第十話 母胎 〜uterus〜
前回の魔軍創成は?
主人公はどこにでもいる普通の男性、
ただ一つ違うのは、
魔王の花嫁だったのです。
結局、俺が母胎になる事に決まった。
あれやこれやと反論したが、悉くガンじぃに諭される。
理路整然と論破された。帰りたい・・・。
四天王1の知恵者に口で勝てる訳が無かった。
あと、決定的なのが、加護だった。
魔物を強化できる力を無駄にしない為にもと、4人に説得され続けたら、仕方ないじゃ無いか。
だが、転んでも唯では起きない、
俺のゲーム脳が火を吹くぜ‼︎
出来るなら手当たり次第の運ゲーにしたく無かったので、強力な魔物に出来るよう操作出来ないか?と思いガンじぃに聞いてみた。
「ふむ、そうじゃなぁ・・・、うむ、因子を操作できればあるいは可能かも知れんな?」
「因子?なんだそりゃ?」
「魔物や精神生命体を形創る要因じゃ、世界に顕現する時に必要になる」
それは、世界の法則
物体を構成する要素、
より良い因子なら高位の存在に、
逆なら、良くて降下、悪ければ肉腫
(それを操作出来るか?ナビィ?)
(『ゆかりが母胎に宿るなら可能です。』)
結局そうなるか・・・、
覚悟を決めた俺は、ガンじぃとナビィと共に理論や術式の構築を行い、因子を操作できるようにしてもらった。
それから、母胎の製作に取り掛かった。
隠れ里の人にも協力してもらい、(この時貴重な因子を手に入れた)
ベースは【ハイエルフ】に魂を定着しやすいように俺の情報、ガンじぃの情報も入ったらしい。
自分の情報を入れた理由が、情報収集がしやすい為らしい何処まで自分勝手なんだと抗議したら、
他にも種子の定着を助ける為とか、治癒力を高める為とか、色々言っていたがあの目は完全に狂気探究者そのものだ。
そうやってバタバタと過ごし、ついに母胎の第1号が完成した。
フレスコの中で浮かぶ綺麗な女性、今からこの人に入るのかと思うと、複雑な思いだ。
「心の準備は良いな?今から術を掛けるぞ?」
祭壇に寝そべった俺にガンじぃが、声をかける。
「いつでもいいぞ!」
そう返答し暫し待つ、すると体の周りを何かが覆いだす。意識が遠のき落ちる。
・・・、
夢を見てるみたいだ、自分と世界が混じり合う感覚
(『ゆかり!しっかりして』)
ナビィか?大丈夫初めての感覚に戸惑っているだけだ。
遠くから声がする
「主!今から妖魔の森に転送する、ゴブリンに接触するのが第1段階だ」
「ゆかり、頑張ってね、私達が、ついているわ」
「何かあったら直ぐに身体に戻れるはずじゃ、しっかりな」
「ご武運を!」
4人の声援を受けて俺は、森に送り出された。
主人公は魔王の為、
己に課せられた使命を全うする。
次回、
受胎 〜conception〜




