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第21話:クリエイティブ☆ジェネレーション

挿絵(By みてみん)

「お客さん、ハイビスカス少女隊ははじめてかい?」

薄暗いバーカウンター。

1人の少女がカクテルシェイカーを振りながら囁いた。

カウンターにトンとグラスが1つ置かれる。

「ツィーチュカ特製ミルクココア。最初はコイツを飲んでもらうのがウチのルールでね……」

シャカシャカと音が鳴り響く。

「ハイビスカス少女隊、はじまるよ」


動画配信者ステラーになろう!」

「急にどうしたせせりー」

「夏休みになってもいつもみたいに学校に集まってダラダラダラダラ! 何か新しいことをしたいの!」

「ステラーってなんだばー?」

「ステラーも知らないの!? たてはちゃん世捨て人!?」

「チャンネルステーションっていう動画投稿サイトの配信者のことだ。最近話題だろ?」

「聞いたことあるような、ないような……びみょーさー」

「たてはちゃんは置いといて! わたし達ハイビスカス少女隊も動画配信をしよう!」

いつも通り自信満々のせせりにしじみは顔をしかめる。

「そもそも動画投稿とかしたことあるのか?」

「わたしはないけど……しじみちゃんはあるでしょ!」

「なんでだよ」

「忙しい人のためのナンタラみたいな動画とかどうせ作ってたことあるでしょ!!」

「……なんでそうピンポイントに当てて来るかなぁ」

「ということで動画配信やろう!」

「まぁ、それはいい。それで何をやるっていうんだ?」

「それなんだよねぇ」

しじみの言葉にせせりは考え込む。

「何も考えてなかったばー?」

「そうじゃなくて、やりたいことがいっぱいあるんだよ!」

「あいっ、何があるばー?」

「そうだなぁ。やらせありの持ち物検査とかどう?」

「意味わからんぞ」

「だーかーらー、持ち物検査のていでなんか面白いものを鞄に仕込んでくるの!」

「……それなんかのパクリか?」

「…………じゃあ、辛くないものを辛いフリして食べるとか!」

「………………それもなんかのパクリか?」

「……………………パクリでもいいでしょ!」

「開き直った」

「学ぶという言葉は"まねぶ"。つまり真似をするってとこからきていて――」

「それは8話でも聞いた。別にパクリだからダメとかは言ってないだろ」

「ほんとうに〜?」

「ただ、なんでそうやらせの方向に行くんだよ。普段どんな動画見てるんだ?」

「おじさん達が嘘の雑学披露したり、変なショートムービー作ったりするチャンネルだけど?」

「もっと女子中学生がやるのにいいのはねーの!?」

「JCがやるのにいいのって?」

「歌うとか踊るとか……まぁ、ゲーム実況とかでも受けるだろうけど」

「女子中学生なら何やっても人気を取れるさー!」

「たてはーが女子中学生としての強みを理解してるとは……」

「わーはそんなにバカじゃないばーよ」

「でもさー、何やっても人気取れるなら嘘雑学でもいいよね?」

「せせりーはなんでそういう方向にばっかいくんだよ」

「むぅー、インフレしりとりとかやってみたいのにー」

「しりとりならヒマな時にでもやればいいだろーが」

「ていうかさ、逆に聞くけど歌ったり踊ったりしたいの?」

「……ちょっとだけ」

「わーは身体動かすの大好きさー!」

「…………」

「その顔やめろ」

ムスっとするせせりをしじみがたしなめる。

挿絵(By みてみん)

