表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LuruGeo  作者: 池田コント
15/99

第14節 先生は気づかれない

「まぁ、一段落ついたところで、探しに行くぞ」

「え、今からですか? これから授業がありますけど」

「そんなことよりオレの大切なものを見つける方が先だ! ルル、男に二言はなかろうな!」

「は、はいっ! ルル、男の子ですから、二言はないです!」

「ちょ、ちょっと、二人ともぉ!」

 ジオとルルとコリーが列になって教室を出て行こうとするところに立ち塞がるのは、首があらぬ方向に曲がったノートン。

「なんだ、ゴシップ」

「いいの? ジオ君。単位取れていないんだろ? インターン選抜も半年先に迫っているのに、授業サボったりしていいのかな?」

「うるさい、そこをどけ」

「はいはい、どくよ。どきますよ。万年劣等生、最年長落第記録更新中のジオ様のお通りだ。そこのけ、そこのけ。長老がお通りなさるぞ」

「……てめえ」

 にわかに場が緊張を含む。ジオとノートンが対峙し、誰もが金縛りにあったように動けない。ノートンはニヤニヤと笑って、

「だって、本当のことだろう? がけっぷちジオ。実技も、筆記もアリアンロッドやウェルへミニの方が優秀だ。君が今年本院に進学できる確率は、サルが学生になるより低いぜ」

 現実を突きつける、茶化した挑発。

 浮かぶ冷笑は、勝利者のよう。

 瞬間、ジオの拳が軽薄な噂好きをたたき伏せた。

「あの……ノートンさん、なんだか泡吹いて痙攣しているみたいなんですけど……」

「あいつ、そういう趣味らしいぞ」

 こうして、ジオたちは授業を早退した。

 案外平然と受けとめているクラスメイトたちと、死にかけた蟹みたいになっているノートンと、

「……えと、授業始める前に、誰か保健の先生呼んできてくれる?」

 完璧に無視されていた担当導師オラデッティオ先生を教室に残して。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