2-12 聖 女 爆 誕
前半 上野駅です。
後半 ホント、ごめんなさい……。
【ロックの異空間 沁黒】
「うーーむ。暇だのぉ」
ワシは黒い空間の中で暇を持て余していた。
宿屋の倅と道化師のコンビによってこの空間にまんまと閉じ込められ、体感的に半日と言ったところ。
てっきり閉じ込められた当初は、そのまま殺されるのかと思っておった。
けれど一向に空間が消えることもなく、ただただ時間だけが過ぎて行く。
「ただの魔術による空間なら魔力が尽きれば消えると思ったんじゃがのぉ」
しかし一向に変化はない。
ただこのまま居続けるのも自身の体と精神が蝕まれる。
「やはり……脱出を試みてみるか」
……実のところ、ワシは一つだけ外部への可能性を残しておった。
それは閃光の瞬間に密かに投擲したクナイ。そのクナイには糸が結ばれており、本来ならばその糸の影を追えば脱出できた――はずであった。
「しかし影の先は明らかに異様」
矛盾した色彩だがそう表する事しか出来ない虹色に輝く暗黒。
一度、外へ出ようと影を伝った所、そこには言葉にするのも奇天烈な情景があった。果たしてさっきと同じ場所に出れるか怪しい気配がある。
「……かといってここにいてもジリ貧じゃ。腹を括るか」
ワシは黒い空間で立ち上がり、黒の中でも糸にうっすら出来ている、存在するのかしないのかも怪しい影へと飛び込む。
あとはひたすらその糸の影の中を歩く。けれどやはりおかしい。
「もう何十歩も歩いておるのに、未だこの空間から出れん……ん?」
しかしその異様な光沢を放つ空間の果てに、強い光が差し込む入り口を見つける。
「ふむ。出口はあるようじゃな。ま、とにかく侯都に戻ればよいわ」
ワシは影から出てその光に飛び込んだ。そこには――。
「――参ります。黄色い線まで、お下がりください。
まもなく、二番線のりばに京浜東北線 大船行きが、到着します。ご乗車になるお客様は――」
「……は?」
人。
そこには縦に長い通路に、規則的な行列を作る人で溢れていた。
謎の両側の開いた建築物。
謎の言語による響く声。
しかも皆、異様にシッカリとした黒い服を着て、手には何やら金属の鏡や鞄を持っている。
「な、なんじゃ、ここ――なっ!?」
呆然とするワシの前を突然、巨大な鉄の筒が矢の様な速さで突っ込んでくる。
しかもとんでもなく、でかい。
「電車が参ります! 黄色い線までお下がりくださーい!」
その鉄の突撃に合わせて、何やら高そうな服に身を包んだ男が、謎の言語で叫ぶ。
すると最初は何かの兵器かと思った鉄の塊が、列を並ぶ者達の前で減速していき、やがて止まる。直後、鉄の塊が勝手に開きだし、中から無数の人間達を吐き出し始めた。
「上野 上野 ――ドアが閉まります ご注意……」
「なっ、なんじゃ!? これは一体なんの施設……そもそも侯都ではないのか!?」
おかしい。こんな場所、各国を渡り歩いてきたワシですら一度も見た事がないぞ!?
しかし動揺している暇はない。
鉄の塊から出現した人間達が一斉にワシに向かって走ってくる。
「なんじゃ!? 狙いはワシか!?」
確かにこちらに走ってくる者や周囲の者は異様な目でワシをみている。中にはなんの意味があるのか、金属の鏡らしき物を向けてくる者達もいた。
「……とにかくここにいるのはまずい」
訳も分からずワシは慌てて踵を返すと黒い階段へ飛び乗ろうとする。
が、飛び乗ろうとした瞬間、階段が一人で勝手に動き出す。
「なにぃ!?」
突然の事態に錯乱したワシは階段ではなく、その横の壁を足場にして飛び上がる。
「おいおいなんだあの爺さん!?」
「すごっ、なんかの撮影かな?」
言葉は分からんが、明らかに周りが動揺する。その隙にこの場所から脱出する。
そうしていくつかの階段を登った先にあったのは――。
「くっ、宮殿か何かか此処は!?」
黒い服の人間で溢れかえっている巨大空間。
それどころか謎の言語が変幻自在に表示される看板が天井からぶら下がり、巨大な鏡の中には巨大な踊る人間が映しだされ、外には異様に縦長の建物が乱立している、摩訶不思議な空間が広がっていた。
明らかに、違う。
ワシの知っている世界とは、ここは明らかに何かが違う。
「ここは一体、どこ何なのだ! ワシはっ、何処に来てしまったんじゃ!?」
しかしワシの言葉に怪訝そうに目を向ける者はいれど、誰一人として答える者はなく、そのままワシは人混みの中で呆然と立ち尽くした――。
【侯都学園アリーナ 神官ナーダ(神官ちゃん)】
「あーあ、なんで俺等はガキのお守りなんだよ」
「仕方ねぇだろ。一番下っ端なんだからよ」
学園にある集会用のアリーナ。
生徒全員が入る巨大な室内空間。その入り口は三箇所しかなく、その三箇所の扉の向こうには教国軍の男達がいる状態。
今、私はその中に閉じ込められています。
――突然始まったアンデッドによる襲撃と鐘の音で意識を失う学生たち。
どうしてこんな事になってしまったのか。一体この私が何をしたって言うんですか。
