2.得体の知れないモノを踏んでしまう
スマホで見るのとPCで見るのでは見やすさが違いますね。
投稿ペースに余裕を持てたら、文字校正など修正したいと思います。
新台を前に腰を置いて時間は4時間を経過していた。
新台入替えの影響か高設定と思われる挙動をしており、
初当たりが軽いものの出玉を吸ったり吐いたりを繰り返す【下皿をモミモミ】する展開が続いた。
俺は選んだ台の挙動が良いモノの展開に恵まれない為、出玉が伸びない台を続行するか中断するか悩む。
が、盛大に腹の虫が鳴ってしまい集中力も切れ始めたので止める事にした。
「腹も減ったし帰るかなー。ちょっとだけ勝ったからマグロまーけっとの鮪丼でも食べてから帰ろう…。」
700枚ほどメダルが溜まったドル箱をスタッフの人に預け、コインジェッターに流してもらいレシートを発行する。
いつもなら会員カードを出しているが、今日は偶々サイフに入れるのを忘れてしまったようだ。
まぁ、ここのホールは等価交換だし、余ったメダルをお菓子に交換しても交換レートがそこまで酷くないので気にしない。
酷いところだとスーパーで100円で売ってるお菓子をメダル24枚と交換するところあるんだよなぁ…
12枚ならまだわかるけど24枚は酷すぎだろ!まぁ、そんな店は行かなければいいだけの話ではあるが。
カウンターで景品交換を行い、余ったメダルは適当なお菓子と飲み物に交換してもらった。
先ほど交換をしてもらった景品は【たまたまホール近くに所在する古物取扱店が、たまたま景品を高額で買い取ってくれる】
買い取ってくれる景品は3種類あるが、買取金額がここ数年変わっていない事を指摘してはいけない。
景品を買い取ってくれる店に行こうとした時、ポケットにしまったスマートフォンが震えている事に気づき通話ボタンを押す。
「よぅ!平太。押忍サラリーマン団長の新台は調子どうだった?」
「あれ?勝森さんもう仕事あがりですか?ていうか、何で俺が打ってたの知ってるんですか…。」
「SNSで中チェ引いたー!って写メとってたじゃねーかw」
「俺のアカウント知ってたんですね、あとでフォローするんで教えてくださいよ」
電話を掛けてきたのは職場の同僚であり、先輩でもある人。勝森さんだった。
よくも悪くも俺がパチスロをやりはじめたきっかけを作った人でもある。
いつも仕事あがりは18:30以降の筈だが、今日は早めに切り上げられたらしい。
「1/16384の中段チェリー引いて、擬似ボーナスの青BIGのみでした。ATも天国移行もなし」
「Oh…、マジかよ…。昨今の新台はヒキが強いだけじゃ、勝てないのな…。」
勝森さんは明日が休みなので、台の挙動や履歴を確認しにこれから職場近くのホールに行くのだそうだ。
恐らく明日の朝一番で打つ台をどれにするか決めるのだろう。
他愛のないくだらない話を適当にして、俺はまだ景品を買い取ってもらってない事に気づく。
「勝森さん、スイマセン。まだ景品買取してもらってないので、そろそろ…」
「あぁ、ワリィワリィ。そんじゃ、またな。」
ツーツーとスピーカーからが流れる音を確認し、スマートフォンを無造作にポケットへしまう。
2Fから1Fに降りるホールの外階段を降りて複数のビルが並ぶ通りを抜け、
駐車場の中にあるTUC(景品を買取ってくれる店)ショップを目指し数歩歩いた時だった…
ムニュ!
駐車場にあるスポーツカーを見ながら余所見していたら何かを踏んだ。
その時は俺はきっと得たいの知れないナニカを踏みつけた感触で変顔を晒してしまった。恥ずかしい…。
かろうじて変な声を出さずに済んだが、傍から見たらきっとリアクションだけで腹筋がねじ切られる事だろう。
うん…? 何かを踏みつけた様な感触が…
俺が踏みつけたのは大の字になり、うつ伏せに倒れている女性らしきモノだった。