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第4話 ポーカーの神
「あぁ、アレッシィ。今日も来たんだね。
ちょうどゲームが終わったところだよ。」
ロゼはにこりと笑って俺を歓迎してくれた。まるで弱者をいたわり救済をほどこす、神のような慈悲を感じさせる笑顔だ。しかし両脇には先ほどの男から奪ったであろう大量の金貨が積まれている。これほどまでに信用ならない笑顔はない。
俺はこの男の危険さを知りつつも、ずかずかとロゼに歩み寄っていった。
「よぉ、ロゼ!今日もたんまり稼いでんじゃねーか。ちょっとくらい俺に分けてくれてもいいんだぜ?」
「言うね、アレッシィ。ゲームもなしに金貨を渡すなんて、俺が許しても周りが許すかな?」