解明
「全く、納得いかねえよな。」三神は電話越しに開口一番こういった。
もちろん議題は今日の出来事である。
彼ら3人を襲った男は停学処分で済んでしまった。三神は「事を大きくしたくないんじゃないか。」
と言った。おそらくここで事件が大きくなると、魔術は危険。というイメージがついてしまう
からだろう。
高校としてもイメージダウンはまぬがれない。
一応納得できる理由だ。「これ以上の詮索はやめよう、想像でしかない。無駄だ」と言って
三神は電話を切った。彼に珍しく消極的な意見だ。
三神は涼の起こしたであろう技については一切聞くことはなかった。
あれに関しては、俺に詳細な記憶はない。曾祖父が出てきた所までは記憶があるが、
それ以降は、抜きとられたように、なくなっている。自我がなくなってからかも知れない。
ただ肝心のスペルは近くにいた三神が聞いていたらしい。
「majic prevention。魔法阻止か。」現実味のない話だ。魔術を使うだけでも信じられないが、
そんな高位魔術がつかえるとは。
翌日の始業式の後、涼は教師に呼び出された。
勿論、注目を浴びた。入学から1日で、呼び出されるのである。当然だ。
行き先は校長室だった。当然そこには校長が座っていた。
威厳のある人だ。校長よりも軍人と言ったほうが似合う。彼は低い声で
「短刀直入にいう、君の発動した魔術は、広範囲術破壊系だ。」彼は漏洩を心配するようにいった。
事実、これはそれだけの術なのだ。魔術師の術を唯一防ぐ術なのだから。
よって1人で、戦局をひっくり返すこともできる。最強の切り札。
当然、他の国からすれば、暗殺してでも潰しておきたい人材だ。
俺は半ば予想していたとはいえ、声が出なかった。
俺は少し経ち「そうですか。」と言った。
説明にページをとりすぎた、と後悔しています。
つぎこそ、ヒロイン登場します。