不死の始まり⑥
『実験体ノ死亡ヲ確認シマシタ。コレヨリ復活マデノ時間を計測シマス』
一発目はしっかりと少女の右脳に銃弾が撃ち込まれたらしく、即死だった。
二度目の無機質な声と共に少女の復活が始まる。
なんで、死なないの?
もう、二回も銃で撃たれて死んだはずなのに…!
私、生きてるはずないのに…!
あぁ…もう何回でも死んでやる…!
二発目
少女はもう、吹っ切れた顔をしていた。
『何を決意したのかは、知りませんが顔つきはよくなりましたねぇ…
その表情…いいですねぇ
壊しがいがあるってもんですよ…フッフッフ…』
少女は、また落ちた銃を拾い上げて構える。
あぁ…もう…いいよ…
ダァンッ!
『実験体ノ死亡ヲ確認シマシタ。コレヨリ復活マデノ時間ヲ計測シマス』
また同じように少女はそこに立っていた
私なんて生きる意味なんてこのぐらいしかなかったかもしれない…
私が今死んで何とかなるならいくらでもこんな命くれてやる…
生きたいなんておこがましい。
そうだ、私なんていなくていい。
復活した少女は銃を拾い上げる。
初めはあんなに怯えていた銃も全く怖くない。
むしろ、生きる価値のない私を殺してくれる最高のものだとさえも思えてきた。
これが最後の自殺だといいなぁ…
ダァンッ!
『実験体ノ死亡ヲ確認シマシタ。コレヨリ復活マデノ時間ヲ計測シマス』
むくりと起き上がり周りを見渡す。
全く変わらない私の服。
血だらけの床。
血だらけの銃。
やっぱり私は死ねないんだ…
死にたくても死にきれない、ただのゴミ。
生きる価値なんてどこにもない。
生きていたって誰かの邪魔になるだけ。
私なんて…消えてなくなれ…!
ダァンッ!
『実験体ノ死亡ヲ確認シマシタ。コレヨリ復活マデノ時間ヲ計測シマス』
消えろ!消えろ!
私なんてもういらない!
ダァンッ!
『実験体ノ死亡ヲ確認シマシタ。コレヨリ復活マデノ時間ヲ計測シマス』
なんで死なないの!
消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!
ガチンッ!ガチンッ!ガチンッ!ガチンッ!
ハァ…ハァ…ハァ…
『フッフッフ…どうしたんですか、いきなりぃ…
そんなに死にたがりだったなんて…うれしいですよぉ…!』
男の声を聴いて少女は我にかえった。
なに…!今の…!
私とは無関係に、体が…勝手に…!
『あらかじめ仕込んでおいた精神を昂らせる薬がやっと効きましたかぁ…?
普通は気が付いたときにすぐ効くんですがねぇ…?
なんででしょうか…?フッフッフ…
実験したくなってきましたよぉ…!』
ゲームの結果は五発全弾命中
五回死亡
死亡してから復活までの平均時間:約十秒
青白く光ってから実体化するまでの時間:約三秒