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第39話:アカバナーのサンタクロース

挿絵(By みてみん)

「メリークリスマース!」

「うかれてますわね……」

「うかれてないもん!」

「サンタ帽かぶりながらよくそんなこと言えんな……」

「むぅ、確かに」

「わーはでーじワクワクしてるわけさ。ちむどんどんってヤツさー!」

「クリスマスプレゼント貰いましたか?」

「ハイ。ワタシもおばあさまからプレゼントをもらいました」

「へぇ。ロボットがもらうクリスマスプレゼント……どんなものなんだろうね」

ハイビスカス少女隊の待機室にも3人だけではなくサクマドンナにすずめ、ミリエにネフィラと勢ぞろいしていた。

みんなで盛り上がる中、扉の開く音が響く。

「みんないるかしら?」

「ケーキ買ってきたぞ」

「あげは先生にふたお先輩!」

部屋に入ってきたのはあげはとふたおの2人。

ふたおの言う通り、手にはケーキの入った箱を持っていた。

「わー、ジミーじゃん。すごーい」

「今いるのは9人ね」

「あげは先生、ちゃんと切り分けられるんですか?」

「それはどういう意味かしら……?」

「包丁持って睨まれると怖いですね」

ふたおは睨みつけるあげは。

「どうしたんですかミリエちゃん」

その横でケーキをじっと見つめるミリエにすずめが声をかける。

「いえ、このケーキをセイカクに9等分するタメにケイサンをしていました」

「というかミリエちゃんも食べるつもりなんだね」

「確かものを食べてエネルギーに変えられるんでしたわよね」

「はい。ごメイワクであればワタシはエンリョしますが」

「あー、ネフィラちゃんがいじわるしてるぅー」

「あはは、違うんだ。そういう意味で言ったわけじゃないよ。みんな食べられるならそれが一番さ」

「それじゃあ切るわよ!」

「マーカーをショウシャします。このガイドラインにソってケーキカットをおネガいします」

ミリエの目が光り、ケーキを9等分するように光が照らされる。

それに沿ってあげはが包丁を入れようとするが……ぐにゅとケーキがゆがんだ。

「……うまく切れないわね」

「やっぱりこういうの苦手なんじゃないですか!!」

「うるさいわね! じゃあふたおがやりなさいよ」

「……あたしも苦手なんだよなぁ」

「だと思ったわ」

「というかふと思ったんですけど、ミリエちゃんにはケーキカットをする機能とかありそうですよね」

すずめの言葉にミリエは頷く。

「もちろんです。セイカクかつセイコウなカットキノウはガイノイドとしてトウゼンです」

「当然かどうかはわかりませんが、ミリエにお願いした方が早くすみそうですわね」

「よろしいのですか?」

「はい。やっちゃいましょう」

「では――」

ミリエの瞳の光が一瞬強くなると、照射されたマーカーの通りに綺麗にケーキが切り分けられた。

「これ、包丁もいらなかったね」

「さすがミリエだぜ……」

「だからよー! 一家に1人欲しいわけさー!」

「そんなにホめられるとテれます」

みんなでケーキを食べ、そして解散する。

クリスマスだからなのか、イタズラ3人娘も全くその気配を見せなかった。

「とはいえ、スーパーヒロインに休みなしだよ!」

そんな中、いつもよりなぜか気合の入っているせせりによってしじみとたてはは再招集をかけられる。

「パトロールか?」

「違うよ! 人助けだよ!!」

「ぬー? どういうことだばー?」

「今日はクリスマス! いろんな人達に幸せを届けたいと思ったんだよ!」

「だからいつもより気合を入れて人助けをか?」

「そう! それも今回は安直な人助けじゃないよ。この楽しい雰囲気になじめなくて悩んでる人達をガンガン助けちゃおう!」

「えー、人助けはまだわかるわけさ。でも悩みを解決っていうのはわーは苦手だばーよ」

「だな。オレらにお悩み解決なんてできるのか?」

「2人とも赤鼻のトナカイってわかる?」

「真っ赤なお鼻のトナカイさんはってヤツか?」

「いつもみんなの笑いものなわけさ」

「でもクリスマスの日にサンタさんが言うんだよね。暗い夜道はピカピカの鼻が役に立つって」

「それでトナカイは喜ぶんだよな」

「そう。それだよ!」

「どれだばー?」

「この赤鼻のトナカイ方式で困ってる人たちを助けに行こう!!」

「まるで意味わからんぞ!」

「まるで意味わからんさー!」

せせりはハイビスカスアーマーを身にまとうと困惑する2人を引き連れ意気揚々とクリスマスの街へと繰り出した。

「見て、あそこに頭の寂しい人がいるよ!」

「やめろ!」

「クリスマスなのに賑わいがないわけさー」

「放っといてやれ!!」

その人はせせりたちの言う通り、その頭頂部には毛がなくピカピカとイルミネーションを反射していた。

「でも落ち込んでいるみたいだし、わたし、放っとけない!」

