偶然で必然の出会い
「この能力の事は口外しないように。能力の行使は論外です。」
そう校長に言われ、彼は部屋を後にした。
「くそ、どうすんだよ」彼に珍しく苛立ちを見せていた。
あの能力は彼が意図的に使った訳ではない、無意識の内に使用していたのだ。つまり抑えられないのだ
彼が悩んでいると、不意に後ろから声がした。
三神 ではない。声が高すぎる。「誰・・・」と言い、振り返るとそこに1人の少女が立っていた。
美少女、といっても差し支えない。「肩まで伸びた黒髪?どこか見た気が・・・・」
そんな思考を遮るように、彼に硬質な物が向けられた。剣だ。
彼の驚愕した表情とは対照的な笑みを浮かべ、彼女は「私と勝負しなさい」と言った。
「無理。」俺は即答した。校長に言われたばっかじゃねーか。
彼女はうろたえる俺の心を読むように、「人目につかなきゃいいんでしょ。」と言った。
すると、彼女は急に涼の手を握り、「ついて来て。」と言い、彼と共に駆け出した。
美少女に手を握られる涼には男子の容赦ない冷徹な視線が降り注いでいた。
上級生の中には冗談半分に「リンチだな」と言う生徒もいたほどだ。
「冗談でいてくれー」俺は祈るような気持ちだった。
喧嘩では絶対に勝ち目はないし、能力を使っても数人がかりではどう転ぶかわからない。
彼の能力はまだ未完成なのだ。しばらく走り、ようやく人目のつかない洞窟のような場所に着き、彼らは歩みを止めた。2人とも息が上がっていないのはさすがだ。
「ここらでいいよね。」有無を言わせぬ彼女の声だった。
なぜか、書いていたはずのものが消え、書き直しでかなり無駄な部分を
削りました。
次こそ彼女の紹介ができると思います。