4話 衝撃の事実
「ねえ、お楽しみのスイーツ誰が食べたの?」
翌日、朝食を食べようと席に着いたところ、お母さんの言葉で兄妹の手が止った。
さらにお母さんは僕の目を見て尋ねる。朝食どころではなかった。
「慧、食べた?」
僕は首を横に振った。
「じゃあ、伊里奈?」
伊里奈も首を横にして否定したため、お母さんは眉間にしわを寄せた。
「お父さんが食べちゃったのだよ」
伊里奈がとんでもない発言をしたため笑いそうになる。
そのことを抑えながら僕も賛成する。
「そうだよっ、ふっふっ」
そしてさらに僕は付け加える。
「あ、そういえば昔にも同じことがあったよね、
お父さんがプリンアラモード食べちゃったこと」
僕の言葉で昔、お父さんがお母さんのプリンアラモードを食べようとして怒ったことをお母さんは思いだした様子だった。
「何のこと?」
しかし伊里奈はその時はまだ幼くて覚えていなかった。
そのため僕は、朝食を食べながら伊里奈に昔のことを教えてあげる。
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「……ということがあったのだよ」
「ピーピー音鳴るまでお父さん、プリン食べちゃうか考えていたの!」
僕の話を聞いていた伊里奈が考えすぎのお父さんに声を出して笑う。
「お母さんが怖かったのだよ」
さらに僕がそのことを伊里奈に小声で教えてあげると納得した表情になり、今度はにやりと笑った。
「ところで結局ばれちゃったの?」
「もちろんばれて怒られたよ」
伊里奈の問いに僕が肯定する。仲良く過去のお父さんのエピソードに花咲かせていたがお母さんが邪魔をする。
「で、今回は誰が食べての?」
「お父さん」
僕が迷わずそう真顔で答える。しかしその答えはお母さんによって一蹴される。
「お父さんはいないでしょ」
僕は反論できなかった。いや、そもそもお父さんを犯人にした時点で自白しているのも同然だった。
お父さんはもうこの世にいないから。
次回最終回!
犯人は一体誰なのか!
プリンを食べた犯人がついに暴かれる!