第9話 ルークの作戦
ルーク達は 鬼の王の出現で距離を取って警戒した。
「予想してはいたが本当に 鬼の王がいるとはな」
年長者の戦士が言った。
「 鬼の王も厄介ですが、大鬼の存在も脅威ですよ。」
年長者の仲間らしき剣士が続いて発言した。
「ここは戦力を分散して戦いましょう。
幸いここには五組の冒険者のパーティがいますから、 鬼の王を二組で牽制。残りは 大鬼を一組で一体討伐し、最終的に全員で 鬼の王を攻略すると言う作戦はどうでしょうか?」
ルークが年長者の戦士へ提案した。
「了解した。
鬼の王の牽制役の片方は俺のチームが引き受けるが、残りは何処のチームに任せるか?」
年長者はそう言うと、他の冒険者達へ視線を送った。
皆、鬼の王の危険性を知っている為か、それとなく視線を逸らしている。
「ここはこの作戦を提案した手前、俺達 蒼い牙がご一緒しましょう」
あまり時間の無い状況だったからか、ルークが年長者へ応えた。
「いいだろう。
では他の者は作戦通りに出来るだけ早く大鬼を討伐して俺達に加勢してくれ!」
年長者が他の冒険者へ指示を出すと、皆が作戦通りに行動した。
「ったく、兄貴の御陰で貧乏クジ引かされたな」
ルークの隣でマイクが愚痴を零す。
「そう言うなって、どちらにせよ 鬼の王とは戦わないといけないし、大鬼を倒してから戦うよりはいくらかましだと思うぞ」
ルークはマイクの愚痴に応えると、鬼の王の周りにいた最後のゴブリンを仕留めた。