「もー、わかった! でもせっかくだしオリジナリティー出して行こう!」

「パクリでいいとか言ってたやつのセリフか?」

「歌にはわたしも色々思うところはあるの!」

「どーいうことだばー?」

「つまり、わたし達のテーマソングを作ろうってことだよ! それこそあの有名歌手が歌うようなすごいやつ!」

「有名歌手ってだれだばー?」

「ほら、なんかいたでしょ! 玄米法師みたいな名前の……」

「ウロ覚えかよ!」

「シークヮーサーみたいな曲歌ってる……」

「同じ柑橘系だけどさ!」

「ピースメーカーみたいな曲あったでしょ!」

「微妙に間違ってるんだよなぁ……」

「とりあえず、そういうテーマソングが欲しいっていつも考えてたの!」

「いつも……?」

「寝ても覚めてもドリーミンガールだからね」

「意味わからんさー」

「わたし達にはちょっと早いかなー? と思っていたけどこの際仕方ないね」

「テーマソングって言ってもさ……作曲とかできるか?」

「できないけど、作詞くらいならできそうでしょう?」

「"できそう"と"できる"は違うんだぜ」

「でも歌詞なんて耳障りのいい言葉をテキトーに繋げればいい感じになるじゃん」

「作詞家に失礼だぞ!」

「ということで、みんなの好きな言葉を上げていこう!」

せせりは黒板の前に立つとチョークを手に持った。

「ちなみにわたしの好きな言葉は"一挙両得"だよ」

そう言いながら黒板に「いっきょりょうとく」と書き込む。

「はい次しじみちゃん!」

「えっと……世界平和?」

「心にもないことを……」

「スーパーヒロインなんだから当たり前だろ!」

「たてはちゃんは?」

「肉!」

「「知ってた」」

それから各々が好きな言葉を口にし、それを黒板に書いていく。

「一石二鳥っ」

「神引き」

「スペアリブ!」

「濡れ手に粟っ」

「単発SSR」

「食べ放題!」

そんな感じでしばらく経ったあと、せせりは黒板を見ながら満足げに頷いた。

「あとはこの言葉をいい感じに並べて歌詞にすればいいね!」

「ほんとにござるかー?」

「それで曲にとって重要なのがまだあるんだけどわかる?」

「ギターソロだばー?」

「なんでさ。サビだよサビ!」

「ここにある言葉からどうにかするんじゃないか?」

「サビは1番耳に残るパートだよ? ここに書かれた乱雑な言葉じゃダメだよ」

「乱雑とか言っちゃったよ」

「つまり、どーゆーことだばー?」

「サビは同じ言葉を繰り返すようなキャッチーな感じにしたいんだよ! ヒガさんヒガさんみたいな」

「比◯不動産やめろ」

「確かにあれは耳に残るさー」

「でしょ? で、考えたんだけどサビは"はいたいハイ隊"を繰り返す感じがいいなって」

「サビ見ただけで詞に中身がないのがわかるな……」

「玄米法師には程遠いさー」

それから相談を重ねた結果、

「「「できたー!」」」

ハイビスカス少女隊のテーマソングが(歌詞だけ)完成することとなった。

「で、曲はどうするんだよ」

「そこは後でサクラちゃんにでも聞いてみる!」

「だれだばー?」

「ソメイヨシノのオブロハだろ。ちゃっかり連絡先交換しやがって……」

「あー! キラキラの人さー!」

「ということでハイビスカス少女隊のテーマソングを作ろう第1回はこんな感じで終了〜。次回、どんな曲がつくのか楽しみだね!」

「……急にどうしたせせりー」

急に教室の向こうを見ながらそんなことを口走り始めたせせりにしじみもたてはも動揺する。

「どんな歌詞ができたのかは動画の最後に! チャンネル登録、高評価よろしくね!」

それにもお構いなくせせりは続けた。

「あ、まさかテメー!」

「スマホで動画撮ってるさー!!」

「あー! ちょっとたてはちゃん触らないでー!」

「たては、消せ消せ!」

「あいまむさー!」

「むぅー、なんでいじわるするのぉ!?」

ちなみに動画は削除こそされなかったが、ハイビスカス少女隊は顔出し不可なので結局その動画が使われることはなかった。


はいたいハイ隊

作詞:ハイビスカス少女隊


わたしたちスーパーなヒロイン!

単発ガチャ神引きSSR!

スペアリブよりハンバーグステーキ

食べ盛りは一石で二鳥だよ

世界平和 千年帝国

栄光と希望の運動会!


プリティーキュートなbuzzり方で

人気はまさに濡れ手に粟だね


はいたいハイ隊 正義のヒロイン

はいたいハイ隊 みんなの隣人

はいたいハイ隊 イマドキJC

はいたいハイ隊 KAWAIIイイネ


来たよ!

わたしたちハイビスカス少女隊!


わたしたちスーパーなヒロイン!

無料10連お肉食べ放題!

アイドル活動キラっと超変身

自己ベスト更新チョーイイネ

一挙両得 無借金の土地活用

墾田永年私財法!


ラブリーハートは無限大で

活躍まさに人権キャラだね


比嘉さん我那覇さん 正義のヒロイン

比嘉さん我那覇さん 地域に密着

比嘉さん我那覇さん みんなの憧れ

比嘉さん我那覇さん シュガーレス


いくよ!

みんなとハイビスカス少女隊!


プリティーキュートなbuzzり方で

人気はまさに絶対、運命、焼肉、定食、激レア、大放出でうなぎ上りだね


はいたいハイ隊 正義のヒロイン

はいたいハイ隊 みんなの隣人

はいたいハイ隊 イマドキJC

はいたいハイ隊 KAWAIIイイネ


はいたいハイ隊 プリズム輝く

はいたいハイ隊 身に宿るチカラ

はいたいハイ隊 うまさの秘訣

はいたいハイ隊 全部チャンプルー


いまよ!

わたしたちハイビスカス少女隊!





挿絵(By みてみん)

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