理由
結論から言うと、そもそも追放ざまぁ系は長期連載に向いてないからです。
追放ざまぁ系の最大の特徴は山場を序盤に持って来れる事だと思います。
通常の作品で盛り上げる為にはまず主人公の掘り下げ→世界観の説明→脇役や敵役の掘り下げ等の手順を踏む必要があります。なのでジャンルによってマチマチですが、最初の山場を迎えるのに少なくとも5万文字以上は書く必要があると思います。
しかし追放ざまぁ系の長所でこれらの説明をシステム的に行えるので、やろうと思えば1万字以内で大きな山場を作る事が出来るのです。
だがこれは最大の短所でもあります。
例えばある追放ざまぁ系が人気を得てアニメ化したとしましょう。アニメは一期12話。1話につきop,ed,cmを除いた20分間の尺を埋める必要があります。
しかし1話目の冒頭で追放されてからスタートするとして、ざまぁするまでに埋めれる時間はせいぜい1か2話、どんなに引っ張っても3話くらいが限界です。
テンポの良さが売りの追放ざまぁ系で、わざわざ6話くらい引っ張ってからざまぁしても逆効果でしょう。
それじゃあ残りの10話何するの? タイトルもう回収しちゃったよね? これ以上は蛇足じゃね? ってなる訳ですよ。
しかし実際のWEB小説版ではざまぁされた後もお話はまだまだ続く訳です。でもそれ以上の山場を持ってくるのが、或いは視聴者にこれ以上の盛り上がりを期待させるのが困難と言う訳です。
つまり竜頭蛇尾になり易いのが追放ざまぁの最大の長所でもあり、短所でも有るという事です。
そう考えると私が良く読む追放ざまぁ系でも、お目当ての悪役がざまぁされるのを確認したら、無意識に読むのを辞める事が多いのに気付きました。
ざまぁされた後も、明確な目的や気になる謎が用意されてる一部の作品は読み続ける事がありますが、日間ランキングを確認するとやはりざまぁ終了後は徐々に下がっていく事が否めない気がします。
つまり――
スローライフで読者を釣った作品はスローライフが続く限り読まれ続ける。
成り上がりで読者を釣った作品は成り上がりが続く限り読まれ続ける。
エロで読者を釣った作品はエロが続く限り読まれ続ける。
しかし追放ざまぁで読者を釣った作品は追放ざまぁが終わると大部分は離れてしまう。
と言う事です。
だから成り上がりやエロ等を全面に押し出した事で何十巻も売れ続けてヒットしたり、アニメ化したりしたなろう原作はあっても、成功した追放ざまぁ系が無いのです。
書籍化されても最大の見せ場であるざまぁが終わる1,2巻程で打ち切られる事が多く、一期分の内容が作りにくくてアニメ化されない理由だと私は考えます。
まとめると、追放ざまぁ系はなろうランキングに挑戦するには向いてるが、アニメ化や大ヒットを狙うには向いていないと言う事です。
言われてみると、追放ざまぁ系にはなろうの最終兵器と呼ばれた【無職転生】や【転生したらスライムだった件】クラスの影響力を持つ作品がまだないですよね。
プチヒットや小粒な作品はたくさんありますが、追放ざまぁ系と言えばコレ! て言えるような、いわゆる最終兵器と呼ぶにふさわしいポジションの作品がまだ無いのが最大の問題なのかも知れません。
とは言えまだ追放ざまぁ系が流行って数年。もしかしたらこうしてる今、これを読んでるアナタがここからヒントを得て、追放ざまぁ系の弱点を斬新なアイデアで克服して、なろうの最終兵器と呼ばれる作品を作って大ヒットさせ、ゆくゆくはアニメ化される……のかも知れません。
そうなったら嬉しいな。
本文を読んでくれてありがとうございます
色々書きまたしが、私の追放ざまぁ系に対する意見は
別にランキングを独占するのは全然良いんだけど、独占したんならその分売れてこいや!
俺達の屍を踏む越えて行った癖に不甲斐ない結果ばかり残すなや!
県予選で圧勝した癖に甲子園で初戦コールド負けすんなや!
です。
結局追放ざまぁ系が嫌われてる一番の理由は世間に売れてないからだと思います。
転生系小説だって最初は風当たりが強かったですけど、リゼロやスライムや無職転生等の作品がアニメ化されて人気になって、徐々に市民権を得たことで今は当初よりだいぶ好かれてきたと思います。
追放ざまぁ系もそれらに並べる人気作品が現れてアニメ化されれば、同じように市民権を得られると思います。
結論:頑張れ! 追放ざまぁ