第十四話 覚悟 〜readiness〜
前回の魔軍創成は?
特殊究極進化
スライムの暴走
逃げてぇ〜!超逃げてぇ〜!
妖魔の森から直進しながら、【時獄門の番人】は進路上の集落やらを襲う、
逃げ惑う者、必死に立ち向かう者、諦め死を受け入れる者、絶望と恐怖の中を、器用に腕を使い、人間を捕まえては、自分の口にと運ぶ、
バリバリゴリガリバキクチャ、
グチャグチャゴクン、
うん、食ってる
俺は目を逸らさずその様を観続ける。
あの怪物を産み出した母胎として、
「主辛かったら見無くていいぜ?」
フィリーが心配そうに声を掛ける。
「ゆかり、疲れているのだから、休め」
ドーゴが少し強めの声で休息を促す。
「ゆかりには、見るのが辛いでしょ?」
エルが顔を覗き込んでくる。
「ひゃははは〜!」
ガンじぃがモニターの前で燥ぐ。
本当に、このじじぃは何とかしないとなぁ###
「フッ!」短く息を吐く
「皆、有り難う、でもこれは、俺が決めたから」
左手薬指から腕へ、胸の刻印に至り手を置く、
「魔王は勿論、お前らと共にいきたいから」
そう言いながら皆を見ると、一瞬驚いた後、
「後戻りは出来ないわよ?」
エルが悪戯っぽく笑う、
「魔王に召喚された時点で後戻り出来ねぇよ!」俺も笑う。
「主本当に良いのか?」
フィリーが心配そうに聞いてくる、
「良いも悪いも、魔王の花嫁だしな!」フィリーの肩を叩く、
「辛くて厳しい道だぞ?」
ドーゴが強い眼差しを向けてくる、
「だから助けて欲しい、よろしく頼む」俺も見つめ返す。
「覚悟を決めたんじゃな?」
モニターから目を離さず、ガンじぃが語り掛けて来る。
「【怪物】を産んで、食べられて、色々考えてさ、俺は殺され続ける存在ってヤツから、魔王を助けたい、そう思ったんだ。」
一瞬の沈黙、そして笑い出す4人、
「悪いか!」口を尖らす。
「いや、改めて、よろしく!主様!」
「頼もしくなったわ、My Lady」
「我が剣と盾は、貴女を永久に護らん」
「わしの智恵と智識が、主君の道標に成らん事を」
俺は満足して頷く、
こいつらと、魔王を復活させる、
その後の事はまた考えれば良い、退屈はしないはずだと、そう思ったんだ。
さてと、こっぱずかしいのは、この辺にして、状況の確認、確認、
(『照れているんですね?』)
ナビィさんそっとしといて、
「ガンブルドフ、状況は?」
「うむ、もうすぐじゃ、魔術連盟本部、この辺りで最大級の魔導都市【ケールニイス】、目と鼻の先じゃ」
その言葉に、他の3人が顔を見合わす。
「どうした?」俺が聞くと、
「「「魔術連盟って、昔にガンブルドフが追い出された所だ(よ)」」」
えっ?、ちょ、おまっ、おいじじぃ、それって私怨が混じってないか?
聞こえない振りしてんじゃない!
俺は汚物を見る眼をしながら事の成り行きを見守るしかなかった。
幻想都市それは煌きの中
災厄の襲来それは突然の悪夢
苦汁の下、主人公は何を思う
次回、
魔術 〜sorcery〜