せせりはすぐに頭の寂しい人の元へと駆け寄る。

話を聞くと、やはり頭のことは気にしているようだ。

そんな頭の寂しい人にせせりは言った。

「暗い夜道はピカピカのあなたの頭が役に立つんです! 自信を持っていきましょう!!」

「どーだったばー?」

「自分の頭が役に立つって知ってよろこんでたよ!」

「嘘だろ絶対!!」

本当にあの人が救われたのかどうかはわからないが、せせりの言う"赤鼻のトナカイ方式"というものがどういうものかはわかったかもしれない。

「見て! あそこにクリスマスも年末も予定がない人がいるよ!」

「やめろ!」

「どーやって助けるばー?」

せせりは年末の予定がない人に近づくと、何やら会話を交わす。

「大丈夫、忙しい年末商戦にはあなたのスカスカな予定が役に立つんだよ! そう、年末商戦のスーパーヒロインです!!」

「社畜奨励か?」

「でもやる気にはなってくれたみたいさー」

「見て! あそこにきよしこの夜をキヨシコの夜だと思い込んでる人がいるよ!」

「あるある」

「ヨシヒコみたいなもんじゃないばー?」

「きよし、この夜だからな」

「きのこたけのこの感じで覚えればいいわけ?」

「何言ってんだお前」

「2人とも何の話ししてるの? 木梨憲武きなしのりたけ?」

「何言ってんだお前」

「まぁいいや。さぁ、次!」

それから、同じような手法でいろんな人に声をかけ、人助けをしていく。

そんな中、ハイビスカス少女隊はそれに出会った。

「見て、あそこに赤い鼻が恥ずかしくて悩んでるトナカイがいるよ!」

「いやいやいや、いるわけねーだ――いるぅ!!!!」

「トナカイってオキナワにもいるばー?」

夜の公園――その片隅にうずくまる生き物。

それはまさに赤い鼻のトナカイーー

「いや、トナカイか? トナカイなのか? トナカイっぽいけど」

トナカイ――を連想するような角の生えた人型だ。

「ちょっと失礼。もしかしてあなた、トナカイですか?」

「どストレートに聞くな」

「わたしが見るんですか!?」

「幽霊かよ。いや……精霊種か?」

「わたしはトナカ人と呼ばれる種族の精霊です」

「イと人が似てるってネタなわけさー!」

「日本語じゃないと通じないじゃねーか」

「それでトナカさんはここで何をしてるんですか?」

「なんだそのタナカさんみたいな感じ」

「わたしはミクラーシュさんと共に子ども達にプレゼントを届けることを生業としているんです」

「つまりサンタクロースみたいな感じだね!」

「それで見ての通り、わたしは夜道を照らす役目……赤鼻のトナカ人なんです。ですけど……」

トナカ人は恥じらう乙女のように鼻を手で覆い隠す。

「冬に角が生えるトナカイはメスだからな」

その動作を見れば一目瞭然。

そう、彼女はこのピカピカの赤い鼻を気にしているようだった。

「でもピカピカのお鼻がないとサンタさんもミクラーシュさんも困っちゃうよ」

「それは理解しているんです。ですけど、やっぱりわたしだけピカピカと目立つのはちょっと……恥ずかしい」

「なるほどねぇ。でもそれなら解決方法はあるよ!」

「本当ですか!?」

「そう! ミスレシュカの大好きなゲーミングってヤツにするんです!!」

「ゲーミング、とは何ですか?」

「つまり、みんなピカピカにしちゃえばいいんだよ!! クリスマスなら雰囲気も出て一石二鳥!!」

「なるほど!」

「ということでミスレシュカ、トナカ人GAMINGのプランをどうぞ!!」

「え? オレ?」

「わたしゲーミングには疎いから……」

「そもそもお前、ゲーミングってピカピカ光らせたらいいとか思ってる?」

「じゃないの?」

「じゃないんだよ!! いいか、ゲーミングってーのはなー」

「よくわからんけど、わーに任せるさー!! この前見たゲーミングはこーゆー感じで虹色ピカピカだったわけさー!」

「え、ちょっと、何ですかそのLED。眩しいっ!! さすがにそこまで眩しかったら前が見づらくなって危険です」

「いや待て、良いことを思いついたぜ。あまり大量のLEDを使うと眩しい、ならちょっと場所を減らして……あと鼻の色と親和性を持たせるために……できた!」

「こ、これは……!?」

「赤鼻と親和性を出すために、両肩に赤いアーマーを装備させた。しかも他のトナカ人にも装備させられるぜ!」

「光もおとなしめで眩しくない! それでいてクリスマスにもなじんだ赤色! これなら――みんなにも勧めてみます!!」

「どうやら悩みを解決できたみたいだね!」

「ああ。ちゃんと解決できると結構気持ちいもんだな」

「だからよー!」

空へ駆け上っていく赤鼻のトナカ人を見送りながら3人はそんなことを口にする。

その後、このトナカ人達はサンタ界のレッドショルダーと名をはせるのはまた別の話。

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