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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

宰相の憂鬱

作者: ニコ

 私、ソニアはガランド国の宰相を務めている。女性で宰相を務めるなんて、と思うかもしれないが、この国では職業は男女平等で選択の自由もある。まあ、私の場合は家系が代々宰相を務めているのである。私は小さい頃から、宰相を務める父の姿に憧れて、この地位まで上り詰めた。代々受け継いでいるからといって、父の次の代が100%私になるとは限らない。この国は実力主義でもあるので、いつでも力あるものにとって代わられる可能性があるのだ。ハーランド家が皆、努力の人だったに他ならない。もちろん、私もその一人。よって、王や国民からの信頼も厚い。

 

 ちなみにこの国では、第一子が家督を継ぐことになっている。男女の優劣はない。ので、長女である私がハーランド家を継いでいるわけだが。………だがしかし、私は25歳になった今でも行かず後家。家を継ぐ立場にある私は本来、婿を取るべきであるのだがそれも未だに候補すらいないし、そんな話、煙も立たない。


 なぜ?!超優良物件なのに!王に一番近い地位を持っていて、金もあり、ちょっと結婚適齢期を過ぎてしまったけれど容姿も悪くはない(と思っている)。


 王と国民に、私の全てを捧げて25年。気が付いたら青春なんてとっくの昔に過ぎてしまっていた。宰相に成り上がるまで、勉強勉強、また勉強。そして文官になれば、上司に学び、腐敗と戦い、舌戦に肉弾戦に呪殺暗殺の日々。

 無能な役人を鞭で叩き、結婚が嫌だと抜かす王(19歳)を後宮に放り投げ、後宮やメイドや貴族の子女からの嫉妬に倍返しをする日々。


 


 あぁ、だからか~いつの間にか付いた私の二つ名が『氷の茨』の宰相、だってか~




 ってふざけんな!!「氷」で「茨」なんて、すごい殺傷能力じゃないか!要するに、冷たくて残酷、近づいたものは血を流すことになるだろう、という人物像なわけね私。まるで魔族じゃん♪…いいとこなし!だから私に言い寄る人間が、男女ともにいないのね。ちなみに女友達もいない私。寂しすぎる。


 

 なんで私がこの二つ名の存在を知ったかというと、メイド達が私の悪口を言っている横を偶然通ったから。ではない。何かと執務室で政務をしていると邪魔…じゃなく進行具合やなんやかんやを確かめに来る我が王が言ったのだ。


  「お前が巷で何て言われてるか知ってる?『氷の茨の宰相』だってさー。いや~、お前にぴったりだよね……………etc」



 ホント毎日毎日執務室に来ては、机に向かっている私の正面に頬杖をついてなんやかんやくだらな…じゃなくお話をされるので、いつも適当に聞き流している。のでその時もいつもと同じように、ハイハイ、と受け流していたら、そんな殺生な~摂政なだけに。となったのだ。後で、お前さんは宰相じゃろが!と乗りツッコミをしてさらに落ち込んだ。


 『氷の茨の宰相』って、とツッコミどころ満載な二つ名のせいでそのあとに続く王の話なんか聞いちゃいなかったけど、まああの人のことだから碌なことは言わなかったと思う。



 宰相になったことを後悔したことは一度もないけど、人生を捧げて国を寄りよくして行こう!と突っ走ったきた結果が、『氷と茨』かー、と思うとその時がっくしきてしまった。国民にも、相当な女傑だか女男だかとか思われてるんだろうなーとか。



 最近ではもう、自分で結婚して後継ぎを産むことは諦めている。そうだよ、私は宰相に任命された時誓ったのだ。

 


  「私の命は王に、私の子供は国民と」と。


 

 私には年の離れた弟(18歳)がいる。クリスと言って、騎士団の団長を務めている。えっ?貴方が私の王子様?というくらい光り輝く美男子だ。その上明るく、誰にでも優しいし紳士。男女共に慕われていて、私とはまるで正反対のよく出来た弟なのだ。


 

 まだ結婚はしていないし、彼女のことも聞かないから居るのか解からないが、クリスの子供を養子にして私の後を継がせよう、と考えている。それをクリスに言ったら、「私には昔から好きな人がいます。その人としか結婚は考えられない」とか言っていたので、もう私の野望成就の時は近いんじゃないかな?と思っている。

 だってクリスに好きと言われて、断る女子はいないと思う。



 ちょっと可愛い女子を目指そうかな、とピンク色のドレスを新調してみたけれど、変質者にしかみえなかったので止めました。というか、もう女子と言う年齢でもないし。


 というわけで、髪の毛をピッチリまとめて今日もビシッと黒い、体の線に沿ったドレスに身を包みローブを羽織って、出勤です。これが私の戦闘服。



 『氷の茨の宰相』の名に恥じぬよう、宮殿に潜む魑魅魍魎のような役人と、嫉妬に塗れた女怪、邪魔な王を千切っては投げしてきます!



 

王は宰相が好き。だから執務室で好きアピールをしているつもり。でも邪魔としか思われていない。

実は、血の繋がっている弟クリス君も宰相が好き。結婚したい、とは宰相のこと。ヤンデレにしたかったけど、力尽きてしまった。


宰相

 髪はプラチナ、目はアイスブルー

 いつも無表情なせいと、並はずれた美貌のせいで近寄りがたい雰囲気を持つ。

 けれども本当は優しい、そのギャップがステキ!と女性にお姉様になって欲しいとすごく人気。親衛隊が密かに出来ている。

 男性は、支配されたい!鞭で打たれたい!女王様!!という特殊性癖を開眼させた兵が多い。

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