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All work and no play makes Jack a dull boy.

突然だが、皆さんに一つ質問がある。

皆さんは、「車」という言葉を江戸時代辺りの人にでも分かるように説明できるだろうか。

恐らく、ほとんどの人はこの問いを見た瞬間、「これくらい誰にだって出来る。」と思うだろう。

実際、自分もそうだった。

だが、いざ説明しようとなると、これが非常に難しいのだ。


これには様々な理由がああるのだが、その中でも特に大きいのが、横文字を使えないということである。

現代人に説明するなら、「鉄製の車体の中にシートをおいて、車体の下に着けたタイヤをエンジンで回して走らせるもの」とでも言えばいいだろうが、江戸時代の人には「エンジン」が何者なのか分からない(一応円陣という言葉があるのでそちらにとらえるかもしれないが、そもそも発音が違う)。

そして、ここで僕が言いたいとても大事なことは、自分が今そういう状況に置かれているということだ。


記憶力の優れた方なら覚えているだろうが、先週の話で僕はあろうことか「一、二週間で出来る」と言ってしまった。

可能ならばこんなことを宣言した前の自分を殴って串刺しにしてミンチにしてそれをさらに潰して……っと、ここら辺にしておこう。

取り敢えず、今僕は人生最大の窮地に立たされている。

兎ならストレスで死にかねないほどだ。


因みに締め切りまではあと五日、終わったのは二百ページ中七十ページ程。

……。

これから脱稿の兆しが見えるまでは家に引きこもっていた方が良いだろう。

それじゃあ仕事を再開して……。


「重信、いるかー!?」


ドアが唐突にバンッと大きな音を立てて開いた。


「ぎゃああああああ!」


思わず大声で叫び、机に突っ伏す。


「ありゃ、脅かしちまったか?」


「違うそうじゃなくて……。」


叫んだのは驚いたのではなく、一番来客が望ましくない瞬間によりによって魔理沙が来たことに対して半ば絶望したからだ。

なので、叫びというよりも咆哮の方が近いかもしれない。


「まぁいいか。」


良くない。


「それよりな、ちょっと雲行きが怪しくなってきたんだ。」


「雲行きって何のだ?」


「この前博麗神社に行っただろ?」


魔理沙はドアの近くにあったソファに座って話した。


「ああ。」


「その時話してた守矢の分社が壊れてたっていうやつの雲行きが怪しくなってきた。」


嫌な予感しかしない。

それも現在進行形で大きくなってきている。


「それはつまり?」


「早苗の話によると、半年くらいのうちに大きな異変が起こるそうだ。」


「異変なら魔理沙たちが解決すればいいんじゃないか?」


できれば面倒ごとはよしてほしい。


「それがだな、どうもちょっとやそっとで解決するような異変じゃないらしくて、場合によっては私たちだけじゃあ解決できるかどうか怪しいらしい。」


「成る程。」


「昔は紅魔館に腕の良いメイドがいたんだが、数年前に死んでしまったんだ。」


「……で?」


そう言うと、魔理沙は立ち上がってこっちに近づいてきた。


「つまりだ。重信も異変解決に協力できるよう特訓するんだよ。」


「断るぅ!」


立ち上がって叫んだ。

魔理沙が一瞬ビクッとなる。


「な、なんでだよぉ。別にいいじゃないか。死んでしまうことも無いんだぜ。」


「嫌だ。」


「でも、重信だったら伸びしろもまだまだあるだろうし、若いし、元気だろ?どうしても駄目な理由でもあるのか?」


「ある。」


「なんだ?」


「今とてつもなく忙しいんだ。だからほっといてくれ。死ぬほど疲れている。」


「それなら尚更だ。『仕事ばかりしてまったく遊ばない』重信は『今に気が狂う』ぞ。」


一体どこでそんな言葉を知ったのか(恐らく鈴奈庵、というかそれ以外はあり得ない)。

それにしてもこれでは議論にけりが付かない。

ならば……。


「そっちの言い分はよく分かった。だが、今は仕事をさせてくれ。少しずつでも進めないと本当にまずい。」


「分かった。じゃあ、きりがつくまでここにいても良いか?」


「それぐらいだったら良いよ。」


そう言うと魔理沙はソファに座ったので、こちらも机に向かった。

さて、急がなければ……と思ったその時だった。


”ドーンッ”


突然家を強烈な衝撃が襲った。


「な、なんだ?」


僕は無言で立ち上がり、窓の外を見た。

が、一瞬黒い大きな影が見え、直ぐに見失ってしまった。

その後慌てて家の外に出て、その正体を確認した。

それを見たとき、目が丸くなった。

少し遅れて魔理沙も出てきた。


「魔理沙、これはどういうことだ。」


「そんなこと私に聞かれたってしょうがないぜ。」


「最悪だ。」


ぼそりと呟いた。

”大きな黒い影”の正体は、全長三、四メートル程の巨大なカラスだった。


「でかいな。」


「凄くでかい。勘弁してくれよ。」


締め切りは……かなり危うくなるだろう。

兎も角、こいつを処理しなければ始まらない。


「戦うのか?」


「勿論だ。」


即答された。


「はぁ、なんでこうなるんだろう。」


僕は自分の不運を嘆いた。

映画っていいですよね。

自分は映画が大好き(自称)なので、週末の時間があるときとかはよく見ています。

最近見たのでは「死刑台のエレベーター」が特に面白かったですね。

因みに、今は「ダイハード」や「AKIRA」が凄く見たいです。


ところで、今回の話は「傑作だろう?」

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