表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/46

Congratulations!

唐突で申し訳無いのだが、機動力の訓練を始めてからもう二週間が経った。

そう、二週間が過ぎてしまったのである。

何故僕がその二週間で起こったことを話さないのかはお分かりいただけるだろう。

この二週間、特に面白いこと、こういうところに書いて何かしらの利益が得られることが一切無かったのである。

勿論、日を重ねるごとに僕の実力は上がっていき、より高度な飛行も行えるようになっていった。

しかし、その過程はこの上なく地味なものであった。

というわけで、一気に二週間、時間を先に進めさせていただいた。


二週間機動力の訓練をし続けたため、今や僕の能力はとても高いものになっていた。

身体にかかるGにも完全にではないが慣れることはできた。

そのお陰で、今日からまた弾幕の訓練を再開することになった。

その事については、ついさっき美鈴から聞いたところである。


「本当ですか?」


「はい。重信さんの機動力は種族的な限界に近いものですし、これくらいあれば大抵の弾幕は避けれます。」


というわけで、僕たちは早速湖の上空(今回は岸から近いところ)に向かった。


「じゃあ、いきますね。」


美鈴はそう言うと、返事を待たずして大量の、そして高速の弾幕を展開した。

以前僕が被弾したものよりもやや激しいものである。

そのため、見た瞬間は本当に避けられるのだろうかという不安が頭をよぎり、避けるのに最も適したルートを探そうとした。

しかし、直ぐに美鈴の教え――心を解き放て――を思いだし、考えるのをやめた。

そして、遂に弾幕が到達した。

僕は反射的に弾を避けていった。

二週間前の僕なら、反応できても体が付いていけず、即座に被弾していたことだろう。

だが、今の僕は違う。

どのように反応して弾幕を避けようとしても、その全てに付いていくことができるのである。

最早、重力は感じられなかった。

そうやって避け続けていると、いつの間にか弾幕は終了していた。


「凄いですね、重信さん。」


美鈴がふわふわと近づいてきてそう言った。


「そ、そうですか?」


「はい。実は、さっき私意地悪をしたんです。」


「意地悪?」


「はい。さっきの弾幕、二週間前のよりも激しかったでしょう。」


「え、まぁ。」


「あれ、私が実戦で展開するのと同じ弾幕だったんですよ。」


「はぁ、成る程ォ……って、え!?」


僕のリアクションをみて美鈴がクスクスと笑う。


「これは、喜んでも良いんでしょうか?」


「勿論です。しっかり喜んでください。」


僕は小さくガッツポーズをし、心の中では盛大にガッツポーズした。

確か、以前美鈴は自分が幻想郷で中堅層の妖怪だと言っていた。

僕はその中堅層の弾幕を避けれたのだから同等の実力があるといっても良いだろう。

勿論、今の実力ではきたる異変で役に立つことは無理だろうし、最終的には役に立てるところまで行かなければいけない。

しかし、これは大きな成長なのである。

特訓を始めて約一ヶ月にして、ここまで来れたのである。


「というわけで、私の特訓はこれで終わりです。お疲れさまでした。」


「へ?」


「重信さんは私の実戦用の弾幕を避けれたでしょう?だから、これ以上私に出来ることはないんです。」


「はぁ。」


非常に反応に困る発言である。

というより、あまりに唐突すぎて固まっているという方が適切だろうか。


「どうしました、急に固まってしまって。」


「いえ、どう反応したら良いのか分からなくて。」


「なぁに、そんなに悩むことじゃないですよ。笑えば良いんです。」


「笑えば。」


「そうです。それがしにくいなら、もう一度いってあげましょう。」


美鈴はそこで一拍おいた。


「特訓は終了です。おめでとう、重信さん。」


僕は戸惑いながらも、ゆっくりと笑った。


「有り難うございます。」

今回は恐ろしいほどに無味乾燥な文章になってしまいました。

お詫び申し上げます。


p.s. 諸事情によりパソコンが使えないので、投稿が遅れたりするかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