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前世の幸福ポイントを使用してチート冒険者やってます。  作者: サツキ コウ
第2章 王都にて
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第24話 活動開始

 冒険者ギルドでの講習があった翌日、僕は冒険者として初の依頼を受ける為にギルドへやって来た。


 先日の講習での事があったせいで、ギルドに顔を出すとちょっとした騒ぎになったが、大事になる前にジェイクさんが場を鎮めてくれたので、僕は記念すべき最初の依頼をゆっくりと選ぶことが出来た。


 冒険者の仕事は大きく二つの部類に分けられる。

アイテム等の採取系とモンスター退治等の討伐系だ。


 採取系のクエストはほとんど命を落とす様な危険がない為、ランクの低い冒険者が資金と経験を積むには適している。が、その分報酬は低めな上に地味な依頼でもある。

 それに対して討伐系のクエストは命を落とす危険が格段に上がるが、その為に報酬が高く、短期間で多くの経験を得る事が出来る。

 僕はCランクでもあるし、前回のクエストでの経験から、中級の討伐クエストを選ぼうと考えていた。(討伐系クエストはEランクの上位クラスになると受注が許可されるらしい)


はぐれゴブリンの討伐Eランク      ホブゴブリン3体の討伐Dランク

オークの群れの討伐及び撃退Cランク  コボルドの群れの討伐及び撃退Cランク

黒狼ブラックウルフの群れの討伐及び撃退Bランク

飛龍ワイバーンの討伐及び撃退Bランク  蜥蜴人リザードマンの群れの討伐及び撃退Bランク  


 以上が僕のランクで受注出来るクエストの内容だ。(自分のランクの一つ上のBランクまで受注出来る仕組みの様だ。)

 良く見ると王都の途中で撃退してテイムした 黒狼ブラックウルフの討伐依頼があった。群れのリーダーがいなくなった事にまだギルドは気づいていない様だ。


 結果として、僕は飛龍ワイバーンの討伐クエストを受注する事に決めた。

 目的は 飛龍ワイバーンをテイムして配下に加える事だ。

 僕は冒険者としては一応 単独ソロという事になっている為、これはといえる仲間を得るまでの戦力になる魔物を配下にしておきたかった。

 現在いるテイムモンスターの黒狼は戦闘力はあるが、諜報活動用にテイムした魔物だった。

 これに 飛龍ワイバーンが加われば当面は安心出来ると思ったからだ。

 それに黒狼と同じBランクに位置づけされているのなら僕一人でも大丈夫だと思えた。


 僕は依頼書をボードから取り外して受付にいるジェイクさんへ渡して手続きを頼んだ。


「おいおい。こりゃまた初依頼にとんでもない物を選んだものだな」


 ジェイクさんは僕の持ってきた依頼書に目を通すと、僕の予想通りの反応をしてくれた。


「あまり大きな声を出さないで下さい!

 また注目されてしまいます」


「まぁ、本来なら条件を満たしているとはいえお前さん様な子供1人には危険度の高い依頼は受けさせないんだが、この間実際にお前さんの実力の一端を見せて貰ったからな。しかもお前さん。まだいろいろと実力を隠しているんだろう?

 この前の模擬戦では俺もほとんど実力は出していなかったが、それでも新人らしくない余裕が感じられたからな」


「まぁ、それはまだ企業秘密です。

 あまり注目を集めすぎるといろいろと面倒ですから、ここだけの話という事で、依頼クエストの受注と、例の特殊アイテムを戴けませんか?」 


 僕は小さな声で言うと、ジェイクさんの前にある依頼書を更に彼の手前へ押し出した。


「まぁ、良いだろう。キースから報告も受けていたしな。

 だが、くれぐれも気をつけるんだぞ。なにしろ獲物は飛龍ワイバーンだからな。

 お前さん他に仲間もいないようだし、現地へ行ってみて駄目な様なら意地を張らずに戻るという選択も考える様に!引き際も大事だからな」


「キースさん達の事を知っているんですか?」


「ああ、あの人達は俺の親父と冒険者仲間だったからな。

 俺も世話になったもんだ」


「世間は狭いんですね。

 判りました。せいぜいあの人達の迷惑にならない程度で頑張って来ますよ」


「それとこれがお前さんのアイテムボックスだ」


 僕はジェイクさんにベルトの付いた鞄を手渡された。


「これがアイテムボックスですか?

 一見普通の鞄の様ですが?」


「確かに見た目は普通の鞄だがな。

 そいつにはギルドが独占している特殊な加工が施されていて、収容出来る容量はなんと荷馬車一台分程はあるし、登録された人物以外は中にあるアイテムは取り出せない仕掛けになっていて盗難防止は完璧という優れものだ。

 一応言っておくと、収納する事は誰でも出来る様になっていて、ランクアップする毎に容量は倍に増えていくんだ」


「それは凄いですね。

 これがあれば家とか要らないじゃないですか」


「まぁ、実際独り身の冒険者の中にはそういう奴もいるが、仲間や恋人が出来たりすると、やっぱり共同で使える拠点はあったほうが良いぞ」


「成る程。その通りですね」


 僕はジェイクさんに言うと、今回のクエストの準備をする為にギルドを後にした。


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