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(宇宙旅行 & ジョナの考え)

 『Moon暦726年6月3日(日)』


 私は自分が今現在に座っている場所で、テーブルの上に左手を置き、自分のマリンからジョナの時計に右手で『115001』と押し、マーシャさんに電波を発信したのだ。


 暫くすると向こうから連絡が入ったようだ。


「艦長、電波をキャッチしました」

 と、通信長がそう叫んだ。


「マーシャです。マーシャです。電波を確認しました」


「……初めまして、『ムージュ号・二世』の艦長の真琥燈・ニッシーです。今日は連絡をいただきありがとうございます。少尉の仲間を助けていただき、ほんとうにありがとうございました。私は艦長に就任しましたが、少尉は副艦長に就任しました。このこともお知らせしたいと思います」

「二世の艦長ということは……もう完成したのですか」

「九十五%は完成しました。六月十八日の月曜日にこちらを発進する予定です」

「分かりました。それでは十九日にまた電波を発信してください。こちらでほんとうに発進したかどうか確認を取らせていただきます」

「分かりました。必ず電波を発信することを約束します。これからも彼女たちのことはよろしくお願いします」

 と、少佐の歯切れよい言葉を聞くことができ、私は心の中で讃辞を送りたいと思ったのだ。


「分かりました……今度は少尉と代わっていただけますか」

「了解しました」

 と、彼はそう言って私を見てから、これから先はお願いします、というような雰囲気で首を軽く下に振ったようだ。


「少尉、副艦長になれてよかったですね」

「ありがとうございます。メーシス艦長から任命していただきました」

「いつも会話だけですので、今度はぜひお会いしたいですね。楽しみにしてます」

「ありがとうございます。私もお会いしたいです。楽しみです。彼女たちのことはよろしくお願いします。ここにシャーコントイザー号の艦長であるドライク・カーコン上級大将がいらっしゃいます。マーシャさんと話しがしたいと伺いました。今代わりますのでよろしくお願いします」

 と、私はそう言って、カーコン艦長のことをいちばんに話したのだ。


「分かりました」

 と、マーシャさんがそう言うと、

「初めまして、ドライク・カーコンです。彼女たちを助けていただきほんとうにありがとうございました。礼儀を正して感謝の言葉に代えたいと思います。私はあなたの話しを聞き、今回のチャンスを逃がさず話してみたいと思いました。このような機会が訪れたことを光栄に思います」

「こちらこそありがとうございます。私の存在を不思議に思われるかもしれませんが、彼女たちと出会い、あなたたちと出会って会話ができることに感謝してます」

「私もこの場であなたと話せることに感謝してます。私もぜひお会いしたいです。今度はその機会が訪れることを願います」

 と、カーコン艦長がそう言ったので、私たちが会ったことをシェリーから聞いていると思い、自分も会いたいと考えたのだろうか。


「私もお会いしたいですね。皆さまから感謝の言葉をいただきとても恐縮してます。彼女たちが無事に戻れると、お互いに日時を決めそちらへご挨拶に伺いたいと考えました。それが可能ならば、その時にぜひお会いしたいですね」

 と、マーシャさんの方からそう話してくれたので、

「ありがとうございます。個人的にはその考えに賛成します。こちらが出向くとなれば今回みたいに大変な状況が考えられます。あなたが一人でこちらへ出向いていただけるならば、それは可能なことだと思います」

 と、カーコン艦長がそう言ったから、この場は公になるので個人的という言葉を使ったのだろうか。


「メーシス艦長です。私も個人的にはそのことは可能だと思います。私もぜひお会いしたいです」

 と、シェリーまでもそう言ったから、会議で決まる前にそういうことは言ってはいけないことなのか、とも思ってしまった。


「ニッシー艦長です。このような大それた場所で私が言葉を発言することに恐縮しますが、私もぜひお会いしたいです。少尉も同じ気持ちだと思います」

 と、少佐は今回も私のことをそう言ってくれたので、私はとても嬉しかった。


「はい。私も同じ気持ちです。時間やエネルギーに関係なく色んなことが話せると思います。個人的には一日とは言わずに数日間滞在していただき、こちらの言葉でいうと旅行感覚で訪れていただければいいかと思います」

 と、私は決定したわけではないのに、そういう言葉を使ってしまった。


「皆さまにそう言っていただいて、私もこのことを話してよかったと思います。旅行感覚とはいい言葉です。私はその言葉は知ってます」

 と、彼女がそう言ったので『ありがとうございます』と私は返事をする。


「今日はこういう話しに展開するとは、私もそちらへ宇宙旅行がしてみたいですね。将来的にジュピターシティーに行くだけではなく、そちらにも訪れることができるようになれば、我々人類の未来にも夢が新たに訪れます。今日はこの場であなたと話せた甲斐がありました」

