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シフト  作者: 鳩梨
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捜索ごっこ(始)

 あー……頭がふらふらする。

 ダメね。長い時間お風呂に入ってちゃ。まぁ、これはのぼせる度に思うのだけど、なんでか活かされたためしがない。まったくない。もう一度言ってみる。全然無い!

 ……あたしって鳥なのかしらん?

 なんて、致命的な打撃を受けた自分をさらにいじめてみる。思わず根暗臭い笑いも零れてしまいそうだ。

 カナエちゃんとあたしの胸の差はランク一つ違い。鯖を読んで四捨五入したりとかすればなんとか同じになるけど、正確にあらわすなら僅差で違う。

 言うまでも無いことだがけど、正確な数字はここでは割愛させてもらう。あたしはモモのような嗜虐趣味はないのだ。

 さて、ご飯も食べた、お風呂にも入った。とすれば後はもう寝るだけなのだが、今日ばかりはそうも行かない。

 なぜって、結局今日は朝からモミジちゃんに会えてないからだ。そのせいでカナエちゃんは捨てられた子犬のようにションボリしている。ただでさえ庇護欲をくすぐるのに、こんな雨の中の子犬のような雰囲気を全放射されるとさすがに黙っちゃ居られない。

 さっきお風呂でカナエちゃんの気をまぎらわせてあげようとしたけど、やっぱりあたしなんかじゃモミジちゃんの代わりなんて言う大役は務まらない。大切な人の変わりなんてのは誰もなれないのだ。ましてや、それがいつも一緒に居るほど仲のよい親友とかなら尚更。

 『パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない』なんて台詞があるけど、そう言う問題ではないのだ。確かにただお腹一杯になりたいだけなら別にパンじゃなくたっていいだろう。お菓子と言わずいっそ水を飲むだけでもおなかは一杯になる。けど、お菓子はどこまでもいってもお菓子でしかなく、それはつまりあたしも同じだ。あたしは同室の先輩で、モミジちゃんは大切な親友。

 別にさっきのことを引き摺って卑屈になっているわけではない。そりゃ泣きたいほどに悲しいが、そこはそれ。持ち前のソノちゃんマジック必殺の開き直りで潔く無視する。そうとも、栄養が身長にも胸にも活かされていないというこの寂しく悲しい現実は、今はこうポイっと捨てておく。……実は女の子として深刻な問題じゃないかしら、これって。

 ――だーから、今は! それは! 虫! 違うっ! 無視! 蒸し餃子が食べたい!

 冗談はさておき。あたしはカナエちゃんやモミジちゃんの友達のつもりだ。

 なら、あたしは困っている友達を前にどうすべきか。

 簡単。

「カナエちゃん、モミジちゃんを探しに行くよ」

 お風呂から帰ってきてもまだモミジちゃんはいなかった。モミジちゃんと同室の子に訊いたけれど、クラスが違うらしくてよくは知らないらしい。とりあえず、帰りが遅くなるとは聞いたらしい。

 カナエちゃんはあたしの突然な提案にキョトンとしている。

 うん。まぁ、そうだろうね。なにせ今部屋の鍵開けたばっかりだもん。探しに行くならなぜ開けたって感じだよね。 しかし、そんなことは些細なことなのだ! 思案にくれるあまりついうっかり開けてしまったことなど!

「さ、モミジちゃん探しにれっつらごー」

 誤魔化すた――げふんげふん。あー士気を高めるためにもあたしはそう高らかに宣言しつつ、カナエちゃんの手を引いて部屋を後にしたのだった。


 ――と、思いつきと勢いだけで言ってみたものの。

「アテなんてないのよねー」

 お友達の少ないあたしは、よくカナエちゃんモミジちゃんコンビと行動を共にしていたけど、そのほとんどが室内なのでモミジちゃんがどこに行きそうなのかがまったく見当がつかない。

 モミジちゃんは基本的にカナエちゃん至上主義な感がある子なので、その行動のほとんどはカナエちゃんの意思が優先されている。そのカナエちゃんはカナエちゃんでどうにも出不精な感があって自分の部屋から出ないし、たまに出ても隣のモミジちゃんの部屋だし。

 むぅ。考えてみるとこのミッションって難易度がすごく高いような……。てかいつも一緒なカナエちゃんが見つけられてないんだから、新入りのあたしが一緒になったところで結果は変わらないんじゃ?

 いやいや、いかんぞ椎本苑! そんな後ろ向きなこと考えていると得られる結果も得られないではないか。あたしの基本は常に右斜め前向きなはずだ! 常人ではちょいと思いつかないような斬新かつエキセントリックな妙案でもって他者との一線を画さねば。

 と、そんなことを考えているとクイクイ、と服の袖を引っ張られた。ちなみに、今の服装はあたしもカナエちゃんも私服。あたしは長袖のTシャツにホットパンツで、カナエちゃんはサイズが大きいらしくちょっとぶかぶかな蜂蜜色のパジャマ。いつ見ても思うのだが、この凶悪なかわいさはどうにかならないのだろうか。そうそう居ないぞ、ここまでパジャマが似合う子って。

『聞き込みが捜査の基本!』

 カナエちゃんはホワイトボードにそんなことを書いていた。ん、まあ、色々思うことはあるのだけれど、確かにこの手掛かりがまったく無い状態では聞き込みくらいしかないだろう。

 しかし、あたしは考える。

頭では理解しているのだ。それが現状取れる唯一の手段で最善の策であると。けど、あたしは、椎本苑はそれを良しとはしたくないと考えている。

なぜなら――

さっき奇抜な妙案を立てると決意したばっかりだし。

むむ。ここは悩みどころだ。あたしのアイデンティティを優先するか、モミジちゃんの早期発見を取るか。

 考え込むあたしを、カナエちゃんがなにやら不安そうに見てくる。ホワイトボードを顔の位置に掲げ持っているから顔の上半分だけ覗いているのだが、それがまた狙ったようにかわいらしい。他の奴――それこそ中学の友人連中なんかがこんな仕草しようものなら笑ってキモイとか言う所だけど、カナエちゃんはこれを素でやっていてそれが他人にどう映るかわかっていないっぽいから素直にかわいいと思えてしまう。

 その上末っ子で上は居れども下のいないあたしには、カナエちゃんみたくかわいい妹がほしかったりするんだな。ああ、兄貴たちの気分がわかった気がする。

「ぃよし! 聞き込みまくるよカナエちゃん!」

 あたしはいとも簡単に自らの決意とアイデンティティを、ボレーシュートで明後日の方向に蹴り捨てた。

 いや、だってほらお姉ちゃん面してカナエちゃんの好感度上げときたいじゃん。それに、妹扱いされたことは日常茶飯事でも、妹扱いできるなんて新鮮で、そうそうないしね。


えと、ホント大変長らくお待たせして申し訳ありませんでした。

言い訳臭いですが、一人暮らしやまったく慣れない職種の職業についたりとか、親が離婚したり親権がどうこうとか……。

何より、パソコンが手元に無いしネット環境整ってないし! 工事費から何から何までなんて出せるかーーーっ!!


ぜはーぜはー。し、失礼。

ともあれ、これからはどうにかこうにか更新していきますので見捨てないでやってください。

長々と失礼しました。

んでは、続きをどーぞー!

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