そもそも学年末の修了試験で私のメンタルはもういっぱいいっぱいなんです。
修了試験。
神官である私は回復役として後ろで無難に唱えていれば良かったのに、集まったメンバーにはなぜかユースティ様がいてなんか戦闘学科の序列三位がいて、さらに序列二位の金髪のイケメンや弓使いの娘まで入ってきて大所帯に。
回復役の私一人があの人数を見るのは不可能だと裏でこっそりあの頭ツルツルな教官に訴えても「これ以上は無理だ。頑張れ」と突き放される始末。
そうして実際に試験になりましたが、まぁ、私が優秀なこともあり何とかなりました。
けれど問題はその後です。
――胸を抉る槍。
思い出しただけで震えが来ます。
そうして次に目覚めた時は森の中で無数の黒衣の死体。訳が分かりません。もしかしたら何かの呪いなのかとずっと寮に引きこもったり、聖歌隊の女の子たちを見て心を癒やしていたのに……。
今度はアンデッドに謎の襲撃者です。
「なぁ、一人か二人襲ってもバレなくね?」
そのうちの一人が入り口からドアを開けて中を見てきました。
「止めとけって。クラフトガン様に連れて行かれた連中は平民共だが、残ったこいつらは貴族だとか混じってやがる」
私達がここに移される少し前。
捕らわれていた学生達は二つに分けられました。
一つは平民を中心とした者達。彼等はクラフトガンとか言う魔術師に連れて行かれました。
そして残ったのはここに閉じ込められている貴族や神官等を中心とした私達。
幸か不幸か、連れて行かれた生徒達は“処分”されるらしく、ここに閉じ込められている者達はそのまま引き続き人質になるみたいです。
また学園内で暴れている者もいるらしく、教国兵はクラフトガンと呼ばれる男に付いていくか、その暴れている人物を捕縛しに行っています。そういえば兵士達がデブ、テブって騒いでましたが……一体誰なんでしょう。
ただそんな訳で、ある意味今が一番警備が手薄なチャンスでもあったりします。
けれど謎の洗脳魔術によって生徒達の意識はなく戦える戦力なんてありません。私? 無理ですよ。二秒で死ぬ自信があります。
「とにかく交代が来るまでの辛抱だ。それにまだ逃げているデブも捕まってねぇ。外の警備に戻るぞ」
「ああ……くっそ勿体ねぇな」
教国兵の二人もアリーナの入口を守るべく外に出て大きな扉を閉めます。
そして訪れる沈黙。今この瞬間、無音の密室空間が出来上がりました。意識のある者は誰もおらず、人形の様な学生達が百人ほどただ立っているだけ。動く者なし。
――私を除いて。
「ホント、どうして……なんで私だけ意識があるんですかぁ……」
そう。そうなんです。
私だけずっと意識があったんです!
でもだからと言って小心者の私が暴れたり逃げ出したりできる訳がないじゃないですか!
実際、赤毛の弓師さんも意識があったらしいのですが、大暴れしてあっと言う間に捕まってしまい連れて行かれました。
いやいや、もう少し考えて行動しましょうよ! と唖然としたのは内緒です。
なのでこうして、あへー、って感じでずっと意識ありませんよーって、必死に演技をしていた次第です。
……おかげで他の方は感じてないようですが、私には尿意が普通にあって……ううっ、思い出すだけで死にたい。
「だけどようやく人の目がなくなったのは良かったです。ああ、監禁中とは言え、やっと自由に」
まぁだからと言って神官一人に何が出来るっていう話なのですが。
「でも……怪我したまま放置されている人もいますし、とりあえずこっそりヒールでも掛けておきましょうか」
実はさっき、肩口の傷が悪化して腫れ上がっていたメイドさんこと序列一位の学長さんにも、こっそりヒールを掛けたりしました。……まぁ彼女はすぐに連れて行かれてしまいましたが、無駄ではないと思いたいです。
「ヒール」
そんな訳で気になっていた腕が腫れている剣士の男の子や、やたら傷が多い十二歳くらいの美少女三人組(たぶん学園の見学に来た子達)などにヒールを掛けます。
殆どがソンビやスケルトンに襲われた時についた傷で、時間が経ち過ぎていて中々治らない部分もありましたが、やらないよりマシだと思います。
「でもホントに動かないですよね皆さん……特にこの子達は可愛いからお人形さんみたい……ほんと……可愛い」
ああ、こんな年端もいかない美少女達を一日中愛でていたいなぁ……。
ふと、十二歳頃の美少女達にそんな邪まな感情が鎌首をもたげます。
何を隠そう私のストライクゾーンは同性の可愛い、出来れば年下の小さい女の子か、異性ならば年端の行かない無垢でおどおどした少年。
かつて友人だと思っていたルームメイトに喋ったら、翌日引っ越していたという罪深き性癖の持ち主なのです。
そういう意味で、今私の前にはまさにクリティカルヒットな三人組がいる訳です。
と、同時にとある重大な真実に気付いてしまいました。
――あれ? 今なら私、何をしてもバレないのでは?