 と、カーコン艦長がそう言ったので、そういうことまで考えていたのか、と私は驚いてしまったけど、今回のことが橋渡しとなれば可能性があると思える。


「今の段階では私の存在は隠したいと思いますが、将来的には考えが変わるかもしれません。しかしこれは難しい問題です」

 と、マーシャさんがそう言ったけど、上下の統一みたいに将来的に長い目で考えれば、目的地を目指す宇宙旅行が可能なような気がする。


「メーシス艦長です。確かに難しいと思いますが、将来的に可能になることを願います。今の段階では彼女たちの復帰と、その後の状況でマーシャさんがこちらにいらっしゃることをいちばんに考えたいと思います。これは日を改めて検討していきたいと思います。よろしくお願いします」

「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。ジョナに代わりますので少しお待ちください」

 と、マーシャさんは突然にそう言ったのだ。


「キャプテン、ジョナです。今日は連絡ありがとうございました。私はここでマーシャさんと話してここの生活に慣れました。このことは誰にも話してません。私の個人的な意見ですが、私はここに残ってもよろしいでしょうか」

「えっ? 信じられない」

 と、私はびっくりして早口で言ってしまい、驚いてシェリーの顔を見ると、彼女と視線と合ってしまった。


「メーシス艦長です。その状況が理解できないけど、全員で帰還することを命令します」

「キャプテンです。私も帰還することを命令します」

 と、私がすかさず言うと、

「ニッシー艦長です。私も全員で帰還することを命令します」

 と、彼もそう言ったのだ。


「カーコン艦長です。メーシス艦長が言われたようにその状況が理解できません。今回は全員帰還した方がいいでしょう。またそちらに行く機会もあるかもしれません。その場合はジョナがナビゲーターになることもできます。私は彼女のことはよく知らないので、あなたたちに説明をしてもらいたい。そういう考え方はどうでしょうか。そのようにマーシャさんに説明してはどうですか」

 と、彼が話した言葉を聞いて、さすがカーコン艦長だと思ってしまう。

 

「分かりました。帰還することにします。お騒がせしました」

 と、ジョナはあっさりそう言ったけど、私はほんとうに驚いてしまった。


 彼女がそういうことを考えていたなんて信じられないし、そういう風に考えた根拠は何だろうか。何が彼女に起こったのだろうか。


「メーシス艦長です。今回のことはジョナの個人的な意見として聞きました。突然の話しなので艦長の立場ではなく、私も個人的な立場で検討しましょう。艦長の立場では全員帰還することを命令します」

「了解しました。マーシャさんと代わります」

 と、ジョナはそう言ったのだ。


「私もそういうことを考えているとは知りませんでした。こちらでよく話します」

 と、彼女も突然の話しで、少し驚いているみたいだと思った。

 

「メーシス艦長です。今日の連絡は『ムージュ号・二世』が確実に発進する日をお伝えしようと思いましたが、ジョナの言葉には少々驚きました。マーシャさんには全員帰還させていただくことをよろしくお願いします」

 と、シェリーの話した言葉を聞いて、私も状況が分からないがそれ以外の言葉はない。


「分かりました。私もそうした方がいいと思います。それでは……今日の連絡はこれで終了させていただきます」

 と、彼女がそう言ったから、早々と話しを切り上げたのだと思ってしまった。


「キャプテンです。ジョナ、後三ヶ月ほどで会えるからね。全員で帰還しましょう。私にはこの言葉しかないよ」

 と、私は最後にキャプテンの言葉を使い、そう言ってしまった。


 後三ヶ月ほど待てば彼女たちに会えるし、昨日の夜にマーシャさんが木星圏内だと言ったので、リリーさんにその言葉をすぐシェリーに伝えてもらい、ワープ航法を使っても三、四ヶ月はかかると今朝言われたのだ。


 往復で半年もかかってしまうのに、マーシャさんがここに来るスピード感は想像しがたくて、何度も来るには相当のエネルギーが必要だと思い、こちらで拝借して移動する意味が少し理解できるような気がした。


 今日のニッシー少佐は冷静であり、カーコン艦長との会話も落ち着いて対応していたようで、これはあるべき言葉を想定して、紙に書いて練習したとは思えないのでいつか聞いてみようと思った。


 私の誕生日に『ムージュ号・二世』を自分の命にかけて守ると話してくれた言葉は、彼なりの愛情表現だと思い、リチャードやシェリーやリリーさんと同じように、これからの私を見守って助けてくれると思うし、カーコン艦長の存在も忘れてはいけないし、私たちは家族として誰にも見えないつながりがあるのだ。


今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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