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これからの生活の話をしよう

「で、これからどうする?」


あの後、僕は魔理沙さんから幻想郷の大まかな説明を受けた。

二つの神社のこと、旧地獄のこと、森や山のことなど。

少なくとも、ここで暮らしていくのに不自由のない位のことは聞いた。

それが終わり、魔理沙さんが淹れてくれたお茶を飲んでいると、突然これからのことを聞かれた。

一瞬何のことかと思っていると、


「あんたはこれから幻想郷で暮らしていくんだから、準備が必要だろう?」


「あぁ、確かにそうですね。」


「だろ?だからいつくか決めておかないと駄目なことがある。

「先ずは家だ。一応あんたはこれから一人で暮らすことになる。で、あんたの家が必要になるわけだが、これには二種類ある。一つはさっき言った"人間の里"で部屋を借りる方法。もう一つはこの森に家を建ててそこで生活する方法。どっちが良い。」


恐らくたいていの人が人里で暮らすことにするのではないかと思う。

そこで暮らせば、飢餓や病気で野垂れ死ぬなどということも無いだろうし、何より情報の入手が容易だからである。

僕の場合も同じようなものだったが、一つ問題があった。

僕は、知らない人たちの中で暮らすのが苦手なのである。

1人や2人ならまだ良いのだが(現に魔理沙さんと話すこともできている)、相手が大人数となると話は変わってくる。

勿論、何日か、若しくは何週間か暮らしていればそのうち慣れてくるのであろうが、それまで自分の精神が持つかどうかが心配なのである。

そしてしばらく考えたのち、


「じゃあ、森で暮らすことにします。」


と、答えた。


「それじゃあ、決まりだな。」


「あ、でも僕は家を建てることができませんでした。」


「あぁ、そこは大丈夫だ。私が建てるのを手伝ってやるぜ。」


「有難うございます!」


どうやら僕はかなりついているようである。

これで少なくともしばらくは安全に暮らせるだろう。


「あ、そうだ。そういえば、あんたの倒れていた所から少し離れたところにこんな鞄が落ちてたんだが、見覚えはないか?」


そう言って魔理沙さんは紺色で少し大きめのショルダーバッグを取り出した。

僕が列車に轢かれた(というより轢かれそうになった)時に身に着けていたものである。


「あ、はい!それ、僕の鞄です!」


「やっぱりな。こっちでは見ない鞄だったからもしやと思ったんだぜ。」


魔理沙さんはこっちに鞄を投げてくれた。

慌てて受け取り、中身を確認する。

本――某天才食人鬼関連のもの――が四冊、ウォークマン、それのイヤホン、そして知人が護身用にと渡してくれたコンバットナイフ二本。

中身が全て揃っていることに安堵した。

と、魔理沙さんがもう一つ何かを取り出す。


「そうそう、他にもこんな物が落ちてたんだが。」


一瞬ドキッとしてしまった。

それは、拳銃だった。

黙っていると、魔理沙さんがそれを静かに渡してきた。

それを手に取ってよく見ると麻酔銃であることが分かった。

これはさすがに僕のものではなかったが、いつさっきのように襲われるかわからないだろうから持っていて損は無いだろう。

しかし、なぜか幻想郷にこんなものが…。


「見覚えはないですが、一応もらっておきます。」


「分かった。取り敢えずこれで話すことは全部話したし、家を建てに行くか。」


「はい。」


ショルダーバッグを背負い、もらった麻酔銃をポケットに入れ、魔理沙さんとともに家を後にした。

ついに新しい時代、令和が始まりましたね。

マスコミでは「平成最後の~」のほかにも「令和初めての~」を聞くようになりました。

そして、五月五日は「令和初めての」博麗神社例大祭です。

しかし、何故かその日に練成会が入ってしまっているという……。

ウソダドンドコドーン!

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