「い、いやいやいやっ、そんな」
分かっています。
今はそんな状況じゃあ、ありません。しかも動けない女の子相手にそんな、いけないこと……。
「で、でも触診も大事……ですよね?」
そうです。
触らなければ治せない、分からない傷もあるでしょう。
私は意味もなく六度も周囲を念入りに確認すると、再び目の前の虚ろな目をした可愛らしい三人組を見つめ、生唾を飲み込みます。
「こ、これは治療ですから……この子達のためなんですし!」
恐る恐るですが、その手を茶髪をセミロングにした子の脇腹に手を伸ばします。
――ふにぃ。
「ふおおおおおおおおっ!?」
やっ、柔らかっ! これが美少女の脇腹!? 私の骨と皮の脇腹とは大違いではありませんかっ。美少女、いや美幼女万歳!
そうして遠慮がちにですが、茶髪の美少女の体をもみもみしていきます。
「これはいけませんねっ……もっと念入りにチェックしないとっ!」
自分でも鼻の穴が膨れっぱなしなのが分かりますが、仕方ありません。
「ヒール、ヒール、ヒールっ」
そんな事よりもはや触る為の免罪符に成り下がった回復魔術を掛けながら、私は揉み続けます。
そうしてその柔らかさを堪能していると、今度は彼女のスカートが気になってきます。
「流石にそこは、いやいやいや聖域ですし……で、でも白い綺麗な足に傷が残ってもいけませんし……っ」
少し。
ほんの少し。
傷の有無を確認する為には、スカートを捲るのも致し方ないのではありませんか?
「治療……これは……治療の為……」
私は震える手でチェック柄のスカートの端を摘み、そして――。
「美少女のおパ――」
「解けた――解けましたぁお姉様っ!」
突然、目の前の美少女の目に光が戻り、満面の笑みで声を上げました。
「――――」
ぎゃあああごごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい違うんです治療の為なんです邪ま気持ちはなかったんです本当で――。
突然の出来事に体がフリーズする一方、脳内は大混乱に陥りました。
「――っ、て、私も動ける様になったわっ」
「ほっ、本当です。私も体が動きますっ」
さらに残りの美少女達もいきなり生気を取り戻し、喜びの声を上げます。
――え? なんで? なんで彼女達、意識を取り戻しているんですかっ!?
唖然呆然とする中、私は美少女のスカートの端を掴んだまま固まっています。
でもそんなことはお構いなしに美少女三人組が歓喜の声を上げます。
「あのっ、助けてくれてありがとうございますっ」
「ひーるを掛けて貰ったら、急にあの怖いフードの人が消えて、体が元に戻りましたっ。あれがえくすとらひーるってものなんですねっ」
「ふえぇぇ、怖かったよぉ……もう二度と戻れないかと思っちゃいましたよぉ……」
――は、はい?
え、エクストラヒール??
それは聖女様のお力ですよ? 私のなんてただのちっょと天才だとげ二流神官のヒールですよ?
しかしそんな私の内心の戸惑いを他所に、三人は涙を浮かべながらお礼を述べてきます。さらになんと、他のヒールを掛けた人達も覚醒し始めました。
「あ――れ? 戻った。体が元に戻った!?」
「あっ、ああ、動くぞ。私の体が動くッ」
なぜ? どうして? いやそれよりも声が大きいです。
「みっ、皆さんとりあえずお静かにっ! いくら密室だからと言ってあまり声が大きいと声が外に聞こえますっ」
自分も大混乱ですが、まずは意識の回復した数人の方々に釘を刺します。
「うっ、そうだな」
「ここが音の漏れ難いアリーナで良かった」
そうして全員が落ち着きを取り戻し、静かにお互いが開放の喜びを分かち合います。
「み、皆さん意識が戻って良かったですね」
私も思わずそう声を掛けます。
ですがそれで危機が去った訳ではありません。何より私は一つ重大な勘違いをしておりました。
三人組みの茶髪の美少女が、ふと、私を見て首を傾げます。
「……あの、ところでさっきから何故、私のスカートを掴んでおられるのですか? それにずっと私の体を触っておりましたが、何かあったんでしょうか?」
――やっべ。
私は頭が真っ白になる中、摘んだスカートから手を離します。
というかそんな馬鹿な。まさか、本当に、あのセクハラ中ずっと――意識があっただと?
