絶体絶命
話したいことがある。
とても重要なことだ。
少し長くはなるだろうが、我慢してほしい。
まず、結論から言おう。
まずった。
それも盛大に。
幻想郷についてから、僕はとりあえず寝床を探した。
これは特に問題なく、20分位歩いたところで中が空洞になっている巨木を見つけることができた。
問題はそのあとだ。
寝床を見つけたあと、昼間から何も食べていなかったことに気づいた。
このまま寝るよりも、何か食べてから寝た方がよいと考え、もう少し森をさ迷うことにした。
今考えれば、これが命取りとなったのだろう。
森には食料になりそうなものがあまり無かった。
1時間も歩いているとさすがに疲れがたまってきたうえ、どんどん暗くなってきた。
そして、もうそろそろ戻ろうかと考えたときだった。
"ガサッ"
背後の木から何かの音が聞こえた。
そのときは一瞬驚いたものの、鳥か何かだろうと思っただけだった。
しかし次の瞬間、突然木から何者かがこちらに飛びかかってきた。
すんでのところでかわすことは出来たが、あまりにも唐突だったので、そのままバランスを崩してしまった。
慌てて体勢を立て直し、相手の方を見た。
飛びかかってきたのは、黒い服を着て、頭に赤いリボンをつけた少女だった。
何故こんなところに、と思ったが、すぐに理解した。
そして予想どおり、少女はこちらに体を向け、襲いかかってきた。
「いただきまーす!」
ここまで声が可愛く、かつ恐ろしい"いただきます"は初めてだった。
恐らく彼女も妖怪なのだろうが、端から見ればカニバリズムを行おうとしているようにしか見えなかったであろう。
僕は攻撃を避け、策を考えた。
どうすれば彼女を倒す、又は彼女から逃げることができるのか…。
そのとき、僕は能力の事を思い出した。
"重力と質量を操る程度の能力"
これを使えば、彼女を倒せるかもしれない。
そこで、彼女が攻撃を避けられて体勢を崩したところを狙って、攻撃に出た。
自分の出せる最高のパンチを繰り出し、自分の腕に前方向の強い重力をかけた。
パンチは彼女の腹部に直撃し、数メートル程彼女は後ろへ吹っ飛ばされた。
やったのだろうか。
僕は恐る恐る彼女に近づいた。
どうやら気を失っているようだった。
これで、一件落着かと思われた。
しかし、これは前門の虎、後門の狼で言うところの虎。
また一つ問題が出てきた。
先程、食料を探していたことを覚えているだろえか。
そのときはまだ、「何かあれば食べよう」という、食料がなくても大丈夫な状況だったが、この戦闘で空腹度が一気に増したのである。
何か食べなければお陀仏してしまうだろう。
僕は再び歩き出した。
今日食料を探すのはこれが2度目だったが、今回は血眼になって探した。
食料を見つけられないことは、即ち死を意味する。
しかし、なかなか食べれるものは見つからず、見つけたときには足がふらふらになっていた。
かなり離れたところにキノコが幾らか生えているところがあった。
僕はキノコがあまり好きではないが、仕方がない。
そのキノコに手を伸ばし、ちぎって食べようとしたときに、一つ心配になったことがあった。
これが毒キノコなのではないかということである。
折角腹が満たされても、それで食中毒になっては本末転倒である。
そこで、僕は頭の中を探った。
このキノコの名前はすぐに出てきた。
僕の記憶が正しければ、これの名前は"ツキヨタケ"のはずである。
問題は毒の有無である。
と、昔したことのあるゲームのとある台詞を思い出した。
確か、主人公が"ツキヨタケ"について仲間に聞いて、その仲間は
「ツキヨタケは椎茸に似ていて、味まで似ているかは保証できないが食べることはできる」
といっていたはずだ。
ならば、このキノコは食べられるということになる。
最早これを食べないという選択肢はない。
急いでそれを口の中に押し込んだ。
そして、空腹は幾らか満たされた。
しかし、これが僕の人生で最大の過ちとなったのである。
食べ終わった後、僕はさっき見つけた寝床に向かって歩き出した。
そして、歩き始めて数十分ほどたったときに突然、猛烈な腹痛と吐き気が襲ってきた。
そのまま地面に倒れた。
思わず言葉か出る。
「パラ○ディックめ、毒じゃないか!」
意識が朦朧とし始める。
こうなったら、もう助かる見込みはないだろう。
どうやら、ここでお仕舞いのようだ。
僕は覚悟を決めた。
ふと横を見ると、大きな帽子を被った少女が見えた。
幻覚まで見えるようになったようだ。
すると、その少女はこちらへよってきた。
死神なのだろうか。
だとすれば、やはり僕はここで死ぬのだろう。
が。
「おい、大丈夫か!?」
聞こえてきたその声は、確かに本物の人間のものだった。
テストの関係で遅くなってしまいました。
スミマセンm(_ _)m
次回はもう少しはやく出せるように頑張ります。




