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蒼の罪人  作者: 木つつき
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【第1章】第5話 情勢

___待合室にて。



ギルド職員がざわめき出したのを遠くで感じる。

ティアのスキルが分かった、だけでなくレアスキルだったに違いない。

と、ギルは感じていた。


新しい罪人がギルドに案内された際には、酒場にいるヤツらもスキルを期待して人を呼び集まってくる。


どういうヤツだった?スキルはまだか?


と口々に聞こえる野次馬の声は新しいメンバーへの期待が込められていた。







……蒼の情勢は悪化している。

ギルは前回の対立で紅の方に強力な魔力を感じてからの形勢悪化が激しくなったのを実際にその場にいて体験している。



(恐らく範囲魔法での体力系強化の魔法保持者が回収されたんだろうな……。)



その後敗戦、それによって帰還装置が奪われる事になるのは最悪の状況だった。

一方的な暴力。撤退を余儀なくされ、蒼は敗退した。



(あれを無効化するスキルなら、蒼にも勝機がある。)



蒼と紅の戦争は1年に2回、必ず開始される。

ギルが来る以前より、古来から決まっているようで、

何故そうなったかは今生きている蒼の者達の中に分かるものはいなかった。


戦争の開始の合図は、()で決まる。

星空に見える相手側の紅のゲートが巨大化し、

大きな円のようにわっかが塗りつぶされるかのように全体的に赤色に光り出す。


そうなったら戦争準備をしてゲートへの転移装置で向い、その先の戦争区域で争いを行う。


これだけ聞けば親善試合みたいなものだ。

だが実際は縄張り争い。

1年に2回行われる戦いで、先に2勝した方が勝利。

縄張りの一部を明け渡さなければいけない。

渡す内容は土地であったり、資材だったり、人材だったり、勝利側の要求にもよる。


今年は惨敗、紅側の勝利になり2敗。


蒼にしか存在しなかった地球への帰還装置を要求され明け渡す羽目になった。




(蒼と紅との戦力には今まで明確な差はなかった。)



蒼の戦力不足、明らかに感じる人材の差が目に見えていた。

だからこそ今回はギル自身が回収に向かって確かめたかった。


蒼の救世主になるかどうか



ギルは自分の手の宝石に視線を向ける。




〈__……ギルのスキルは?〉




あの時のティアの言葉が頭に響く。




(俺の、スキルは……)




その時、酒場の入口で爆発音が轟く。


ドアが吹き飛ばされて破片が酒場の奥のベンチにいたギルの方にも飛んでくる。

爆風と熱気が遅れてきて、辺りは煙に包まれていった。



「よぉぉぉ!!負け犬ども!!よくこんな時に酒なんて飲んでられるよなぁ~!?」



ドスの聞いた煽りに特化した粘る声。

酒場にいた誰もが思った。



(……面倒な奴が来た。)と。



.

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