「そういえば触ってたな神官さん」
「ヒールって言ってたのは聞こえたけど、体全体に掛ける意味あったのか?」
さらに他の意識の戻った全員の視線が私に向けられます。
ピンチです。
かつてない程にピンチです。私のセクハラが今、思いっきり白日の元に晒されています。
「い、いえそれはっ、その」
「待ちなさいっ」
言いよどむ私に三人組のうち、勝気そうな美少女が救いの手を差し出してくれます。
「あれだけの強力な魔術を解いたのよっ。きっと聖女様にしか見えない魔術の残滓があったのよ!」
――ナイスフォローです美少女ちゃん二号!
ただ一部、意味の分からない単語が私の耳にも残りました。
「おおっ、そういう事か。流石は聖女様だぜ」
「なるほど。あれだけの力だ。人によっては直接触らないとダメだったという事か」
周りも勝手にそう納得してくれます。けれどやはり聞き捨てならない単語が……。
「あの、さっきから聖女というのは……」
「お姉様に決まっているじゃないですかっ。あれだけの魔術を自力で解くなんてっ、聖女様以外にありえませんっ」
なにを言っているのでしょうかこの美少女。
はい? 聖女? 私が?
「まっ、まま、待って下さい私は別に聖女なんかじゃ」
ですが必死に否定しようとすると、今度はオドオドした美少女三号が首を傾げます。
「でも本当に聖女様なのかな? 今まで学園に聖女様がいるなんて、聞いたことも無いんだけど……」
「バカね! 聖女様がそう簡単に名乗る訳がないじゃない!」
「いやですからね、名乗る何も別に私は――」
「それに聖女様じゃなかったら、なんでユーリの体をあんなに執拗に触ってたのよっ。そうじゃなかったらただの変態じゃない!」
――やっべぇ……。
そうです。確かに治療でも何でもなかったらただの変態。反論の余地すらありません。
「そっ、そうだよね……治療でもないのに同じ女の子の体をずっと触ってたなんて、凄く危ない人だよねっ」
ダメです。なんかもはや変態か聖女の二択になってきてます。
「い、いやその、確かにあれは治療の為に触りながらヒールを掛けていましたが、それと聖女である事に何ら関係はなく――」
ですが小心者の私が聖女なんてものに祭り上げられる訳にはいきません。慌てて手を振りながら変態にならない範囲で説明します――が。
「あのっ、聖女様なら、その、今度二人っきりでヒールを教えて貰っていいですか!?」
私がモミモミしていたユーリちゃんが、両手を合わせて、キラキラした眼差しで見てきます。
「――えっ?」
「あっ、ズルい! 私も良いですか聖女様! 手取り足取り教えて下さい!」
「だったら私も、指導して下さい! 私達、皆神官見習いなんですっ。何でも言うことを聞きますからっ」
この瞬間、私に電流走る。
――二人っきり。手取り足取り。何でも言うこと聞く。
「ふふっ、ヒールが上手く出来ないの? ならヒールが出来るおまじないを教えてあげる」
「あっ、お姉様……そこは……」
浮かんだのは合法的に美少女達に囲まれ、花畑できゃっはうふふふする自分の姿。すなわち――楽園。
「なるほど」
今この瞬間、私は聖女とは何かを煩悩で悟りました。
否定の為に全力で左右に降っていた手を淀みない動作て折り畳み、聖職者らしくお腹の下辺りで重ね目を瞑ります。
「やはり――気付かれてしまわれましたか。この私の溢れんばかりの聖なる力に……っ!」
そう。私は少女達の守り手。それ即ち聖なる女に他ならず、つまりは拡大的に考えれば間違いなく聖女なのです。
今、この瞬間、私が決めました。例え神であろうとその決定には逆らえません。聖女ったら聖女なんです。
それに何より私のヒールで人々が救われるのなら、もうこれ便乗するべきでしょう。
「おおっ、やはり本当は聖女様だったのかっ!」
「どうか我々をお導き下さい聖女様!」
余計な男子生徒共も膝をついて崇めて参りますが、まぁそこはいいです。
全ては美少女達を救うため。今ここに慈愛の聖女となりましょう。
「さぁ、皆さん。私達のら……未来の為に治療を始めましょう!」
正直、実際何一つよく分かっていません。なんで私のヒールが催眠を消し去るのか、なぜ私は意識があるのか。
けれどこのヒールに意識を回復させる力があるのならやるべき事は一つ。神官として、聖女として全ての迷える人々を全員を救い出しましょう。