黒い絵本

その昔、平和を願った

ある子どもの憧憬。

世界はよごれてしまった。

人々の心は黒くにごってしまった。

世界には争いと悲しみが絶えなかった。

大昔に人間を作った神様は、

「失敗した」

とつぶやいて、

世界に火を降らせた。

火は生き物を殺しつくして、

世界から生き物がいなくなった。

そして神様は、

もう二度と同じ過ちを繰り返さないために、

もう二度と生き物は作らないと固く誓った。

世界から争いと悲しみがなくなり、

世界は平和になった。