…テンプレ?
光が収まった。
「なんだったんだ?」
目を開けた時、周りに居たのは中村、高宮、佐竹、そしてーー
数人のおっさんだった。
「おぉ、勇者様、どうか我らをお助けください」
「困っているなら助けましょう!」
おいちょっと待て。何でこっちの意見も聞かずに高宮が即答してんだ?別に正義感を否定する気は無いがもはやウザいレベルだな。中村も苦笑いだぞ。しかもよく見たらここ教室じゃないし。
「待て高宮、とりあえず落ち着いて周りをよく見ろ。それで?何があったんですか?」
おぉ、さすが佐竹。あの高宮を黙らせて、冷静に事情を聞き出すとは。自称クールなだけあるな。
「はい、実は一週間ほど前に、《魔獣》と《魔族》の王を名乗る『魔王』という者から手紙が届きまして…」
…わざわざ手紙を送ってくるなんて律儀な魔王も居たもんだな。ちなみに手紙の内容はこんな感じだった。
拝啓 人間族の王様
前略、この度『魔王』に就任しました、ディスペル・デーモンと申します。
私の目標は《人間界の征服》なので、宣戦布告のため、手紙を出した次第でございます。
それでは、お身体にお気をつけてお過ごしください。
敬具
…なんか、突っ込みどころが多すぎて困るんだが。とりあえず気になった事を質問しよう。
「《人間界》って何ですか?」
「はい、《人間界》とは我々人間が主に支配している大陸です。もう一つ、《魔族》が支配している大陸を《魔界》と呼んでいます」
なるほど、じゃあこの世界には大陸は二つしかないのか。
「あの…私も質問です。『人間族の王様』と書いてありますけど、人間に王様は一人だけなのでしょうか?」
確かに言われてみれば『人間族の王様』なんてまるで王様が一人しかいないような言い方だな。
「それについては儂が説明しよう!」
うわっなんか王冠かぶったノリノリのおっさんが出てきた。…ん?王冠?ってこの人王様なの!?
「王様!あなたは後ろでじっとしていてくださいと言ったではありませんか!」
「いーやーじゃー!儂も話がしたいー!」
…この世界の人間は大丈夫なのか?
変な所で切ってしまった…話が進まない。