表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/9

『未来である地球の変貌』

 ★☆★『未来の地球』★☆★


 地球は『地震多発惑星』である。最初に天皇海山群(てんのうかいざんぐん)と呼ばれている太平洋の海底火山の爆発から『海洋世界』の崩壊が始まり、あちこちの大陸に存在する活火山の爆発に移行し、人類の属する『生物世界』が大打撃を被り、地球の生態圏が狂いだし生物種の八十%が絶滅し、今や民族間の戦いなどをしている場合ではなく、自国の民族を守るよりも自分の一族を守る方が先決であり、もはや、自分の家族を守るのが精一杯になりつつあった。


 地球環境の崩壊が始まり大気圏の塵やガスが原因で多くの人間が死に絶え、最大の原因は食料危機ではあるが、しかし、積み重ねられた人間の知恵はさすがで、各国の上層部の人間たちは人類の崩壊を危疑し、太陽光の恩恵が崩れ地上に届く『光』が半減期を迎える前に、『ジュピター・グリーン計画』と『スペース・シップ計画』の二手に分かれて密かに計画が進められたのだ。


   ★ ☆ ★


 『ジュピター・グリーン計画』では、人類は生き残るためにサハラ砂漠の南部に人工的に積乱雲を造り雨を降らせ地下水もくみ上げて、数十年の時をかけ最初の『みどりのオアシス』を作り、今ではジュピターシティーの中心地である『北部JJパーク』と呼ばれているのだ。


 ジュピターシティーは菱形のドーム型人工シティーであり、空は存在してもコンピューターで管理された巨大なバーチャルな世界であり、太陽光が半減してもドームの周りを取り囲む大量のソーラーパネルはシティーを十分に養っていけ、菱形のドームは開発され続けて今では正方形になってしまった。


 みどり多き町であるジュピターシティーに移住させられた初期の住人たちは、親子三代に渡り教育された選ばれし者たちの子孫ではあったが、代を重ねるごとに学ぶべき知識や地球の歴史が構想の具現化として教え込まれ、一部の人間がコンピューターで管理をし、人類はことの重要性を知らずに引っ越し感覚で移住させられたのだ。


 その人間達はシティーの未来を、いや地球の未来を受け継ぐ者たちだけの隔離された世界になり、現在シティーに住んでいる人間のほとんどは自分たちの世界が新しく造られたことを知らず、今では地球の歴史は完全に書き変えられ、もはや人類の歴史は一貫性がなくなった。


 ジュピターシティーは七百年ほど経つあいだに人口が増えすぎて、人間の必需品である生産物は新しく造られたシティーの回りのドームで開発され、それに伴い人間も移住させられて、独自のシティーとして発展を続け社会経済が営まれていた。


 今ではドーム間の移動は制限され、人間の移動手段はトンネル内を走る電車のみであり、その電車の発着にも秘密が隠されているし、ドーム内では航空機の存在はなくなり、砂漠の砂は人間の力で削除され、ここに『地球の縮小版』が完成したのだった。


     ☆ ★ ☆


 『スペース・シップ計画』では、人間は学習能力のある制限つきのロボットを造り出し、最初は地球の衛星である月面に基地を造り、大型船、中型船、小型船と様々な宇宙船を造ってきたが、今では『五艘の巨大艦隊』が存在するようになった。


 宇宙に飛び出した者たちの歴史は、熱核融合反応において水素をヘリウムに変換することでエネルギーを生み出す太陽光の恩恵が崩れた今では、四十六億年の地球の歴史が忘れられてしまったかのようになり、『Moon暦』として新たな歴史が誕生したのだ。


 かつては際限なく広大な宇宙をゴミ捨て場に選んでいたが、収集できないスペースウエストが宇宙空間を漂いはじめて危険を感じたのか、大気圏を突入できそうな船は地球に捨てられ、地球自体が古くなった宇宙船のゴミ捨て場所にされるようになった。


 宇宙では役立たずの廃棄される宇宙船は、地上では人間の住居として活用されリサイクルされるようになり、こういう状況でも地上の生活はまだまだ存在していたが、およそ二千五百年の間に蓄積された、人間としての秩序や道徳心が連続する海陸火山の爆発から壊れてしまった。


 人間の至福の時間を叶えてくれる食事、その生産地や生産者の減少が徐々に食料危機と呼ばれるようになり、社会生活において時間が停止した地域や後戻りしている地域も存在したが、人間の生命力は図太くこういう状況下においても、一般市民の凡人たちはしぶとく生き残り独自の世界を造り出していた。



 ★☆★『物語の途中で』★☆★


 過去に少々遡りますが『Moon暦721年5月1日(土)』、このストーリーの始まりの日付です。上下の世界の創立記念日が違うので『Moon暦』の始まりが違いますが、曜日と時間は同じ設定で書いています。


 ここでは『Moon暦726年4月21日(土)とMoon暦725年10月1日(土)』は同日設定です。マギーが『少尉』になった日であり、リサが『ジュピターシティー』に移住した日です。この小説は、サブタイトルの本文のいちばん上に日付が書いてあります。本編の日付設定での内容は長文になるので区切って編集し直しました。この日付はストーリーを読み進んでいくときに、とても重要なポイントです。


