第十二話 進化 〜Evolution〜
前回の魔軍創成は?
ヘルプロレス
猿の威嚇
閲覧注意!
【グロ】【スプラッタ】【流血】等の表現が出てきます。ご注意下さい。
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メキメキメキメキ‼︎
下腹部が異様な音を立てて膨れ上がる。その度に激痛に襲われ恐怖が沸き起こる
「え?おい!どうなってる?」
パニックになりかけているのを自覚しているが、俺の腹は絶賛膨張中だ。
さらに、ドクン!ドクン!ドクン‼︎と脈打つ
「くっ、あぁ・・・、どうなって・・・」
(『緊急事態!予測以上の魔が、顕現します。』)
ナビィが凄く慌てて声を荒げる。
そんなに強力な魔物がゴブリンの種子からなんで、
声に成らない声で叫ぶ、違う生き物の様に膨れ波打つ腹、痛みの余り意識がとびそうになる、
ぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶち‼︎
肉を突き破る嫌な音を響かせ、何かを掴もうと虚空を描く何本もの腕が現れる。
「かっ、ふぁ・・・」
内臓を損傷したのか、大量の血が口から溢れる、その血が気管を塞ぐ、息が出来ず苦しさに身を捩る
「がぁぁぁぁ・・・、ゲフッ、ゴッカッ・・・」
気管の血を吐き出す、ヒュー・・・ヒュー・・・と息が漏れる。
最早、下半身の感覚は無くそれでも、腹は脈打ちながら大きくなる。
3m程の高さに膨らんだ腹が一瞬、静かになる。
ばぱぁぁぁぁぁぁん!!!!!
弾けた!
そこには、異様な姿の巨人が立っていた。
身の丈は5〜6m、幾つもの顔、無数の腕、肌は黒く、その異様さはなんとも言い難かった。
奴と視線が交わる。
(あぁ、産まれたばかりで、お腹が空いているのか、いいぜ・・・、来い!)
胸から下が無い状態でよく生きていられるなと、見当違いな事を思いつつ、
奴が近づいてくる、俺を摘み持ち上げる、口を大きく開く・・・。
自分が化け物を、魔物を産み出した事を今ようやく実感する。
俺は怪物に叫ぶ、
「自らを産み堕とし母胎を喰らいて力と成せ‼︎」
怪物が歓喜の為か口元を釣り上げる、迫り来る闇に視界が覆われ・・・、ゴリッ!
硬い物が潰れる音を最後に意識がとぶ・・・、
「ぐぁぁぁ・・・、」
ハァハァと肩で息をする、出発した時と同じ部屋、エル、フィリー、ドーゴが、駆け寄って来る。
ガンじぃは、モニターの前で大はしゃぎだ。
「ゆかり、何処か痛い所は無い?」
「主人無茶苦茶だぜ?」
「あれ程無理はするなと言っただろう?」
「あぁ、悪ぃ、心配を掛けた。」
3人へ笑顏を向け安心させる。
「所で・・・、あのジジィは後で殴って良いよな?」
「「「気の済むまで、好きなだけ」」」
3人が答える。
ジジィへのお仕置きは後回しにして、ことの顛末を見届ける為に、モニターの前に移動した。
産まれたばかりの赤児は飢えていた
本能に従い動き出す。
次回、
進撃 〜charge〜




