第十三話 進撃 〜charge〜
前回の魔軍創成は?
初めての出産、
スライムが大はしゃぎ
「ひゃははは、凄い!凄いぞ!成功じゃ!大成功じゃぁぁ!」
モニターの前で狂喜乱舞してる、スライムジジィにドン引きつつ、状況の確認を取る。
「ガンじぃ、あいつはどうなった?状況は?」
「おおおぉ、ゆかりよ、見事な爆産じゃった。」
喧しい!上手くないからな!
「ふふ、お主わざと喰われたじゃろ?見てみよお主の魔素を吸収し更に禍々しく進化した姿を!」
そこには、全長が10m程の胸から上が内側からめくれ上がった何かがいた、
中心部分は、目や口が乱雑に張り付き、周りの肉は幾つも、めくれ垂れ下がり、その一つ一つに大小様々な腕が生えていた。
「うわぁ〜、アロエみてぇ・・・」
台無しだ。
だが仕方が無い、庭先に植えていたアロエに足が生えたみたいな形だった。
アロエの葉、一つ一つに腕がびっしりと生えている、そんな印象だった。
「え〜と、何これ?」
素直な感想だと思う、
「わしにも分からん、お主が産み出したんじゃろ?」
他の3人は、モニターから目が離せないみたいだ、
(ナビィわかるか?)
(『個体名【ヘカトンケイル】から、特殊究極進化した、特殊個体【時獄門の門番】です。』)
・・・・・・・・・、
・・・うん、最初から説明して?
「なんで!ゴブリンからそんなのが産まれるんだ⁉︎」
(『ゆかりの所為ですよ?過剰過ぎる魔素を与えた結果、因子【小鬼】が特殊変化【獄鬼】、【邪妖精】が特殊変化【邪神】、【闇属性】は変化しませんでしたが、そこへ【巨人】の因子が加わりました。』)
後はお分かりですね?と言わんばかりの勢いだ。
あれ?俺が悪いの?これ?
(『しかも産まれたての個体に、高濃度の魔素を捕食させましたよね?』)
うん、思い出すと、若干恥ずかしい、台詞を言ってたけど・・・。
(『高濃度の魔素と、ゆかりの加護の力、【ガンブルドフ】の特性【自己進化】、それらが連鎖的に反応した』チョットまてぇ〜!)
思わずナビィの台詞を遮ったわ!
俺に責任があるのは認めよう、だが、スライムジジィにも責任あるよな?
「何、勝手に変な特性組み込んでるんだ?」
「ん?言わなかったか?」
「言ってねぇよ!」
俺達が互に言い合っていると、エルが忠告してくる。
「言い争っている所悪いけど、この子どうしますの?」
モニターを確認すると、移動を始めた【ヤツ】がいた。
さて、どうしよう・・・。
「ガンじぃ、支配は出来そうか?」
「無理じゃ、暴走状態じゃからな」
「誘導は?」
「なんとか、可能じゃな、お主が【ヤツ】に喰われたおかげで、わしの一部が体内に残っている。ナビィと共になら・・・」
「・・・・・・、なら、あいつのいる周辺で、1番大きな都市に」
「良いのか?」
4人が俺を見てくる。
俺は1人1人、目を見つめ返す。
「ああ、どの道避けては通れないだろ?それに見てみたいこの世界の人間の力」
600年前、魔王を倒した勇者は、今は居ないだろう、けど、人の可能性が変わらないなら、
「見せて貰おう、異世界人の強さというものを」
飢えを渇きを満たす為、
人間を喰らい続ける
それを見た主人公は何を思うのか
次回、
覚悟 〜readiness〜