     ☆ ★ ☆


 今現在、上の世界の存在を知っているシティーの住人たちの子孫は全員ではないが、五歳から特別にスクール船で隔離されて教育されています。十一学年になると正式登録名『5904』、別名『ムージュ号』及びその他の上級ランクのスクール船に入学できることは、その中でも選ばれし者の登竜門です。


 上の世界である大人の世界に移動する子供たちは、教育者は個々の『パーコン(コンピューター)』であり、会話禁止令が出され団体活動は食事とエクササイズの時間だけで、全てはパーコンで管理され、シティーではスクール船の存在を知る人間も少なく、増しては『HUMAN』の言葉の意味を知っている人間はもっと確率が少なく、我が子を『HUMAN』と呼ばれる人間にすることは、スクール船に入学した五歳前後に脳の一部を削除し、その部分に手を加えることで記憶を消します。


 過去の記憶がなくなるので親の存在も知らない人間に育ち、その期間に家族の存在が消滅する可能性もあり、その子供に『スペシャルスキル』が生まれることは賭でありより稀少で、その子供たちの将来はスクール船から始まる『経歴』で上の世界での階級が決定していきます。


 『HUMAN』とは、子供の世界では隠された存在であり、愛すべき自分の子供の存在を一定期間隠すことであり、親はその選択を強いられ葛藤する中で、それを選択する親の確率もより少なく、その子供たちは記憶がなくなるので自分の家族の存在も忘れてしまうからです。


 超極秘情報として特別な存在である『HUMAN』と呼ばれる人間たちを作り出す仕事師としてのドクターは、若かりし頃は経験不足で自分の子供は手がけませんが、自分の孫であるマギーを『HUMAN』にさせました。


 今ではドクターの『スペシャルスキル』であり、医学のあり方を否定する声も届きはじめ、『HUMAN』最後の時代にマギーたちが存在するようになった、と彼は考えており、年齢的にも最後のオペ終了後に、彼は本来の自分の姿に戻りました。


     ☆ ★ ☆


 リチャードは、わが家で『メーシス一族の遺言』である重要な使命がシェリーからマギー引き継がれ、まして自分の目の前でその喜ばしい現実に直面でき、マギーに家族の存在を知らせることができ、自分の任務も完了したことを知ったのだが、古文書をわが家で発見した彼には、新たな任務がもう一つ存在することになった。


 シェリーの時代までは穏やかなシティーであった、と彼はそう思いながらも、これからマギーの時代になり何事も起こらなければいいが、と彼はそのことがとても気になり、この前にリサとタワーで出会った直後から、今から何かが起ころうとしている前兆ではないのか、とそういう胸騒ぎがしていたのだ。


 タワーの地下の存在は『禁止用語』の中にあり立ち入り禁止区域になっていたが、古くから守られている場所があるのに気付いてから、入り口だけは開けてみたがもう一度タワーに行ってみようと思い直し、シェリーは一度も連れていかなかったが、この地図をマギーにも見せて一緒にタワーの地下に潜ってみよう考え、マギーは違う閃きを発見できるのではないだろうか、とわが家に伝わる古い地図を椅子に座って眺めながら、彼はそう思ったのである。


     ☆ ★ ☆


 マギーには『スペシャルスキル』が存在していることが判明し、彼女はその事実を知らないままに、自分のそばに集められた仲間をマーシャル隊として存在させ、自分たちの存在を他の仲間には隠した方がいいと考え、マーシャル隊の集合時には、顔にマスクを装着することを義務づけていた。


 今、その隠された存在の仲間たちが新たにマーシャル隊の任務として、大人の世界に入っていくためのコミュニケーションをより成立させるために、彼女たちはそのマスクを外そうとしています。

 

 それと同時に話しが進んでいくのがリサの登場するジュピターシティーの存在です。リサはなぜ記憶の一部が消えてしまったのか。一族の使命とジュピタータワーの地下の存在は『巨大ミミズ事件』と同様に、この物語の中では重要なポイントです。それを解き明かしながら、上下の世界の話しを時間的に織り交ぜて物語は進んで行きます。


 本来の主人公であるマギーは『ムージュ号』で、リサはシティーに存在する『パーコン』との会話で物語は進んで行きますが、そのパーコンの位置づけに二人が気づくのは終盤に入ってからです。二人が最初の出会いからすれ違いながらも、二人にまつわる登場人物の影響も絡ませて、このストーリーはテンポよく進んで行きます。


 この物語の設定では、マギーが作ったマーシャル隊は最後の『HUMAN』の集団であり、マギーが上の世界で活躍するための仲間です。上の世界に行けば彼女たちはマギーの幕僚と呼ばれるようになるけど、まだまだその存在を実感する地位ではありません。


     ★ ☆ ★


 ★我が愛すべき地球の住人は『三つの世界』に分かれた



 ★マギーの夢は『三つの世界』をひとつにつなげること

  マギーは『意外なスペシャルスキル』を持つ『HUMAN』



 ★リサの理想は『三つの世界』をひとつにつなげること

  リサは『二つのスペシャルスキル』を持つ『HUMAN』


今回も読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