである。
「まぁ、取り敢えずは通常弾の練習だけでいいだろう。スペルカードには多量の技量と知識が必要だからな。それに当分は使うことも無いだろう。じゃあ、始めるぞ。」
僕は快く返事し、魔理沙さんの方に向き直った。
今回魔理沙がスペカを使用するシーンがありますが、参考資料(?)として「The Grimoire of Marisa」を使用しました。
まさかこんなところで使うことになるとは。
多分これからも使っていくことになるでしょう。
P.S. Twitter始めました




