第六話 実験 〜Experiment〜
前回の魔軍創成は?
絶望の中、僅に残された希望
それからは、早かった。
基礎理論や応用理論、専門的な知識は餅は餅屋と言わんばかりに、ガンじぃに丸投げして(それを構築出来るあたりこのじぃさんもチートだな)俺たちは、必要だと思われる資源の確保に奔走した。
そして魔王城の一画に【研究室】兼【実験室】が、出来上がるのだった。
「それじゃ、試運転といきますか?」
「たぶん、大丈夫じゃ!」
なんだか、不安になる事を言うガンじぃを無視して
「誰が入る?」
「私は、遠慮させて頂きます。」
「俺もパスだな」
「うむぅ、仕方なし」
ふようねとミミズが前に出る。
「1人じゃ融合出来ないだろう!」
ついつい声を荒げてしまう。
「それじゃ、城の近辺で、魔獣なり魔物なり連れてこよう」
「600年前の勇者が、殺し尽すとるよ?」
ガンじぃが、何を言ってるんだと答えた。
「ダメじゃん!振り出しに戻った?」
もう、どうしろと言うんだ?
今までのテンションがだだ下がり、全てが嫌になったその時、
「ぐきゅるるる〜」腹の虫が鳴った。
こんな時でも腹は減るんだな。
「今のは何ですの⁈」
エルが、ビックリしたんだろうこちらを見る
「主そういや、飯を食わなくて大丈夫か?」
そう言えば、こちらに来てなんだかんだで食事を取った記憶が無いな。
そう考えたら余計にお腹が減ってきた。
(『本体の加護で餓死をする事は無いですが、身体の負担を考えるなら、経口摂取をお勧めします。』)
ナビィが、警告してくる
「食事をしようにも、材料が無いから作れないし、どうしよう?」
俺がそう言うと、
「隠れ里に案内するかのぅ?」
ガンじぃが、意外な事を言って来る。
「隠れ里?」
「ええ、我が君が戯れで助けた者達が住まう村がこの近くにあるわ」
エルが答える。
「かなり強力な結界を張っていたから、勇者にも荒らされて無いのどかな村だ」
フィリーが答える
「そこでなら、食事も出来るだろう」
ミミズは、食事中は遠慮願いたい。
そう思ったらドゴラゴスが、急にいじけ出した。
(あれ?思念の共有繋がったまま?)
(『はい、繋がったままです。』)
「嗚呼!ドゴラゴス一緒に行こう?」
「よろしいのか?」
なんだか、若干涙声の様な気がする
「もちろん‼︎みんなで一緒に!」
「な?」
こうして、その隠れ里に行くことになった。
生きている限り、腹は減る。
隠れ里にやって来た主人公達には、
何が待っているのか?
次回、
名案 〜good idea〜